「森のグレンタ」

このブログは下記に移りました。
http://morimusic.exblog.jp/

2月10日、最近の出来事

2007年02月11日 00時24分38秒 | Weblog
1月下旬にジュリアード音楽院の教授でDuke Ellingtonの権威であるDavid Bergerがボーヒュスレーン・ビッグバンドのゲストとして参加。ストックホルム・コンサートハウスをはじめ、Vara Konserthus、Nefertiti等、ツアーして廻った。
Duke Ellingtonの40年代に書かれた作品は、なかなか演奏のしごたえがある。当時としては画期的なサウンドだった筈だと思った。トロンボーンが3本というのもDuke Ellingtonの特長で面白い。

BBBのDuke Ellington特集ツアーの最終日、東京の古くからの親友が、夫人と二人でイェーテボリに僕達を訪ねてくれた。T君は、僕が2000年にNew Yorkのカーネギー・ホールで演奏した際も、それに合わせて奥さんとNew Yorkまで来てくれた事がある。
昨年から、オーロラを観たいと云っていたT君。北フィンランドのガラスで出来たホテルに2泊し、トナカイや犬の橇に乗ったり、スノー・スクーターでオーロラの名所に行き、2晩ともオーロラが見れたそうだ。しかも一回は、年に数回しか見られないピンク色のオーロラだったそうだ。
零下40℃の極寒の中で観る様々な色のオーロラは、さぞ感動的だったろうと思う。

T君夫妻が帰国された同じ日に、福岡の若いベース奏者、誠剛君が拙宅にやってきた。コペンハーゲンの音大に挑戦した彼だが、オーディションの後、欧州放浪旅行をしていたそうだ。
丁度、先週の月曜日と火曜はボーヒュスレーン・ビッグバンドの学校コンサートだったし、月曜の晩は、アリングソースという町でサムエル・オルソンというBBBのトランペッターのグループで仕事だったので、誠剛君も一緒に聴きに来た。
サムエルは32歳のトランペッターだが、インゲスンド音大のトランペット科を卒業後、誠剛君が受験したコペンハーゲン音楽大学のベース科にも入学、トランペットが吹けないという理由で、半年でやめてイェーテボリ音大に入り直したと云う経歴が有る。勿論、コントラバスはかなり上図な彼だが、弟が素晴らしいドラマー。
丁度、誠剛君と同じ年なのだが、ジミー・コブみたいなスタイルは、かなり完璧。
ピアノはAnders Persson、サックスは、やはりBBBのコンマスも勤めるJohan Borgstro¨m。なかなか面白い晩だった。

そして火曜日は、誠剛君、サムエルと一緒にNefertitiのジャムセッション!
素晴らしい若いピアニストと知り合った!
その内、皆さんに紹介したい!乞うご期待!

水曜日は、イェーテボリの交響楽団を聴きに行った。ドボルザークの第7番とか、なかなか素晴らしかった。生の弦の音というのは、やはり何時聴いてもゾクッと来るほど気持ちが良い!!

木曜の朝、誠剛君はコペンハーゲンに向かい、その後、日本に帰るとの事。
その日の晩は、"Jag är min egen fru"という芝居を観に行った。
Björn Kjellmanというスウェーデンで有名な男優の一人芝居。
1928年3月28日生まれのLothar Berfeldeというドイツ人男性の話だが、小さい頃からサッカーよりもアンティックな時計や、蓄音機に興味を持ち、性転換してCharlotte Von Mahlsdorfという名前の女性となった人の話。
2003年にNew Yorkのブロードウェーで初演されて、かなり好評だったものだ。
濃紺のワンピースにネックレスという姿で、男性役、女性役をこなすBjörn Kjellmanは、もの凄く良かった!
日本でもイッセー・尾形さんという人が一人芝居をしているのを、全日空のフライトで観た事があったが、クリスマスの頃はエストニアで公演していたと聞いた。一回、観てみたいと思った。
でもどうやってあれだけの特徴有る台詞を間違いなく覚えられるのだろうか?
舞台俳優って、凄いと思う!



