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月さえも眠る夜

日々のこと・好きな人/ものについていっぱい語っちゃう場所。

『銭ゲバ』第9話(最終回)

2009-03-18 21:40:52 | 銭ゲバ
銭ゲバに関わったみなさん、お疲れさまでした。
キャスト・スタッフといった制作側のみなさんはもちろんのこと
9週間、風太郎を見続けてきた視聴者もかなり疲弊したのでは?

私はドラマが始まる前は、何度も何度もリピートするんだろうなあと思っていたし
風太郎のビジュアルにとってもときめき、ヤバイ!を連呼。
放送が始まると、風太郎の一挙手一投足にドキドキし
また新しい松山ケンイチ=風太郎が生まれたのだと確信しました。

毎回ほとんど萌え萌えしながら視聴していたのですが
やはり私も人の子(?)
テーマの重さにも時には考えさせられ
なかなかリピートしまくり、というふうにもなりませんでした。

しかし、強烈な印象を我々に与えることになった風太郎。
映画俳優としてここ数年、実力・人気とも伸ばしてきて
2本目の主演ドラマで代表作のような役柄を確立してしまうとは。


結局、
風太郎の目つきがどうとか
金がどうとか、
椎名さんが最高だとか
他のキャストも良すぎたとか
脚本が無理あるけどドラマはそういうもんだとか
りゅうせいくんスゴイぞとか
風太郎と真一が会うシーンが笑っちゃうとか
一番大事なのは心だとか

そういうの、全部超越して「松山ケンイチのドラマ」だったなーと。

こないだロボを見直して思ったんですが
風太郎に比べて、ロボの方が表情の幅は少ないかもしれません。
声色を変えたり、仕草も場面によって違ったり
風太郎は物語の中でも演技をし続けていましたが
ロボは常にロボでした。
俳優としての仕事量はたしかに風太郎の方が多いかもしれないけれど
ロボはロボとしてソコに生きていたのです。
同じ俳優が演じていると知っていても
それはまるで別人でした。

松ケン本人もそういっているように
役者に上手い、下手はあってないようなもんなのかもしれません。
もちろん、私の中で松ケンは「うまい役者」の一人ですが
その言葉では到底くくれない「何か」があります。
今まで、そうだろうな、とは思っていたけど
風太郎をやり遂げた彼を見て、確信したのでした。


とっても前置きが長くなってしまったけど
ここから感想めいたことを。
フォトギャラリーの数枚の写真の場面を振り返りつつ。
(キャピキャピしてると時間かかるので(笑)真面目にいきます)


母親のとの思い出の海辺の小屋で
ダイナマイト自殺を図ろうとする風太郎。
緑はその死を見届けようとついてくる。
視聴者に、もしかして緑さんが助けてくれるかも?
なんて淡い期待を持たせたが、それは風太郎が拒否した。
世の中すべてに絶望した風太郎の顔。ヒドイ顔だ。


自殺前、導火線に火をつけてからの風太郎の思い描く「ある幸せ」
その始まりは小学生。
好きな野球のチームに入り、友達と一緒に遊びの計画をたてる。
家に帰れば優しく、ときに厳しいお母さん。
病気がちだが、今は薬を飲み、もうすぐ手術も受ける。
そしてバリバリと働くお父さん。お母さんに小言を言われつつも楽しげ。

大学に合格し、健康で可愛らしい茜との出会い。
ちょっとめんどくさい友人・枝野とバイトなんかしてる。


茜の姉・緑も務めている造船会社で営業かなんかで働く風太郎。
恐ろしく指先がきれいで、さぞやパソコンもいい気分だろう(?)
上司もドジな風太郎をやさしく見守る。(僕蔵・1ショットです!!)


