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Toshiが行く

日記や趣味、エッセイなどで描く日々

どうぞ ご繁盛に

2021年03月06日 16時55分40秒 | まち歩き
     勤務先の近くにラーメン店が新規オープンした。
     店先にはいくつもの花輪が立ち、客が店の外まで並んでいる。
     それほどの多店舗ではないが、広域にチェーン展開している、
     ちょっと名の知れた店らしい。

     だが、他人事ながら少し心配だ。
     知る限りこの1年ほどで、この店は3度目の新規開店になる。
     要するに、新規オープンしたものの何カ月後にはもう閉店し、
     次にまた別の店が開店する。
     そんなことを繰り返しているのだ。



     最初の店には、行きつけというほどではないが
     月に2、3度は行った。
     カウンター席10席ほどが並ぶ、小ぢんまりとした店だったが、
     通ううちに「大丈夫なのだろうか」心配になってきた。
     昼時になっても客の入りが芳しくないのだ。
     BGMに、ラーメン店には不似合いと思えるジャズを流している。
     『儲かる音楽 損する音楽~
     人気ラーメン店のBGМは何でジャズ?』
     そんなタイトルをつけた新書本が出たことがあり、
     実際にBGMをジャズにしたら、
     客が増えたという店が東京にあるらしい。
     この本を読んでのことか、
     この店でもジャズが流されるようになったのだ。
     テボを振っている兄さんに「好きなの? ジャズ」と聞くと、
     含み笑いしながら「ええ、まあ」と一言だけだったが、
     それほど日を置かずドアに『○日をもって閉店いたしました』と
     B4ぐらいの白紙が貼られてしまった。

           
     
     次は全国展開している、ラーメン通には知られた店で、
     多少の手は入っていたが、ほぼ居抜きでの開店だった。
     開店当初は満席に近い状態だったが、
     不運だったのはコロナの感染拡大に直撃されたことだ。
     見る間に客足は遠のき、昨年末閉店に追い込まれてしまった。
     営業出来たのは、半年ほどだっただろう。

     そして、今度の店だ。
     福岡市内を東西に貫く幹線道路の一つ、
     国体道路沿いにあるから立地場所としては
     悪くはないと思うのだが、
     商売にはずぶの素人が気を揉んでもしようがあるまい。

        ただ、ただ繁盛を願うばかりだ。


マイカー族

2021年02月26日 06時00分00秒 | まち歩き
        1年365日。早いものですね。
    このブログを始めて、今日がその日になりました。
     いつもご訪問いただきありがとうございます。
          お礼申し上げます。
       これからもよろしくお願いいたします。

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私、マイカー族です。お抱え運転手もちゃんといます。
後部座席にゆったり座っていれば、行き帰りОKです。
行き先までどのくらいかな、うーん、よく分かりません。
でも、歩くと結構遠いように思えますので、
送り迎えしてもらえると、とても楽ちんです。
天気の良い日はオープンカーとなり、雨が降ったりすれば、
ちょっと嫌ですけど、ソフトトップの屋根がすっぽり覆ってくれます。
朝はやはり眠いなあ。つい寝入ってしまうこともあります。
そんな時は、運転手さんから
「はい着いたよ。起きて、起きて」と揺すられ、
たまにはつい、泣き出してしまうことも……。

   近頃多くなりました。
   私と同じようにマイカーで行き来する人たちが。
   そのせいか、危ないなと思える光景をよく見かけます。
   行き交う人たち、特に朝は会社へ行く人たちが多いので、
   その人込みを縫うように進まなければならなくなります。
   中でもお年寄りは要注意です。
   どうしても動作が鈍く、咄嗟の動きが出来ませんからね。
   衝突しかねません。
   また、うちの爺ちゃんもそうですが、歩くのがのろい。
   右に行くのか左に行くのか、それとも真っ直ぐなのか
   分かりにくいんです。
   その都度、私の運転手さんは車を止めなければならず、
   時々「ええい、もう」なんて口汚いこと。
   嫌ですね。そんな汚い言葉を聞き続けると、
   私も「ええい、もう。何しよっとね」と言いそうになります。
   用心、用心。
   
        