スウェーデンの森

Ulf Wakenius~マイルス~ブレッカー

2007年01月16日 05時03分04秒 | Weblog
昨日(2007年1月14日)、もの凄い大嵐が、スウェーデンの西海岸から南スウェーデンにかけて襲ってきました。朝食を食べ終わったところで電話が鳴り、出てみたらドラムスのMagnus Granから。何かと思って話を聞いたら、今日、昼の正午からテレビの録画をするとの事。
一瞬、今日は何が飛んでくるか判らないから家の中にいた方が良いとは思いつつ、スタジオへ行く。
歌手のトミー・ショールベリと、コメディアンのクラース・マルムベリの歌伴を2曲やるだけ。バックは、ギターがUlf Wakenius、ドラムスがMagnus Gran、そしてピアノが、若いキーボード奏者のマルクス・ウヴェダ。
久々にUlf WakeniusとかMagnus Granと一緒に演奏するのも面白かった!
番組がBingo Lotto という一種の宝くじ番組で、トミー・ショールベリとはかつてLars Jansson+イェーテボリ交響楽団という取り合わせでも一緒にやったし、Lars Janssonと誰か他のメンバーでやった事もある。
番組が何と云っても宝くじ番組だから、音楽番組とは全然云えないのだが、そういえば、昨年の正月にボーヒュスレーン・ビッグバンドで出演したこともあった。(笑)

昨日の夜、放映だったので、僕達の演奏を観た・・・というか聴いた。
その後、スウェーデン放送のテレビでマイルスのライブを21時15分からやっていた。1970年のフェスティバルでの演奏!
チック・コリア、デイブ・ホーランド、キース・ジャレット、ジャック・ディジョネット、アイアート・モレイラとか、・・・のもの凄い面子で、1970年とは思えない演奏をしていた。やはりマイルスはずば抜けた天才としか思えないですな!

今日、ボーヒュスレーン・ビッグバンドのリハーサルがあったのだけど、皆、その番組はやっぱり観ていてその話題がかなり出ていた!

そういえば、今朝7時のラジオで、マイケル・ブレッカーとアリス・コルトレーンが他界された事を知る!
マイケルを初めてライブで聴いたのは、1973年のホレス・シルバー・バンドでの事!
心からお二人の冥福を祈る!


1月13日

2007年01月14日 03時10分33秒 | Weblog
昨晩は,イェーテボリ交響楽団のコンサートに行ってきた。
Mario Venzago指揮で、1ステージ目はオペラ歌手のRuth Ziesakが、ゲスト。
小編成のオーケストラで下記のモーツアルトを聴く。
Mozartの"Quando avran fine(KV 366),
Chi sá, chi sá, qual sia (KV 582)
Bella, Mia Fiamma (KV 52)

2ステージ目は、編成がガラッと変わってフル編成のオーケストラで、マーラーの交響曲第7番。まさに楽器の音の組み合わせの楽しさを、充分に満喫出来た。

先月はYo-Yo Ma & Kathryn Stottのコンサートにも行ったし、モーツアルトのピアノコンチェルト第27番とかシューベルトの交響曲第9番も聴きに行った。
Yo-Yo Ma & Kathryn Stottのコンサートでは、シューベルトのソナタ、ショスタコヴィッチのチェロソナタ、ピアソラのLe Grand Tango、エグベルト・ギスモンティのBodas De Prata & Quatro Cantos,フランクのバイオリン・ソナタ(A-Moll)に感激した。
そして、ヘンデルのメサイア全曲!Nicholas Kraemerの指揮だったので、指揮者自らが指揮をしながらチェンバロも演奏していた。歌手は皆素晴らしかったが、特にソプラノのIngela Bohlinの巧さには痺れた!

昨晩のモーツアルトの歌も、半音で上昇するところが何カ所も有って面白かった。
モーツアルトとか、大作曲家の皆さんが、今、生きていたら素晴らしいジャズ・アーティストだったと思う!

今朝は久々に太陽が見られる程の快晴!
いつものデルショー自然公園を歩いた。
そして事務所にしている部屋の掃除。そしてこれからコントラバスの練習だ!
今月末、BBBに米国からデューク・エリントンの専門家が来て一緒にツアーを行うのだが、これがどうも愛想の悪い人だそうで、要するにデューク・エリントンの音楽のみが最高だと言い切っているおッサンらしい。
彼はNew Yorkのリンカーン・センターに依頼されてデューク・エリントンの音楽を片っ端からコピーしているおッサン。
実にクラッシック・ジャズの世界。アンプも無しで、全くのアコースティックなビッグバンドだから、きっと良い音だと思う。
ストックホルムのコンサート・ハウスで1月26日にコンサートをします。
お近くの方は、是非、来て下さい!(笑)

