人間賛歌・もっちゃん4649

輝きのある色に (追憶の日々)


学級担任は 教科担任の兼ね合いなどもあり 所属学年が決まります


3年を卒業させたら次は1年の担任になりたいと みんな希望するけど

希望通りになるとは限りません


転勤すると決まった時に 細かな配慮がいる生徒について

「この生徒にはあの担任を~」という 希望がある場合も生活指導上ありました


体格の良い部活が命といったピッチャーの男子生徒のクラス担任に

指名を受けた事が15年ほど前にありました


学年が8クラスほどあるので 所属学年の生徒だけで手いっぱいですから

他学年までの生徒の顔は見知っていても 詳しい名前までは知らないのが普通でした


色眼鏡では見ないこと

先入観は間違いの元


まず目の前にいる生徒は 真っ白なのだと自分に言い聞かせるのです

言い聞かせながら教室に向かいます


初対面ですから気合を入れて 入り口の重たい戸を開けました


同じクラスになった者同士が 何人ずつか小さく集まっていましたが

出席番号順に指定した それぞれの席に座りました


不安そうに私を見ています


固まりを崩さない 黒い固まりの中心にいるのがT君でした

おそらくこちらの出方を窺って 仲間に指示を出しているのでしょう


なかなか彫りの深い 濃い顔をした無口そうな生徒です


2年の新学級担任なので 生徒もこちらの値踏みをしているのが良く分かります


静かに席に着くように促して 落ち着いたところで 

催眠術にかける時の口調で 小さな声で話し始めます


穏やかな口調で あくまでも丁寧に~


聞き取れないからよけい聞く姿勢が出てくるころに 

出会えたと言う縁の深さをまず説きます


『袖振れ合うも他生の縁』と板書して 少々縁があるという意味ではなくって

生まれる前からの縁があったのだと 続けます


選ばれた40人なのです~と分からせます


次に自己紹介で家族構成を話しました


男3人の母親で 上二人は大学生 下は高校生だから

男の子の悩みはよく理解できます

また 私は4人姉妹の長女だから 女の子の心理もわかります


だんだん安心した顔つきになり 聞き入っています

T君もしっかりと聞いていました


彼がこのクラスで一目も二目も置かれ 取り巻きを従えているのも分かりましたが

素直に自分を見つめることができるのだと言うことも 顔つきで理解できました


このT君のボスに私がなればいいと決まりです


新しい学年の 新しいクラスになり 担任も新しく変わったわけだから

みんなのことは何一つ知りません

真っ白の状態です

汚い色に仕上げていくのか きれいな色に塗り替えていくのかは

あなたが今から決めることなの


どんな色に染め上がっていくのか楽しみですよ~


美しい輝く色に染めたいのならば ハチロウさんはこうおっしゃっています


ひとにはやさしく 自分にはきびしく
これを続けると 白は すばらしい色になる

ひとをいたわり 自分をきたえる
これが重なると 輝きのある色になる




さあ スタートは今日からですよ

今話を聞いた感想や決意を 短く20字以内で書きましょう

と言いながら 名刺大の紙を配ります


大きな紙には抵抗を示すので 必要最小限のものを用意します

T君は「一球入魂」と書き 「毛虫のように嫌われている俺だけど、いいかな~?」

と 疑問文で終わっていました


つづきは明日~



豊かな秋色です






PS

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