園長になり、はじめて送り出す卒園児。凛々しい姿で巣立って行きました。
挨拶でお話しさせて頂いた、「最後に、何をみんなに持っていってもらいたかった」の話。
最後に伝える一言は「何にしようとかな?」と考えました。
「前へ進むことへの希望と力」
幼稚園での毎日、自分なりに頑張り、また、お友達と力をあわせ、助け合い、励ましあい、喜び合ってきました。
頑張ること、そこには、自分ひとりで頑張ることはもちろん、家族の方々の支え、お友達や先生の支え、また、見えないところでも沢山の人や物が支えてくれています。そんな、たくさんの周りの励ましや喜んでくれる笑顔があってこそ、頑張れるものであり、頑張ってこれたのだと。
幼稚園という、まだまだ小規模ではありなあがら、子どもたちにとっての社会生活の始まり。そこでの、人と人とのふれ合い、支え合い。時に、大人でさえも、その大切な心を気づかせてくれる場でもあります。
人は一人で生きていけるとするならば、それは、あまりにも世間知らずで身勝手。自分本位であり、我儘無知な感覚であろうかと思います。見えないところであろうと、きっとどこかで間接的にも、たくさんのものに支えられているという意識、周りとの関わりや、理解・感謝・ありがたみの心を身につけてくれたのではないかと。
これから通う小学校でも、また新たな仲間たちや先生方、そして、家族のみんなに囲まれながら、「前へ進むことへの希望と力」を、もっともっと身につけられるように、頑張って欲しいものだと思います。
ご家族の皆様におかれましても、在園期間中、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
成長過程の、ほんの一時期、幼稚園では様々な活動や行事を通して、集団生活ならではの環境の中、ほんの少しのお手伝いができたことかと。ご家庭では園での生活以上に、日々様々な出来事があったかと思います。その日その時の出来事だけで成長するものではなく、大なり小なり、たくさんの波を超えてこそ、子どもたちは、深く成長していくものと確信しています。
そう願い、行われている園での出来事に際して、ご家族の皆様には、ご心配をおかけしたり、いき足りない点なども多々あったかと思います。入園当初は、「お子様を大切に、だからこそ鍛えてあげていますか?」そう感じてしまう一部の出来事も毎年あったり。しかしながら、園生活を通し、それらすべてを包み込む、一番大きく、一番大切な家族の皆様のご理解とご協力があったからこそ、喜怒哀楽を繰り返してきた園での経験が、自信や希望、優しさや強さとなり、子どもたちは成長して来れたものだと感謝しております。
小学校のみならず、これから先、子供たちにはたくさんの出来事が待っているでしょう。そして、その全て包み込み、下支えし続ける、ご家族皆様方の日々も続くかと思います。未来に向けて、無限の可能性を秘めた子供たちとともに、一緒に歩んで頂きたいと願っております。
この先も、もっともっと、在園中、また、これから入園してくる子どもたちにも、たくさんの人の中で、たくさんの物事に接しながら、日々喜怒哀楽を繰り返し、「前へ進むことへの希望と力」を、身につけてほしいと思います。
ps.壇上から子どもたちを見た瞬間、「これが最後の言葉なんだ…」そう思ってしまい、極めて希望に満ちた、おめでたい日なのに、涙をこらえてお話しするのがやっとでした…