特定非営利活動法人精神医療サポートセンター

発達障害、統合失調症、アルコール依存症、ベンゾジアゼピン系薬剤の依存等々、精神科医療についての困りごとに対応いたします。

新聞記事-精神科の拘束患者死亡についての物議-

2008年12月04日 | 看護論的経営論




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まずは、この記事をみていただきたい。
この記事を見て、精神科で働く看護師や医師はどのように考えるのだろうか。

大和川事件以降、患者への虐待やノンコンプライアンスなどの問題が取りざたされることはほとんどなかったが、今回の貝塚中央病院の問題で行動制限のあり方や手続き方法など物議をかもすことになるはずだ。

この問題は、身体拘束の所定の手続きを踏んでいなかったという違法性が問われているわけであるが、たまたま患者が死亡したためにクローズアップされただけであり、現状の精神科医療の現場を見てみればこれと類似の状況があるはずである。つまり、法(精神保健福祉法)的にはグレーゾーンである対応をしている現状が少なくないということだ。

・ミトンならよいのか
・安全ベルトなら拘束に当たらないのか
・短時間の点滴であれば、精神保健指定医の指示を必要としないのか



私は、これまでも「越智元篤の提言」として行動制限に関する問題点を訴えてきた。

考えてみれば結論はきまりきっているのだが、これらのことを暗黙の了解として実施している施設も少なくないのではないだろうか。
機能評価などを取り入れている病院施設などは、比較的この辺りの手続きはきっちりしているかもしれないが、末端の精神科ではまだまだ暗黙の了解で患者の行動制限をしているところが多い。





この記事の15面でひとつ気になる部分があった。

●『「保護室」という“独房”のような部屋への隔離や身体の拘束が行われることがあるが』

この一文については、精神科のイメージを悪くするため表現を変えるべきだろう。
確かに古い施設では牢屋のような保護室があり、これまでもそうだったのは事実だが、今は“独房”のような部屋ではなくなってきているし、隔離の患者への対応も随分と良くなってきた。だから、精神科というものはこういうものだという一律的なイメージとして伝えるのは極めて問題である。

そして今回最も伝えておきたいこと・・・
それは、このような問題は




※決して貝塚中央病院だけではない



ということである。。
今回は、貝塚中央病院で患者が死亡したがためにクローズアップされたが、同じように暗黙の了解で行動制限をしている看護師や医師、病院も多くあるはずである。

※人が死んでいないから重要な問題として気づけていないのかもしれないが、短時間の行動制限であっても正式手続きを踏まず患者が事故(死亡事故であろうがなかろうが)に巻き込まれた場合、かならず法廷では争われることになる。

現状でも暗黙の了解として曖昧な対応を取っている者がいるとすれば、大いに反省すべきである。












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7 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (もっさん)
2008-12-14 21:25:59
>村祐さん
ご無沙汰してます^^

行動制限に関しては、やはりまだそういう施設は多いですよね・・・。人が死んだから記事にするというのも私からすればありえない。事故で亡くなる前に手をつけておくのが行政ではないでしょうか?そうさせないようにするのが医療従事者ではないでしょうか。どこも適当すぎる。
人の命を預かるのには「几帳面」そういういわれるくらいがちょうどいいのかもしれません。
とはいえ、私なんかは適当なやつですが、仕事に関しては几帳面であるように心がけています。


そうそう、来年の学会でうちのNPOの懇親会を開きますので、その時にお会いしましょう。
返信する
Unknown (もっさん)
2008-12-14 21:21:56
>pitaさん

そのお言葉を、われわれ医療従事者は貴重なものとして真剣に見つめるべきだと思います。考えてもわからないなら、ひたすらその苦しみとはどのようなものなのかを考え続ける必要があると思います。看護とは目に見える技術だけではない、それと同じくらい、いいえ、それ以上に人の苦しみを知ろうとする気持ちが大事なのではないでしょうか。
返信する
Unknown (もっさん)
2008-12-14 21:18:45
>マロンさん

お子さんが入院されたその事実を何かの形にしたいですね。私も何かの形にぜひしていただきたいと思っています。
これが、何年か後何もなかったかのように忘れ去られるとしたら精神科看護の罪です。かならず、表には見えてこなかったこのような事実を一つの形にする必要があると思います。
現場の人間は、淡々と仕事をしていますが、家族と患者さんご本人は必死にもがき苦しんでいるという事実を我々医療従事者は改めて知るべきだと思います。