通行人だけが悪いのではありません。
運転マナーが欠ける人も結構います。
特にスピードの出し過ぎ。
こんなに人通りが多い所で、そんなスピードだと
事故につながりかねません。
信号もしっかり守らないといけませんね。
信号無視の車も結構いますよ。
お巡りさんに言いつけようかと思うのですが、
あいにく携帯電話を持たされていません。
それで、「こら、そこの車」と怒鳴りつけそうになります。
いけない、いけない。
私のお抱え運転手であるママ、時々パパになりますが、
二人ともマナーはしっかり守ってくれます。
運転技術も心配いりません。時々、ゆらっとなり、
寝ていた私は「何事!」と驚かされることもありますが、
信頼してお任せしています。
これからも歩道を走る時は、歩行者に十分気を付けてください。
三歳の女の子が偉そうに言ってごめんなさい。
それでは保育園に着くまで、また眠ることにします。
安全運転お願いね——チリリーン。
 

カレーライス

2020年11月10日 06時00分00秒 | まち歩き
     何とも奇妙、というか、理解しがたい関係の男女ペアだ。
     ほぼ週1回は、ランチに通う全国チェーンのカレー屋さんでの話。
                                          
それほど繁く通えば、まあ常連客の一人となっているだろう。
格別、カレーライスが好物というわけではない。そこそこ、といった程度だ。
あの店は旨いだとか、まずいだとか、そんなことにさして執着しないから、
そのカレー屋さんは勤務する会社が入居しているビルの隣にある、
つまり近くにある便利さが何よりの理由となっているのである。

    入口から奥へカウンターが延び、全部で12席しかない小さな店だが、
    付近には会社や店舗が多いせいもあり、ランチタイムは結構込み合っている。
    この昼時は男性1人、女性3人、全員が中年のスタッフで、
    ローテーションにより2人1組、つまりペアになって接客している。
    4人の組み合わせだから数組のペアができるわけだが、
    この中に1組、何とも不思議な関係の男女のペアがいるのだ。
                                               
男性が調理、女性がレジとカウンターを担当しており、
明らかに男性が上司然としている。それはこちらのあずかり知らぬことであるが、
この男性の小うるさいことといったらありゃしない。
「ほれ、早くカウンターを片付けて……」
「レジでお客様が待っておられるじゃないか」
などと休む間もないほど、あれやこれやと指示をする。
「それ、パワハラじゃないですか」と言いたくなるような時さえある。
それも客の面前なのだから、聞き苦しく、見苦しい思いにさえさせられる。
それほどの言われ方だと、「私、辞めさせていただきます」となってもおかしくない、
などと余計なことまで気を揉む始末だ。
                                               
    ところがだ。その女性、腹を立てているふうにはまったく見えない。
    表情も受け答えも平然たるもの。
    「いやー、ご立派」と声を掛けたくなるほどだ。
    驚いたことに、別の日には笑顔交じりで睦まじそうにしているではないか。
    ひょっとして、ご夫婦? 
    そんなことは聞けはしないが、あるいはそうなのかもしれない。
    奥さんが亭主を手の平に乗せ上手に転がす、よくあるあの図だ。
    いやいや、そう言い切れるほどの自信はないか。

    あれやこれやと想像し、心中ニヤニヤしながらカレーをいただく。

『鬼滅の刃』って、何な

2020年10月27日 09時07分39秒 | まち歩き
       
「こん頃、『鬼滅の刃』、『鬼滅の刃』って、よく聞くばってん、いったい何な」
「ああ、ありゃ漫画やろうもん。これが映画になって、えろう人気があるらしかな」
「何な、漫画かいな。しょもなか。子どもが見るもんやろ」
「そいがさ、若いもんだけじゃなかとらしか。
結構なおじさん、おばさんにも人気があるらしかばい」
「ほー、どがん漫画やろか」
「あっ、いかんいかん。今時は漫画って言わんごたる。アニメとか言うらしかぞ」
「そうかい。アニメね。孫たちに笑われんごと、ちょっと調べとったがよかかもな」
「そうやね。ちょっとネットで見とこうかいな」

