特定非営利活動法人精神医療サポートセンター

発達障害、統合失調症、アルコール依存症、ベンゾジアゼピン系薬剤の依存等々、精神科医療についての困りごとに対応いたします。

患者を診るということ

2009年08月16日 | 看護論的経営論


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今日、患者Aさんの食事介助をしているとき、別の患者Bさんが横にすわった。
しばらくするとBさんが、顔を真っ赤にしてウルウルと涙を流しだした。



私「なんで泣いてるん?」



Bさんは、「越智さんは、ごはんしっかり食べさしてあげてくれるからやさしいなぁと思って・・・」と




Bさんが言うには、いつもは食事介助が必要な患者さんでもすぐに食事を引き上げられてしまうが、今日はゆっくり食事させてもらっているし、私の優しさ(ということらしい)をみると涙が出てきたというのだ。


私も最近特に涙もろくなったのでその患者さんの気持ちもわからなくはなく、そういう境遇にあるBさんの思いを考えると涙が出そうになった。



活字なので状況が伝わりにくいだろうが、

※この患者さんの反応を感情失禁ととるのかそうでないととるのか、あるいは感情失禁であってもそれを認めたまま患者さんの心の内をどう看るのか。それこそが看護の本質なのではないだろうか。


と、私は思う。



振り返ってみれば、4月頃同じような記事を書いているのだが、いくら多くを学んでも、スキルアップを目指して一定の箔がついたとしても、患者(あるいは相手)を心から思おうとする気持ちがなければうわべだけの看護になってしまうということはここで繰り返し述べておきたい。



本当の看護を目指すのであれば、うわべだけではなく心から人の苦しみを理解しようとする精神を持ち患者と向き合うべきだが、職業看護師として別の価値観を突きつけられると反論が難しくなってしまう。かなしいかなこの世の中はそういう部分が満たされていなくとも、そこそこ目指している地位になれるというのが現実だろう。



だが、“自己一致”などという言葉もあるように、自分自身の感情と行動などを自ら振り返り、把握し、次につなげることができるようにならなくては、看護師として本当に苦しんでいる人を救うことはできない。

と言いつつも、私のような精神的に強くない人間が、目標に近づくために日々動くというのは決して容易なことではなく、このような状況で人の気持ちを考え続けるということは正直相当きつい。おまけに、しばらく我慢の日々が続くことも容易に予想できる。


我慢というものは長く感じるし、それを綺麗な言葉でごまかすつもりもない。日頃このような状況に耐えることができるのも、患者さん(相談者さんも含む)の喜ばれる姿をみせてもらっているから。喜ぶ声や姿を見ると、萎えそうな気持はどこかへ飛んでいく。これが、今日一番ここで伝えたかったこと。


我慢は続くだろうが、NPO活動については私の中では春頃には一定の成果が出せると確信しているので、このblogを見てくださっている方々には、適宜お伝えできればと思う。



当初から“日本の精神科を変える”と言ってきて軽々しくきこえることもあるだろうが、何もないところから始めて、少しずつ確実に形になり、ところどころ結果として表れてきているので長い目で応援していただければ幸いである。


これが、ビッグマウスで終わるのか、驚くべき結果を示せるのか。私自身も数年後この記事を見直す日が来ることを楽しみにして明日からまた頑張りたい。

























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4 コメント

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Unknown (村祐)
2009-08-16 04:21:48
頑張ってください。
著書やこのブログは拝見させて貰ってます。

越智さんの事は良く分かりません。
…が、やろうと努力している事は良く分かります。最近職場で内面を話せる同僚も減り、モチベーションも落ちかけた時にこう言ったブログを見て、「あぁ…頑張らなきゃ」と思う次第です。

少し前に、コメントしようとして、断念した内容なのですが、こうしてコメントしているので良い機会だと思い、このまま綴ります。
自分の勤務する病院でも、医師と看護師での立場は隔たりは無くなってきている実感はあります。医師から薬物療法に関しての勉強会の開催や、カンファレンスの機会も増えてきており、連携も昔の上申から変化してきている感はあります。

そんな中、ふと周りを見渡すと、精神科領域における男性職員依存と言って良いのか、収集された介護福祉士達が…。
私自身が勤務する病院では、男性看護師の離職に伴い介護福祉士の採用が増え、その負担を補うよう配属。

そんな中、彼らは出来る事を模索している現状。良い連携を今後も続けて行きたいが、そんな中、看護職員が増えれば、彼らはいらないと上の方針も又聞きではあるが、あるらしい。
実際、活躍の場として介護福祉士が精神科で何をするのか、日の目を見ていないが。

