応援クリックにご協力お願いします!→
また、当法人精神医療サポートセンターのHPはこちら(医療相談等々)
携帯サイト(精神医療ホットライン)はこちらから→http://www.seishinkango.jp/m
発達障害は、いまだに誤解が多い。
それは、「発達」とか「障害」とか言われる故、知的障害、発達遅滞イコールと思われがちなところがある。
それぞれ、対応が全く変わってくるので、今後、呼称は検討するべきだろう。
とらえ方の問題も大きいが、専門家それぞれ発達障害の定義が違うのもまた問題である。
ここで
私の発達障害におけるとらえ方を述べておきたい。
発達障害は、ここをクリックしていただいて「主な発達障害の分類」と書かれている表を見てほしい。
私の考えは、この考えとそんなにかけ離れていない。
この発達障害のとらえ方は、「スペクトラム」つまり、自閉症とかADHDとLDとかそれらが連続しているもので、
診断として、あなたはLDだ、自閉症だと特定できるものではなく、よりどれに近いのか、どの傾向にあるのかを見る“目安”であるということを知っていただきたい。
あらゆる成書を見ていると発達障害の特徴が羅列されている。
それらを見ていると、もちろん正しいことが書かれているには間違いないのだが、
素人が見ると
「そんなんいうたら、みんな発達障害やん」
こういう意見が多くを占めるのである。
それはそれでよくわかる。
つまり、
書籍に載っているような特徴が当てはまれば、「そうである」とかいうのではなく、より多くその特徴をもっており、かつ社会適応が難しい場合に診断としての発達障害を疑えばいい。それが私のいう発達障害のとらえ方である。
また、診断をつける時も議論が巻き起こる。
「なんでも発達障害なのか、偏りすぎだ。」
このような懸念もよくわかるし、実際にそのようになりつつある精神科医療の現状も知っておかなければならないだろう。
そのうえで、改めて発達障害とはなんなのかを考える必要がある。
診断名がどうとかいうのではなく、
発達障害の傾向が強い人は、より二次障害を起こしやすい。
(ここでいう二次障害とは、パニック障害や強迫性障害、社会不適応に続発するうつ状態、ひどい場合は幻覚・妄想などのことである。)
もう一つの視点から発達障害を述べてみると
※発達障害の可能性や傾向性がある場合に、薬剤過敏性や過鈍性、さらに発達障害の特徴を知った上での対応を加味して治療する必要があるということ。
ただそれだけなのだが、実はこれが重要で、この状況において、統合失調症とすれば、看護的対応も、治療も全く変わってくる。
だから、発達障害という病名がつけられていたら、診断名がどうかとかいうのではなく、
susp(疑い)
というとらえ方で患者さんとかかわってほしい。
その中から、成育歴などを少しずつ聞きだし、発達障害の要素が明らかであった場合は、なぜそのような症状が出てきたのかを看護スタッフでで話し合い、医師と共有できるようにしてはどうだろうか。
発達障害であろうがなかろうが、発病に至った経過での家族関係(あるいはその周囲)や退院後の家族の理解は非常に重要なものとなる。
これが私のとらえ方である。
参考になれば。
発達障害と、家族関係、虐待、ACとの関連などまだまだ話をしたいが、これ以上長いと読みたくなくなると思われるので今日はこの辺で。
PS:さて、飲むか。
-------------------------------------------
※NPO法人 精神医療サポートセンターへの寄付金・募金をお願いしております。以下の振込先ですが、お振込みの際は必ずmail@seishinkango.jp宛てにご連絡ください。医療相談により、東日本大震災の被災者の方々へのサポートもできればと考えております。
---------------------------------------------
銀行名 住信SBIネット銀行
支店名 法人第一支店
支店番号 106
口座番号 普通 1003812
口座名義 トクヒ)セイシンイリョウサポートセンター
特定非営利活動法人精神医療サポートセンター
---------------------------------------------