以下、検索したものの概略──。
◆舞台は大正時代の日本。主人公の竃門炭治郎(かまど たんじろう)は、
 亡き父親の代わりに家族の大黒柱となり、炭を売りながら生計を立てていた。
 ある日、炭治郎が町へ炭を売りに行き家に戻ると、家族は無残にも「鬼」に惨殺されていた。
 そして、唯一生き残っていた妹の禰豆子(ねずこ)は、鬼に変容してしまっていた。
 炭治郎は、禰豆子を人間に戻すため、また家族を殺した鬼に復讐するため
 鬼狩りへの道へと進むダーク・ファンタジー。
◆作者=吾峠呼世晴(ごとうげ こよはる)。本名だそうだ。
 性別もはっきりしていないが、どうやら女性。福岡県の人だという。
◆『週刊少年ジャンプ』で2016年11月号から2020年24号まで連載された。
 全205巻。シリーズ累計発行部数は発売時点で単行本22巻・1億部を突破した。
◆2019年4月~9月まで全26話がテレビアニメ化されている。
◆10月16日から劇場版『鬼滅の刃』無限列車が公開され、
 10日間で興行収入が100億円を突破(約107億5000万円)した。
 日本で上映された映画の中で最も早い記録。
           
   「ざっとまあ、こんなことらしか」
   「なるほどな。だが、こいだけじゃ、なんで人気があるんか分らんな」
   「ネットでは、いろんな人が人気の理由をいろいろ語っとっとやけど、
   家族愛、家族の絆、そいから主要な登場人物が次々死ぬもんだから、
   その悲しさ、切なさみたいなものに感動するらしか」
   「映画館では客がぼろぼろ泣きようらしかな。
   ばってん、読んだり、聞いたりしただけじゃ、よう分からん」
   「そうたい。こがんもんは、自分の目で見て、感じらんばね」
   「本を読んだことも、テレビや映画を見たこつもなかもんが、
   ああだ、こうだ言うてもいかんやろうね」
   「そいじゃ、映画見に行ってみるかね」
   「今はまだ多かろうけん、もうちょっとしてから行ってみるか」


いい女 

2020年06月26日 05時30分59秒 | まち歩き
            
   久しぶりに、2月末以来だから実に4か月ぶりにバスと地下鉄に乗った。
   車で街中へ出るのは、ちょいちょいあるが、
   公共交通機関を利用するのはそれほど月日が開いていた。
                        
珍しく定刻通り来た12時50分のバスに乗り、13時09分発の地下鉄に乗り換えた。
こんな時間だからバスも地下鉄も乗客は多くない。
ソーシャルディスタンスを保つには十分で、
しかも見回せば皆さんきちっとマスクを着用されている。
そうとあってか、いつものようにスマホを熱心にいじっている人たちを、
束の間コロナを忘れた安心感がふわり覆っている。

                     
   
   それは帰りのバスでのことだった。
   16時23分発の地下鉄から16時40分のバスに乗り継いだ。
   どちらも行きの時より、乗客はやや多め。
   それでも、“密”というほどではまったくなく、
   またマスク着用の人ばかりとあって、
   やはり、コロナがちょっと遠のいたかのように思えた。

ただ、座れる席はなく降車停留所の2つ前まで吊革をしっかり掴んでいた。
ようやく席が空いた。やれやれ。
そして、無意識に目が前に立っている若い女性に向いた。
薄いグリーンのTシャツ、黒のジーンズ、足元はadidasのグレーのサンダル、
そして黒のベースボールキャップ。
そこまで見ていたのだから、しっかり観察していたのだろう、
そう言われても仕方ない。反論はしない。
あれっ、この女性、何だか体の動きが妙だ。
吊革に掴まりながら、遠慮がちに体を揺らしている。
バスの揺れと合わせた動きではない。
すぐにピンときた。髪を透かしてイヤホンの黒いコードがちらり見える。
やっぱり。何か音楽を聞きながら、体を緩く動かしているのだ。
何だか、いい雰囲気。思わず、「かっこいい」と叫んでしまった。
もちろん声には出さず。

   同じ停留所で彼女が先に降りた。すると、ぱっと帽子を取る。
   薄い茶のロングヘアがはらり。風に吹かれ背へなびいた。
   またまた「かっこいい」──鼻の下が少し伸びたろうか。
   コロナを忘れた平和なひと時。我ながら呆れ、苦笑しつつ妻の元へ急いだ。