私自身の視野が狭く、上手く支えになれていない気がして、この文章を書かせているのですが
第3者の意見が聞きたく長文させて貰いました。

自分自身、介護福祉士への理解が足りない感もありますが、きっと限局した内容ではないと思い、コメントさせて頂きました。
所感、ご意見を拝読させて頂けると幸いです。
返信する
Unknown (マロン)
2009-08-19 03:21:44
目に見えぬ 精神疾患の患者さんの看護・・
難しいかな~と 思います。
人各々、症状が 違います。
検査による数値でも 表すことが出来ず
各々の様子から..まずは 患者さんの生育歴・・時間を掛けてでも 聞く必要があると
思います。そこから 何かしら ヒントは
見えて来ると・・目の前の症状から 処方が
決められる・・確かに それもありでしょうが
一歩 間違えば 薬も 悪さをします。
どうか どうか 学んで下さい・・精神病を
病んだからとて 最初から 多剤多量は いけない・・絶対 いけない!!わずかでも 患者さんが 発信出来る機能を 残さないと・・
そこから 見えて来る事って あります。
その辺りで 入院病棟では 医師よりも
多くを関わっている看護師さん達・・
私は 娘の経験から 医師よりも 多くの
時間 関わっている看護師さん達に
精神科医療事情を 変えられるパワーが
あるような・・医師のプライドなんて どうでも ええ・・看護師さん、一人 二人・・
そろそろ 医師に 物申す・・如何でしょうか・・
娘は 七回目の入院で 主治医に 不安を
訴えた事から 抗精神薬MAXになりました。
そして ファンタジィ妄想が 溢れでて
家族としては 薬の副作用と・・娘に 関わってくれた看護師さん達は 誰一人 副作用と
疑わず 症状と・・主治医に 気を遣っているのか わかりませんが もう そんなこんな・・うんざりです。
あくまでも 私共 家族は 医療に関しては
素人です・・でも 少しでも いい方向にと
薬やら 病気に関して 学ばせて頂きました。
でも それ以上に 看護師さん達・・プロかなと・・どうか その腕前を 発揮されて
下さい。精神科医療・・看護師さんのお力も
医師同様 大切です。
返信する
Unknown (もっさん)
2009-08-20 21:22:31
>村祐さん

いいえ、私は多くの人に勇気づけられていますよ。

もちろん、反発などもありますし、ようやく理解してくれたと思う医師がいても、やっぱりこれまでの多剤大量療法を肯定し、精神科哲学も理解されないまま人間関係の波に飲み込まれて、当初私と一緒に将来のことを語ったこともわすれたのか、幻聴=リスパダール増量という方程式に持って行ってしまうなど・・・

逆に、私のアプローチの仕方が悪かったのだろうと反省の日々です。

そんなとき、村祐さんのような方がコメントをくださるとなんとか耐えてもうすぐで達成できるこの動きをなんとかひるまないで突き進まなくては。 

そう思わされるんです。



さて、介護福祉士の必要性についてですが。



まずは、病院がどのような配置基準を敷いているのかが問題ですね。そのうえで、過剰な人員を何で補うか。そこだと思います。

過剰な人員は集まっておれば、介護福祉士でいいでしょうし、医療行為以外は介護福祉士の人もできますし、そういう意味では人件費を抑えるにもってこいですし、おまけに看護師におとらず、介護力を持っている方はたくさんいます。

患者さんのADLをはじめ、日常の微妙な変化の観察など、看護師でなくとも、あるいは看護師以上のものを持っている方もいますし、そういう意味では、人件費と介護福祉士の能力をかみすれば、経営者は看護師より介護福祉士を選ぶのではないでしょうか。


この辺は、得意な分野ではありませんが、思ったことをお話しさせていただきました。

看護師であろうが、介護福祉士であろうが、あるいは、全くの無資格補助者であろうが、金銭的なものは経営的な視点からですが、現場はそれぞれの範疇で能力を発揮できているのであれば、能力の住み分けのみが課題で、今やそういうけん制しあう意味はなく、むしろどのように効率よく業務をこなしあうかということをいち早く肌身で感じられるようになることが大事ではないでしょうか。

村祐さんとは一度もお酒を交わしたことがありませんが、いつの日になるのでしょうか^^非常に楽しみにしてるんですが
返信する
Unknown (もっさん)
2009-08-20 21:25:38
>マロンさん

いつもお世話になります。

できない精神科医のMAX処方。
これは、我々と日本の精神科医療は危ういと活動されている精神科医の方々が実績を見せていくしかないのかなと思います。

また秋に東京に行きます。懇親会で深酒のない程度にお会いできれば^^
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