初任給でお父さんと酒を飲みかわす。
父の語る「世の中のルール」
「お金で買えないものがある。愛とか、友情とか。」「大事なのは心。」
くさいセリフに見え隠れする親の愛情。


茜との結婚。それは双方が望んだ道。
それぞれの親も笑顔で二人の門出を祝う。
「ごめんねお姉ちゃん、妹が先にお嫁に行っちゃって。」


親戚関係になっても、会社の先輩として世話焼きしてくれる緑。
なんだかまだまだ頼りない風太郎がかわいい。


そして、父親となった風太郎・・・
生まれたばかりのこどもをみつめる
風太郎のその瞳は、それまでにないくらい澄んでいた・・・。
その後、高級でもなくボロくもない普通のアパートで
親子3人でつつましやかな幸せを育む・・・
冷たい雨の中、風太郎が見上げた先には
ずっとずっと、ゆるぎない幸せが続いていたのだろうか。
きっと、そうだろう。
「ふつうの、しあわせ」なんだから。


風太郎が望んでいた幸せなのか
ふつうの、しあわせってこんなのだよってことなのか。
何を思って風太郎の頭にこれらの映像が描かれたのか
今となってはわかりません。
風太郎は逝ってしまったから。

導火線の火花が自分に接近してきたとき
死ぬのが突然に怖くなって
唾を吐いて必死に火を消そうとしたり
「助けるな」と言っておいた緑に対して大声で助けを求めたり
嘔吐しそうにまでなった風太郎。

私はずっと応援していました。
これまで、はっきりいって風太郎は金に負け続けてきてた(と思う)
今ここで、その呪縛から解き放たれるためには
死に勝つしかないんじゃないかと思いました。
だから、私は「風太郎、がんばって死んでくれ」って思いました。
すっごいありえない感情ですけど、普通。

一番印象深いセリフが
「しぬぞーっ」って目をひんむいて言った言葉。
全然立場は違いますが、戦時中の特攻隊のような咆哮でした。

自分の人生に最後まで意味を持てなかった風太郎が
やっぱり、いまになって可哀そうだなと思うようになりました。
だって彼の結末は、たとえ心を入れ替えたとしても
誰かに殺されるか、自殺するか、でしかなかったと思うから。

風太郎の行動によって
思いがけず幸せをてにすることができた人が
この先風太郎を忘れることはないでしょうね。
死んでようやく、人の心に優しく刻まれることになったであろう風太郎。

地獄で全ての罪を償ったら
いつかまた、無垢な赤ちゃんとして生まれ、人生をやりなおしてほしいな。


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4 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (もも)
2009-03-19 02:04:41
そっか、地獄は永遠にいなきゃいけない場所じゃないんだ。
生まれ変わってほしいなあ。
風太郎は邪悪な魂じゃないもの。

松山さんのすべてが好きってわけじゃないんだ、私って
と思ったドラマでした。
それなのに、ハッとさせられたり
目が釘付けになったりがしょっちゅうあるの。
うまく言えないけれど、波が相当ある。

風太郎の演技もそんな感じでした。
何気ないところで息をのんだり。

しぬぞー!
いくぞー!!
とかって、取りつかれたように死に向かってゆく人のセリフじゃないです。
怖くて怖くてしょうがない人のセリフです。
車に乗ってドライブの余裕しゃくしゃくの態度から
そこまでに達する様子にやっぱ、この人いいなと思いました。

今頃どっぷり疲れてるんだろうなー。
あれ、次の仕事ってなんもまだ発表になってないですよね。
たまにはゆっくり休んでほしいです。
肩もんであげたいわ。
「痛い!やめて!」とか言われそう(笑)
返信する
ももさんへ (れい)
2009-03-19 08:36:12
うわーん
いっぱい書いたのに、消えうせた・・・(泣)

超長い文章、読んでくれてありがとうございます。
私って、ほんと、まとめるって能力が著しく欠けているのかも~長くなっちまう。←またです。

私は銭ゲバで松ケンがいろんな面で成長していることを知れて、嬉しかったですね。
これまでの仕事、全部積み重ねてきてるんだって、なんだかよくわかったし。
やっぱり、たまにドラマはいいですね。その時の姿が見れるから。