謹賀新年

2007年01月02日 02時55分06秒 | Weblog
新年、明けましておめでとうございます。

2007年1月元旦、皆様、如何お過ごしでしょうか?
12月はボーヒュスレーン・ビッグバンドのクリスマス・コンサートで忙しくしていた為、なかなかこのブログにも書き込めなかった次第です。今年こそは、もう少しこのブログを充実させていきたいと思います。(笑)

僕に出来る事は、コントラバスと云う楽器を通して、人の為になる様に努力をする事だと思います。ここで云う「人」という意味は、「共演者」でもあり、「聴衆」という意味でもあります。
音楽体験というモノは、私たちに実に多くのモノを与えてくれる素晴らしいモノだと思います。
今年も音楽を通して、皆様とコミュニケートして行きたいと願っています。
このページをご覧になって下さった皆様のご多幸を願っております。
今年も宜しくお願い致します。
スウェーデンの森


BBB、来年の予定表

2006年11月30日 08時04分05秒 | Weblog
昨日、BBBから来年2007年度の予定表が送られてきました。
まだ概要だけなのだが、なかなか面白い一年になりそうです!
色々なコンサートやらスクールコンサートの予定もあるのですが、主な概要は下記の通りです。
1月:デューク・エリントン特集(アメリカで一番のエリントン研究者が来て・・)
2月:Ulf Wakenius
3月:Ulf Wakenius(上旬)/ Cecil Norby(下旬)
4月:ミュージカル「City of angel」(中旬~下旬)
5月:ミュージカル「City of angel」(中旬)
6月:
8月:ジェリー・バーガンジー(中旬)
9月:スティーブ・スワロー&アダム・ヌスバウム(上旬)コンサート&録音

ざっと書き出してもこういった感じ!10月以降の予定では、11月中旬にEUのプロジェクトでオーストリアに行く事になるそうです!
ラーシュ・ヤンソンの録音とかも有ると思います。

来年のボーヒュスレーン・ビッグバンドも乞うご期待です。今年はまだ終わった訳でも有りませんが・・・・。(笑)

でもこれを見て、また色々な他の予定の事も色々と頭の中を過ぎる!
もう予定表がゴチャゴチャになりそう!
ミュージシャンの宿命ですネ!マネージャーの人が居て、全部そう言った事を任せられれば最高なのですが、・・・。

スウェーデンの森

Jesper Odelberg(2)

2006年11月27日 13時43分30秒 | Weblog
昨晩、スウェーデン放送テレビ2チャンネルで、夜20時から21時まで、Jesper Odelbergのドキュメント・フィルムが放映されました。
ボーヒュスレーン・ビッグバンドとのリハーサル、Nefertitiでのコンサートの模様も挟んで、彼の生い立ち、考えている事等、なかなか良いドキュメントでした。
痛々しかったのは、彼が6歳の頃、医者の実験台の様な形で記録された映像!周囲に30人程の医者が彼を取り囲んで、こういう動きにはこういう様な痙攣が起きる・・・といった映像。
彼がこの時、どういう気持ちだったか・・・と云った事も語っています。

"Winduo" ~ 映画 "バベル・BABEL"

2006年11月22日 07時46分20秒 | Weblog
"Winduo"~"バベル・BABEL"
今日は朝からBBBの練習場で、久々に"Winduo"というデュオ・グループの練習。色々と新曲をやる。難しい・・・しかも恐ろしく速いインド風の曲とか、タンゴ風、ヨイク、フリー風・・・と色々とやってみたがどれも面白かった。
なにせフルート・ソプラノサックスとのデュオ・グループで、しかも昨年で結成20年!もう今年もそろそろ終わりだから、22年目に入ろうとしている。

帰り道に牛挽肉を買い、茄子やフルーツもしこたま買い込み、帰宅早々に料理に掛かる。小生にとっては、料理をしている時が、一番リラックスする時間なのである!
茄子は古い友人に教えて貰った方法で調理し、挽肉でハンバーグを作る。息子がこういう肉系が好きなので、こういうモノを作ると直ぐ食べる。(笑)でも彼は小食!一体誰に似たのだろうか?

