むかわの阿呆演劇日誌

演劇についての劇日誌やつれづれの演劇、映画の感想や日々のつぶやき。写真もあげます。

大衆演劇散歩記「川北長治」

2011年06月09日 22時53分38秒 | Weblog
劇団武る 三条すすむ
5月8日(水)PM12:00~3:15 浪速クラブ

べしゃりのサギのようなおっさん。糖尿で大変なそうな。ようしゃべるし、男の五月蝿いお隣り合わせ。来たときは一杯ひっかけて来たようでどないしょというか。ええかげんにせいよと。イヤーオーラ一杯な自分。ああではじまった。

第1部 顔見せミニショー眠気がたって、芯が入っていない踊りはみれない。

第2部 お芝居「遊侠三代」

これも危ない所があったが、芝居がきまりまじめたら目がしゃきっとしはじめた。江戸、両国で口利きで生業にしている川北長治。まあ、地まわりやくざ。やくざは悪だ思わせたのは近代からで、やくざ渡世は庶民のまつりや遊びのまとめや。そんな川北長治には幼き頃にわかれた父がいて、探している。おこもさんが腹をすかせて自分が食べているおにぎりを盗み食いしているのも、わけを聞いてみづから世話をしてやるくらい。

そんな長治を疎む輩がいて、人斬り仁平をやとう。この人斬り仁平。こだわりがあり。ひとりですべてをかたずける。手伝いでもしたら、その手伝いをも斬るほど。

仁平はひとりで長治の家へいき、斬りに来たという承ったのはいちの子分長吉。いま親分は自分の親を必死に探している。その折りにひと斬りにあってはならないと親分を守るとみづから仁平に親分に化けて喧嘩へ。

長吉いないことに気づいた長治が弟子分に聞き出し、かけつけたときは長治は殺されていた。
子を守れなかった長治は人斬り仁平と戦う。勝ってしまうがなんとひと斬り仁平が自分が探している父であることをその闘いでわかってしまう。父もわかり、実は人斬りをしていたのは自分が捨てた我が子ためだ。殺されながら必死に我が子である息子に小判をさしばらまく演技でわかる。
すべての業を背負う川北長治に座長三条すすむ。人斬り仁平に大夫元勝正治。おこもさんに月代小夜子。子分長吉に藤千之丞。この四人がいい芝居をする。

大衆演劇の名作はさりげなく、みせるというのがいい。

小林旭「雪散華」
作詞:西村賢三 作曲:西村賢三

「傷つき破れた はぐれ舟
雪をかぶった 哀しい舟よ
それでも海に へさきを向けて
いまも大漁の 夢を見る
嵐でなくとも 出られぬわが身
泣いて涙に 暮れるなら

※せめて吹雪の なかで舞え
吹きぬく風の音 聞きながら
いっそ吹雪の なかで散れ
涅槃 曼陀羅 それとも地獄※

荒海渡る 鳥でさえ
枝をくわえて 行くという
とまり木さえも 持てない俺に
夢のかけらも 砕け散る
くずれた壁の 一つ一つに
惚れたおんなの 顔をみて
せめて咲かせよ 雪の華
心の芯まで 凍る街
いっそ静かに 雪の舞い
涅槃曼陀羅 それとも地獄」
この歌でのやまがもりあがる。

いやー、三条すすむのぬけた力のこころのとおりがこちらをひびかせる。さりげないぐらいの感じがいい。
小劇場の仁義なきではなく、仁義あるなかの刹那なのだ。

第三部舞踊ショー
三条の女形のうつくし着物女性は安心して見られる。

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