でも毎回なんですが、
新しい作品が出るたびに、松山ケンイチと知らずにまっさらな気持ちで観たいという思いがあります。
どうしても松ケンばかり目で追ってしまうし
物語の中の役に感動しているのか、松ケンが演じているから感動しやすくなってしまうのか
そこらへん、はっきりと言い切れないところがいつも歯がゆくて。

しぬぞー!のところは脚本家と俳優の化学反応が素晴らしかったと私は思いました。
あそこは本当に(何故か)好きな場面だ。
あの表情、たしかに死に直面して、恐怖に打ち勝とうと必死ですが怯えまくってますね。

松山風太郎は最後まで、つめがあまくて、不安定で脆い人でしたね。
クラウザーさんやLにさえ命を吹き込んだ男ですから、風太郎もずいぶんと人間らしい奴になりました。

松ケンには少しお休みしてもらって、ボウリングとかに行ったらいいんじゃないかな(適当)
少し密かにしてくれてると、財布に優しいのでね(笑)
返信する
燃え尽き症候群。 (ういろう。)
2009-03-19 17:41:28
こんぬつわ★
終りましたねぇ。
長過ぎる導火線に「早く終って!」って思ってました。
(その説はリアルタイムで見てないのに「長すぎる導火線・・・」とか
 メールしてずびばぜん~れいさん~。・゜・(*ノД`*)・゜・。 )

最初の頃は「萌え」しかなかったのに、5話くらいかな?
ちょっとキツイなーって思い出して、後半はつらかったですね。
セクロボの時はリアルタイムで見て、すぐ巻き戻して見て、
翌週まで何度か見てってしてましたが、今回はリアルタイムも
気もそぞろって感じでした。
私も風太郎はああやって死んで行くしか無かったと思います。
お金に負けた風太郎。
でもその同じお金で幸せになった家族達。
「俺の何が悪かったんだよ!どこが違ったんだよ!」と言われても
答えが見つかりません。
運が悪かった、としか言いようが・・・。

ふと「銭ゲバ」は映画の方が合っているストーリーなのかな?って思った。
もちろんドラマを見られるのはうれしいんだけど、
放送時間とか厳しかったし、ライバル局もすごい番組ばかりで
ちょっと勿体無かった。
映画みたいにたっぷり時間をかけられない分、
その時、その瞬間の松ケンの生の演技って感じで
やっぱりドラマもいいなぁ、とも思うんだけどね。テヘッ
しんどいからDVDが出たらイッキミしようかしら。
返信する
ういろう。さんへ (れい)
2009-03-19 18:51:22
超ロングロングな感想ともつかない文章を読んでくださって、
どうもありがとうございました。
私のこと嫌いにならないでね←小心者

長すぎる導火線メールがきたとき、私の予想がまんまと外れたことが判明しましたよ!
8話の最後でダイナマイトきたから、これでこのまま死ぬのなら
9話必要ねーだろーよーと思っていたのでした。
なんらかの理由でダイナマイトはダメになり、仕方なく生き続けようかと思った瞬間、
あっけなく誰かに殺されるとかそういう展開かと。
しかしあの時点で導火線にまだ火ついてるから、
「あのまま死ぬ気だーーーっ!」てビックリしました。

・・・・だからなんだってかんじですが
とにかく、だいじょぶよ~~~。
想像をはるかに超えたヨダレだったから!←ソコーっ!?

私もういろう。さんと同じ。
5話くらいまでは大手を振って萌え萌えしてました。
しかし三國家に入り込み、髪を切ったあたりから状況は変わってしまった
・・・・髪型のせいじゃないよね?(笑)

映画だと、風太郎が稀代の極悪人、ってかんじになるかしらん???
とことん悪い松山風太郎ってのも、見てみたいけどね~~~♪♪
私は「完全なる~」を観ていないので、悪い松はあまり知らんのですよ。
風太郎が初めての男←言い方やらしい

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