とるにたらないブログ。

こころの病で文化をよむ(11) NHKラジオ

2024年9月15日(日)、放送分。

 

興味ある人は、

NHKの聞き逃し配信から聞いてください。

多少省きましたが、メモ量は凄く多いです。

 

ほぼ文字起こしですが、依存症は社会にとって重要な課題でしょうから、お見逃しください。>NHK殿。

 

間違いあれば、
私の聞き間違いか、理解不足です。
また、" " 内は感想だったり私が追記したものです。

 

11.語りと薬と場の力
・依存症は報酬系の乗っ取りと暴走によるという考えがある。

・現在は依存症に対する特効薬はない。

・アルコール依存症の治療は断酒だけである。

・のっとられた報酬系の誤作動はなかなか戻らない。

・断酒は難しく、断酒を続けることも難しい。

・それを可能にしたのが断酒会である。

・断酒会の始まりは、1930年代米のAA(アルコールホリクス アノニアス)。
2人のアルコール依存症の者が語り合うことで、
一人ではできなかった断酒ができるようになった。

それを、大人数に広めていった。

・160以上の国や地域で200万人以上の会員がいると推定されている。
日本にもある。

・日本独自としては、全国断酒連盟がある。
(全断連)

・集まって語り合うだけなのに、
なぜか断酒ができる。

・もちろんすべてのアルコール依存症患者が、断酒できるわけではないし、
否認がある依存症患者は、断酒会に出ようとする意志が出ずらい。

参加しても途中で脱落してしまうことも多い。

・断酒会の効果に対しては医師であっても疑う人もいる。

・薬物依存症では、NA(ナルコティクス アノニマス)
という同様の存在がある。

130以上の国にあり、日本にもある。

・摂食障害にはNABAがある。
拒食、過食。

AAなどと同様のモットーが掲げられているが、

いいかげんに生きよう、
という独特のモットーが掲げられている。

・摂食障害者には
一生懸命やりすぎるか、
全くやらないかのオール オア ナッシングの傾向がある。
(強迫的傾向がある)
"いいかげん"でも今やれることを、一緒にやってゆこうという考え方。

・現在の日本社会は、強迫的な傾向なのではないのか?。

・講師も外来患者に"いいかげん、良い加減"を進めることがよくある。

・断酒会では、批判はしないという約束がある。
仲間の発言に口を出さない、助言もしない。

ひたすら傾聴するこいうことが行われている。

 

・向精神薬は精神現象に影響を与える薬という意味。

・精神を薬で治療することに、不安を感じる人もいるのではないのか?。
しかし、向精神薬は一部の病には、有効であり必要不可欠な場合もある。

・↑統合失調症に対する薬物治療がそれである。

・風邪をひいたときに薬を飲むのと同様で、
症状に耐えるのではなく、必要に応じて使いこなすと言う考え方が重要。

・薬には副作用があるというのは重要な事実。

・向精神薬の必要性は、病気によりかなり違う。

・統合失調症の治療薬(抗精神病薬)の初期の物は、
強い副作用があった。

その後、副作用の小さい新薬が出てきたが、
依然として副作用はある。

しかし、統合失調症には薬物治療しかないく、
薬を使わなければ患者に重大な不利益があるので処方される。

・うつ病の場合、抗うつ薬はあるが、
一番大事なのは質の良い休養を取ることである。
薬は休養の質を高めるために使う。

休養さえとれば、いずれ回復してくる傾向がある。

・中程度までのうつ病には、認知行動療法が薬物療法と、
同等の効果がある。

 

・プラセボ効果、偽薬効果ともいう。
有効成分がないのに効果を発揮すること。

"発揮したと思い込むこと、ではないんですよね。"

・薬を服用することによる心理的効果は、
一般に思われているよりも強い。

鎮痛薬も何割かは、心理的な効果だと言われている。

"これ分かるな。数年前骨折して手術した後、
経口の痛み止めだけでは、痛くて寝れなかったのが、
夜中、点滴を打ってもらえることになったとき、
痛みから解放される安心感からすぐに眠れたからな。"