私の首は、おかげさまでかなり調子がいいです。首もぐるぐる回せますし^^
返信する
Unknown (村祐)
2008-12-11 03:20:46
容態を見ずに口頭指示で拘束…
指示をする医師、実施する看護師
福祉法自体の曖昧な表記や解釈にも問題はあるが
対人間を看護、医療提供している立場にある者の行為なのか。

現状ではまかり通ってしまってますけど。
ちょうどこの記事が夕刊に載った翌日に、自分の上司が闇で拘束してしまおうか…と自分に聞いてきました。
当然お断りして、医師に診察依頼をしましたが。
悲しい現状です。


非経口的与薬時(押さえつけて筋注とか)にも、行動制限にあたる身体的介入がありますが、
その事にも、法的明記はありませんし、ダークと言う表現じゃ収まらないのが現状です。

が、お上の法改正なんか待ってられません。
個々人の質向上が最優先事項かと思ってます。
返信する
国籍法改正案 (国籍法改正案)
2008-12-08 02:25:55
定額給付金1万2千円、終了のお知らせです。
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org24763.jpg

テレビのフィリピンの子供は、裁判をしなくても日本国籍が取れてました。
今、報道せずに汚染米輸入よりひどい法律が作られています。
血がつながってるかどうか判らない海外の子供(30歳)を、定額給付金で養いますか?

725万人が見てる国籍法改正案まとめサイト
http://www19.atwiki.jp/kokuseki/pages/30.html

日本語が一文字も読めない人間に選挙権を与えますか?
DNA鑑定で血縁を証明する欧州の国は差別主義者ですか?
あの時みんなが反対すれば、汚染米も入って来なかったと思いませんか?

大切に育てられたブログにコメントさせて頂き感謝します。
味方の政治家さんも動いてくれてます
一人でも多くの人にマスコミが隠す事実を!
日本の主権は、マスコミではなく国民だったはずです。

クチコミ県別マップ
http://kokuseki.xrea.jp/db/map
(国籍法第八条四 日本で生まれ、かつ、出生の時から国籍を有しない者でその時から引き続き三年以上日本に住所を有するもの)
返信する
5年前 (pita)
2008-12-06 02:41:05
5年前精神科に入院した時のこと。
今は改善されているだろうか?

私はただの患者。あんた病気で入院してたんだから、あんたの言うことなんてあてにならないと言われるだろう。

だけど言いたい。

たぶん、長時間自由を制限するには指定医の指示があっただろう。
でも、短時間なら、看護師さんの判断で簡単に閉じ込められていた。
使ってない面会室や、空いている、一見一般科の個室のように見える部屋に。


看護師さんが仕事道具として持ち歩いている、鎖につながった鍵の束が、ポケットから見えるとそれだけで威圧感があった。

具合が悪いとみなされたら閉じ込められる。看護師さんが怖かった。常にビクビクしていた。
返信する
Unknown (マロン)
2008-12-05 02:12:15
こんばんは~
拘束 隔離という言葉に かなり 敏感に
反応してしまいます。
忘れもしません・・娘が 最初に 入れられた
隔離室・・鉄の扉、小さな窓、むき出しのコンクリートの壁 くたびれたベット、そして 自由に水を
流せないむき出しの便器・・あの時は 家族として
本当に 辛かったです。そして 措置入院、精神病者と・・そんな目で見る・・スタッフの目、目、・・
一日20分だけの面会の強要・・守れませんでした。
娘と せめて お昼をと お握り持参・・私には
砂を噛む様な味でした・・そして 別な病院では
来る日も 来る日も 拘束・・そこでも 週二回の
面会を 強要・・守れませんでした・・せめて 手足を さすってあげたかった・・その後 今後 どんな病院に 入れられるか わからない・・その時の為には 無給で 構わないから ヘルパーとして 働かせてほしい・・と 取得しました・・せめて 最悪な
環境から 守らねばと・・
世の中・・人権 人権と 叫ばれていながら
精神病者だから 仕方ない・・で 済む問題ではない・・ええ いつの日か 気力 体力が 残っていれば・・世に 伝えたい私の思いの一つ・・です。

その後 術後の様子は 如何でしょうか・・
寒くなりましたので お大事に!
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