神戸市須磨区 もとし歯科クリニック ブログ7

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乳歯冠による外傷性咬合

2017-02-15 | Weblog


乳歯冠(にゅうしかん)とは乳歯を削って既成のバケツのような銀のかぶせ物を入れているものです。とても多く見受けられます。もし、お子様の口の中に銀色のかぶせがあって、型取りせずに入れたとしたら、それは乳歯冠です。本当にバケツのような既成のものを適当にハサミで切ってかぶせているだけです。
これは決して行ってはいけません。
乳歯冠は咬合を合わせることができません。
もし合わせようとするとかなりの量の歯を削る必要があります。
そのためいい加減な方法で乳歯冠をかぶせています。
そのいい加減で良しとする理由は、乳歯は生え変わるからだということですが、これは勿論間違いです。

そもそも既成のバケツのようなかぶせで、もとの乳歯を再現できません。乳歯の形や大きさは個人差があり、それぞれ違います。そこに単調なバケツをかぶせても、歯ぐきとのラインも会わないし、前より高い歯になります。
対合の歯と必ず早期接触が生じています。

これが咬合性外傷を生じさせています。
うえから強い力で押さえつけられる永久歯の歯胚は横に移動してしまいます。
破骨細胞は永久歯の歯胚付近から出るので乳歯の根の吸収が片方の根だけになります。
このような異常吸収になってしまうので小臼歯はとんでもない方向に萌出してしまうことになります。

ですから乳歯冠は永久歯の萌出を異常にしてしまうというわけです。乳歯冠の下の永久歯が歪んで出ている例を多く見ます。
「削ってかぶせる」のではなく、「削らずにつめる」のが良いのです。

   

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