稽古の内容について紹介します。
当会に、稽古に来られる皆さんは一様ではなく、一名から数名単位でレベルに合わせた稽古をしています。
今回は、初歩的な方の稽古の内容です。
テケテッケをどのように打てば良いか?
秩父屋台囃子は、左打ちですから左手に意識を持ってテケテッケのッケ打ち、そして、テケテッケの拍子を刻む様に打つことです。
なんといっても秩父屋台囃子は、小太鼓のテケテッケの拍子が打てなければ始まらないために、毎回かなりの時間をかけ、長い時には、一時間以上続くこともあります。
左手を意識し慣らすことで後に、大太鼓の節をテケテッケに確実に乗せられるようになり、テケテッケが打てれば大太鼓は簡単に打てるようになります。 初歩的な大太鼓の節が打てるようになると、皆さんが一様に「テケテッケってこういうことか」と理解し秩父屋台囃子のおもしろさに気づきます。この段階までになるには、かなりの時間を要する方もいますがここを踏ん張れば秩父屋台囃子の半分以上理解したことになり、ここまで来ればこっちの物です!
秩父の太鼓叩きのテケテッケの拍子は、十人十色で叩き手によって微妙に違います。一番太鼓(大太鼓に近い小太鼓)を要として他の小太鼓が合わせるわけですが、寸分違わずではなく、なんとなく合って、お互いが大太鼓を含め合わせ合って叩くお囃子で一番太鼓の叩き手や大太鼓の叩き手によってテンポも微妙に変化し緩やかに揺らぐ人間的なリズムです。これが、秩父屋台囃子の良いところではないかと思います。
テケテッケの拍子が叩き手によって異なるのは、秩父屋台囃子は、手取り足取り教えられることもほとんど無く、自分で考えるほかには無いために多くの叩き手は、子供の頃、上手な叩き手、自分の好みに合った叩き方をする叩き手を目標にし、叩き方を真似て叩くことが唯一の習得方法でした。したがって、何通りもの叩き方ができたために、各々がいかに協調し、まとまっていくかを自然に身に着けていきました。その結果、微妙に揺らぐテケテッケの拍子になったわけです。
当会は、秩父屋台囃子の叩き手の数だけあるテケテッケの拍子を秩父屋台囃子の節に照らし合わせ、自然で気持ちよく、大太鼓、小太鼓、笛、鉦も一体となりそして、一つ一つの音を引き出せるようなテケテッケの拍子を目指しています。
秩父屋台囃子傳承會(鼓恩般若院)