ベスト4に残った4チームはそれぞれ特徴があって、持ち味を発揮しました。
球場担当の関係から、1試合しか見ることができなかった広田少年野球クラブは、女子の多いチームでしかも打線の中軸を打ち、守ってはサードやファースト、はたまたピッチャーもという感じで、姫路ではなかなかお目にかかれない貴重なチームでした。
実力も、高知の龍馬杯で準優勝の飾磨インパルスを堂々完封するなど、折り紙つき。この日も最後まで優勝した清和台を苦しめましたが、わずか及びませんでした。いつも県大会では海のきれいな淡路に寄せていただいていますが、逆に今回は姫路に来ていただきました。山間部の球場が多かったですが、ご感想はいかがでしたか?
4試合を見せていただいた、芦屋支部の大東浜イーグルスはミラクル旋風を巻き起こしました。初戦から抽選になり勝ち上がると、2試合目は大変な乱打戦になりましたが打ち勝ち、3回戦は強豪猪名川ヤンキースに7回の土壇場、F君のホームランで追いつくと、サドンデスを制しました。準決勝は3回戦と同じような展開で、6回にT君がセンターオーバーのホームランで追いつき、7回には勝ち越しのチャンスを迎えスクイズを試みるも失敗。その裏ヒットのランナーが三盗を試みると、捕手のT君がやや力み、暴投になってしまい悔しい決勝点となってしまいました。筆者は2回戦から、T君の捕手としての動きや、一連の鋭い洞察力に強く興味が湧き、カメラを向けました。特にファールフライを追いかける動きは抜群でした。バッティングも追い続けましたが、カメラを向けるとなかなか打ってくれず、準決勝でカメラを撮るのを停止した途端にホームランを放った。皮肉なものですね。
自分の暴投で決勝点が入ってしまい、試合後は悔し涙が溢れていました。試合に負けたのは事実ですが、決して責められるものではありません。むしろ大事なポジションで、チームメートを鼓舞し続けた姿勢は称えられるものであり、まだ始まったばかりの野球人生を、今日の教訓をバネにして、そして今まで以上にハッスルして、実りの大きなものにして欲しいと思います。
キャプテンの連投、そして頑張りも見事でした。緩急をつけコーナーに投げ分ける投球術は相手打線を翻弄しました。
また3試合連続ホームランを放ったF君も印象に残りました。投手としてはわずかなイニングしか投げなかったですが、力の片鱗は感じました。良いボールがありました。本当に、全員がチーム一丸となって、粘り強い試合を見せてくれた好チームでした。
準優勝の鴻池フレンズは、バッティングが素晴らしく、全員がまんべんなくヒットを放っていたように思います。強く印象に残ったのは、監督が必ず子供の目線に合わせ、座って指導をしていたこと。決して失敗を責めず、噛み砕いてプレーについて説明をされていました。前向きな失敗には必ずOKOKの言葉があり、まだまだ諦めるなと常に選手を勇気づけられていたと思います。
技術的なことでは、少年野球はバッティングにおいて、「ポイントを前に置いて打て」というのが常識のようになっていますが、このチームは、「へそまでボールを呼び込め、そして鋭くヘッドを回せ」との指導。それを選手が実践しており、ゆるいボールにも泳ぐことなく鋭い打球を連発していました。素晴らしいです。投手では、先発を任されていたM君のダイナミックなフォームから投げ込む速球は、見ていて気持ちが良かったです。決勝では惜しくも敗退しましたが、すべての選手が精一杯力を出し切ったと思います。
優勝の清和台少年野球クラブの皆さんおめでとうございます。川西地区はレベルが高く、地区では優勝ができないと言っておられましたが、なんのなんの攻守にまとまった素晴らしいチームです。準決勝、決勝とも4番のS君がポイントゲッターになりましたが、前後のバッターも腰がしっかりしており、スイングがどっしりとしています。それにしてもS君の飛距離はすごいですね。度肝を抜かれました。・・・そしてピッチャーでは、背番号6ながら連投のT君は、ゆったりしたフォームから重そうな球質の速球を投げ込みました。アウトコース低めに決まれば手が出ません。そのバックを守る野手も軽快な動きと堅守で、とてもスマートな印象を受けました。優勝も当然の結果だったと思います。また表彰式の時のキャプテンの笑顔がさわやかで、ユニフォーム同様チーム全体が爽やかな印象を受ける素晴らしいチームでした。来年は前年度優勝チームと言う立場で参加していただき、2連覇を目指してください。お待ちしています。
大会中いろいろと不手際および、及ばないところがあったと思いますが、何かとご協力いただきまして有難うございました。
清和台少年野球クラブの優勝写真と、トーナメント表は1つ前の記事をお読みください。