ストリートライブ 第2回目 素敵な出会い中編（8月12日日曜日）

到着すると、あ！
夕闇の中に先客がいる。
アンプの前にギターを抱えた男の子が一人。

私、声をかける。
「あ、あの何時からスタートされますか？もし良かったら
私、先に30分程ここで歌わせてもらってもいいですか？」

すると、その男の子は「どうぞ！・・・っていうかその機材で
するんですか？良かったらこのアンプ使って下さい。」と、
なんとアンプまで貸してくれた。信じられへん！！！
そして機材セッティングも手伝ってくれた。
その男の子の名前は”山田”さん。信じられないぐらいいい方だ！

そして私は歌い始めた。
最初のうちは緊張でノドが固かったけど、徐々にペースを取り
戻してきた。
夜風がさあっーと左から右へ私の顔をなでた。
風！！・・・今まで室内のライブハウスでしか歌ったことがなかった
私は、この時初めて歌いながら天然の風というものを感じた。

これがストリートか！！これが外で歌うというものなんだ！！
ほんの少し感覚が分かった。
風、空気、一体化するんだ！共存するんだ、この空間と！
これがキーポイントかもしれない！
つかめ！つかめ！ゆりこ！本当の歌を、空気を、つかめ！・・・

歌い終わって片付けだすと、高校生ぐらいの男の子が来た。
「CD一枚下さい。」
うわー！！と、届いたんだ私の歌！！嬉しい！
すると後ろからその子のお母さんが来た。
「うちの子がこれからも応援したいって言ってます。頑張って下さいね。」
私、感動し過ぎて握手をした後、その親子の後ろ姿をいつまでも見送った。
「ありがとうございます・・」見送りながら何度もつぶやいた。

すると、隣にいた別の男の子が話しかけてきた。
「すごいやん！ストリートほとんど経験ないんでしょ？
それやのにCD買ってもらえるなんて、すごいやん！お金を払ってまで
本城さんの歌、持って帰って聴きたいってことでしょ？やったね！」

その男の子は名刺をくれた。
「僕はRYOって言います。ここでみんなでこの機材を使って
毎週土曜日の晩ストリートライブやってます。もしよかったら
これから一緒にやりませんか。これは僕がスタートさせたんです・・」

すると山田くんが、
「CD売れてよかったね！今日は本城さんにとっていい一日やったね！」
と言って、「みんなアイス食べへん？ほうらいのアイスって急に食べたくなれへん？」
と私にもアイスをくれた。

レモン味。こんなにアイスクリームって美味しかったっけ。
みんなで一緒にほおばる。最高の味。

ー明日へ続く。

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