・新薬の開発で効果を検証するとき、
年齢、性別が偏らないよう、均等な2群に分ける。
そのうちの一方には効果の期待できる薬を与え、
もう一方には見た目、臭い、味がそっくりの、効果の無い薬を与える。

患者には偽薬かどうかは伝えず、
薬を与える側にも偽薬かは伝えない。

でないと、結果に影響を与えるかもしれないから。

ダブルブラインドテスト(二重盲検法)という。

それでも、偽薬でも一定の効果が出る。

・抗うつ薬、抗不安薬、睡眠薬では、
心理的な効果はかなり大きいと言われている。

"実体験としてもそうだな。
統合失調症の薬はテキメンに効いたからなあ。
独り言が全く出なくなったし、妄想が減ったし、頭が働かなくなったというか。

それに比べると、うつ病関係は効いてるのかよく分からないし。
でも薬飲んでないときに調子が悪いと、
薬飲んでないからだと思ったしなあ。"

・受診するときは、機械的に診察を受け、薬をもらうだけではない。

予約や連絡、受付、待合室、診察、処方箋をもらい薬局に行く。
その間にさまざまな会話があり、言葉や動作、表情から多くのメッセージを受け取る。

薬を飲むときには、
それらが想起されるかもしれない。

それらがプラセボ効果の中身である。

・通院、診察を通じてプラスの体験をしていれば、
プラスのプラセボ効果になり、
マイナスの体験をしていれば、
マイナスのプラセボ効果になり、
薬の効きを弱めるであろう。

・医療を提供する側は、説明し親切に対応し、
プラスの心理的効果により、
薬の効きを十分に発揮させるように心がけるべきでしょう。

 

・依存症の報酬系の乗っ取りという仮説に対し、
断酒会が効果があることの説明はできていない。

・精神科医療には謎が多い。

・べてるの家(精神疾患患者の活動拠点)では、
産地直送の商売を行っているが、
それは苦労が多いからである。

生きるために苦労するという、
当たり前のことを取り戻すため。

・べてるの家では、当事者研究でも有名。

統合失調症は薬でなければ、治療不可能と思われていたが、
幻聴を"幻聴さん"と擬人化し、
この迷惑な幻聴にお引き取りいただくにはどうすればよいのか、
当事者同士が知恵を出し合って話し合う、などの活動により、
悩みを抱えながらも地域社会で生活できている。

・↑ミーティングが重要。
(三度の飯よりミーティング)
断酒会と通じるものがある。

・オープンダイアローグ。
統合失調症の治療方法、フィンランドで開発された。

患者に問題が起きたときは、治療チームが作られ、
患者の家に行き、批判をせずともかく対話する。

手間はかかるが、薬物の増量や入院を防ぐ効果がある。

・対話の活動が有効であることに対する研究は、
対話が有効であるという事実から出発し、
そのメカニズムを解明するという方向になるだろう。

・脳の回路の不具合という物理現象に対しても、
会話が効くというのは、
生きる上での大きなヒントである。

 

・AAには12ステップというものがあり、
その初めの3つは以下のものである。

1.私たちはアルコールに対し無力であり、思い通りに生きてゆけなくなったことを認めた。

2.自分を超えた大きな力が、私たちを健康な心に戻してくれると信じるようになった。

3.私たちの意志と生き方を、自分なりに理解した神の配慮に委ねる決心をした。

・なぜ神が必要なのか?。
一神教的な視点では、
アルコール依存症では、酒が神になっているといえる。

モーゼの十戒には、
神以外を、神としてはならないとある。

依存症は、
神でないものを、神としている。

依存症からの復活は、
神でないものを、神でないとして扱うと言う、
当たり前の秩序への復帰である。

・日本人にとっては一神教的な神は、
理解しずらいと思うかもしれないが、
本当に重要なものと、どちらでも良いものを分けることは重要なこと。

・酒、スマホ、ゲームなど、
本来の生活に必要でないものが、
生活の中心になり、
絶対的な価値を持ってしまうことが、
依存症の本質であろう。

・依存症からの回復は、
人間としての在り方の回復ではないのか。

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