さて、その後、18時にカリンとイェーテボリ交響楽団のバイオリン奏者のクリスティーナ、彼女の兄のお嫁さん、そして更にもう一人の兄のインドネシア人のお嫁さんのイーダと映画バベルを観に行った。

素晴らしい映画だった!スウェーデン放送の映画評では、5点満点の満点を獲得していたが、人間~コミュニケーションといったとても大きなテーマを取り上げて、一見するとモロッコ~メキシコ~日本という、地球上の全く環境の違う背景を設定して、見事に演出している。確かにカンヌ映画祭で監督賞だか何かを獲得したというのも頷ける!

書きたい事は沢山あるのだが、ともかく出演者の演技が全て最高に良かった!まるでドキュメントフィルムを観ている感じで、主演者をはじめ、モロッコの警察官役から米国の国境警備隊役の役者さんまで、迫真に迫る好演!

日本の聾唖者の女子高生役を演じている菊地凛子さんもそのお父さん役の役所広司さんも良かった。ある意味で日本をこのストーリーに組み込んだのは、正解だと思う。理由はここでは長くなっちょうので書きませんが・・・。(笑)

もの凄い音のディスコテークのシーンでは、時々、彼女の様に全くの静寂になるシーンもあり、聾唖者の立場で見るとこうなるのだと、改めて考えさせられた。でしかも母親が自殺してしまった彼女のちょっと難しい役なのに、かなりの好演!

3日前の日曜日に、カリンはイェーテボリ・コンサートハウスにマンハッタン・トランスファーを聴きに行っていたが、僕は日米合作の何とかいうホラー映画を観に行った!
心臓に良くなかった!(笑)
拙宅の近所に北欧で最新設備を誇る映画館が出来たので、観に行ったのだが、周囲は若い人ばかり!怖いシーンでは、女の子達がキャーキャー叫んでいたが、だんだん慣れっこになってくると、何故か馬鹿馬鹿しくなってきてしまった。なんで俺はこんなホラー映画を見に来ているのかと・・・。映画のタイトルは、なんだか覚えていません。リングの続編みたいな作品。日本人が監督かな?

先週木曜日には、スペインの監の映画も見たが、彼の作品は今週の木曜日にも観に行く予定なので、その時にまた書こうと思っている。マァー、小生がどう感じようと、皆さんの興味の対象になるモノでは無いと思うけど・・・、マァ~、こりゃあ日記ですからネ!
(笑)

ともかく、バベルは久し振りに観た、良い作品でした!
是非、一見をお奨めします。

Joe Locke & Anders Bergcrantz

2006年11月09日 02時45分10秒 | Weblog
現代米国の新種流派のビブラフォン奏者Joe Lockeと、スウェーデンを代表するトランペット奏者Anders Bergcrantzをゲストに迎えて、ボーヒュスレーン・ビッグバンドのコンサート・ツアーが有ります。
予定は下記の通りです。
11月10日(金)Höör
11月11日(土)Nefertiti(イェーテボリ)
11月12日(日)Vara Konserthus
11月13日(月)Kungsbacka
もし来られる方は、森までご連絡下さい!
+46-708-996695

ジェスパー・オーデンベリ&ボーヒュスレーン・ビッグバンド

2006年11月01日 07時44分30秒 | Weblog
CPハンディーキャップというのは、日本語で何というのでしょうか?
要は、出産時に臍の緒が絡んで一時的な酸欠状態になった事から引き起こされて、歩けなかったり、喋れなかったり、手も痙攣状態になっているハンディーキャップの事だと思います。ジェスパーは、そういうタイプのハンディーキャップなので、一人で生活をする事は出来ません。でも彼の目から見た世界観が、彼の素晴らしい語り口で語られると、その中にかなりペーソスが有ったり、笑える要素があって、面白いのです。そして、彼のリズム感の良さ!勿論、生まれつきの身体障害者ですから、歌手が歌うのとは違いますが、中には有名な曲に彼が作詞をした作品もあって、素晴らしかったです。
アレンジは、一曲を除いて全てボーヒュスレーン・ビッグバンドのメンバーのアレンジによるモノばかりでしたが、これがまたまた素晴らしかった!

色々なストーリーがあったのですが、中でもレイシストに関したモノは、面白かったです。その内、この欄でご紹介します。

このジェスパーですが、丁度、今、スウェーデン放送が彼を取り上げたドキュメンタリーを作っています。僕達とのリハーサルやコンサートも撮っていきました。11月27日に放映される予定だそうです。もしスウェーデンのテレビが観られる方がいらしたら。是非観てみて下さい。