※NPO法人 精神医療サポートセンターの会員を募集中です。ご興味のある方は、NPO法人精神医療サポートセンターホームページの入会フォームから申し込みください。入会にあたり、特に地域を限定されるものはありませんので、遠方の方でも遠慮なくご連絡ください。
---------------------------------------------
※拙著「精神科看護師、謀反」をご入用の方は、mail@seishinkango.jpまでメールをお送りください。送料は、当方負担で無料送付(本代別途)させていただきます。
ランキングのクリックが5つもあり、不評ですが地道にお願いいたします↑↑
精神科医として子どもの心の問題に関わっている医師です。私たちの仲間の間で、ADHDの治療薬としてコンサータが子ども達に大量に使われている問題点を検討する機会がありました。
私は医師として治験結果を検討してみました。その結果分かったことは
1.サンプル集団からコンサータに反応しない、効果が現れない子ども達があらかじめ取り除かれています。この事実は無作為抽出と言うことに反しています。つまりコンサータの薬理効果を検証するサンプル集団になっていないから、この治験は無効であると言うことです。
2.ADHDの程度を評価するADHDRS-IV・日本語版は学校における子どもの姿を評価する内容で、家庭における子どもの姿を評価する項目は殆どない事実です。ADHDの評価には学校と学校以外の生活の場における子どもの姿を専門の医師が評価する必要があります。
3.ADHDの評価はきわめて主観的です。ですから専門の医師による評価が必要です。しかし治験では対象の子どもの親又は教師からの評価者による聞き取りで行われています。評価者は公平な立場で評価をしていることが前提になっていますが、治験となると聞き取りの現場では評価者の誘導が必ずあります。本来なら治験に全く関係ない専門的な医師が子どもを直に観察して評価すべきなのです。少しでも治験に関係していたら、評価者の治験に対する意図が結果に加わってしまうからです。結果に普遍性がなくなるからです。
4.評価に二重盲検法を使用していますが、子どものような成長期にある対象では、自然治癒の問題を無視できません。プラシーボを使ったグループは自然治癒を反映していません。心の問題を検討するには、対象が治療を受けていると認識しているかどうかでもその結果が大きく異なるからです。薬の効果を比較するには全く治療をしていないグループ、プラシーボを使ったグループ、投薬されたグループの三つのグループでその効果を比較する必要があります。
あくまでも私の臨床経験から言うなら、薬による治療を受けないグループの方が良い評価を出すのではないかと推測しています。つまり投薬することでADHDの症状が逆に強くなっている可能性があるのです。あくまでも臨床経験の印象です。
思春期まで多くの子どもは自然と症状がなくなってしまう子どもがとても多いです。症状がなくならなかった子どもには、ADHDの治療を受けた結果だと思われる例を多く見かけます。そのような経過をとるADHDの子どもに麻薬のような薬を投薬する必要をどのようにお考えでしょうか?もしあなたのお子さんがADHDだったらコンサータの投薬を受けられますか?
私たちの間では、リタリンを使用された子どもの中に長じて麻薬に手を出した子どもがいることに注目をしています。リタリンの使用が麻薬の使用につながる可能性を危惧しています。しかしこの治験では将来の麻薬使用についての検討が全くなされていません。将来コンサータ使用で麻薬に手を出した人から訴えられる可能性が高いと判断しています。その結果ミドリ十字のように会社を維持できなくなる可能性を危惧しています。
最後に治験結果を認めるとしても、親評価でも教師評価でも改善度は平均で8ポイントぐらいです。統計的には有意義でしょうが、臨床的には殆ど意味をなしません。これは私たち臨床医がリタリンは効果がなかったと感じる原因でしょう。
異常の事実からコンサータはADHDの治療薬と国から認可されていても、メーカーの方から発売中止、製品の回収、使用注意の広告などの手続きをなさることをお勧めします。
赤沼