月夜の記憶

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ぴたテン第4巻

2011-02-09 | 感想
ぴたテン第4巻の感想です。

第3巻が気になる終わり方だっただけに、どんな始まり方かなって気になってページをめくってみると・・・いつも以上に幸せそうに湖太郎にぴったりくっついてる美紗の姿。この物語のタイトル「ぴたテン」って、「ぴたっと天使」から来てたらしいです!この美紗はまさしくそんな感じです。

美紗が元気な理由は、一人前の天使になれたらそれだけ湖太郎を助けてあげる事が出来るからそれが楽しみで元気みたいです。そうだねぇ、美紗が試験に受かってると良いなぁ。
・・・と思ってたら空から降って来る1枚の手紙。それを見た美紗はあまり元気がないみたい・・・もしかして・・・。


みんなはそんな事も知らずに紫亜の働くお店へ。料理の得意な紫亜が作った事の無いカレーを作ろうとして困ってます。そこでみんなで一緒にカレーを作る事に。最初に言い出したのはテンちゃんだけど、湖太郎はテンちゃんに対抗意識が生まれてたみたい。やっぱりテンちゃんの告白を見てしまったから・・・かな。テンちゃん本人は告白した事がすっかり記憶から抜け落ちてる、3巻でもそんなシーンがあったけど、本当に忘れてしまってるのかな。
なんだか元気のない美紗も湖太郎に励まされて頑張ります。
そんなこんなで完成したグリーンカレー(?)美紗が中心になって一生懸命作りました。カレーを注文してた大ちゃんが美紗さんの作ったカレーなら!と食べてみると、本当に美味しかったみたい。カレー鍋と言い、美紗はカレーが得意料理になってきてるのかも。
「てひひー、人に喜んでもらうのはやっぱり嬉しいッスー」
・・・でも美紗は試験に落ちてたのです・・・。


試験に落ちた事を聞いた湖太郎は励まそうとするけれど、「天使の試験」っていうのがわからない。どんな試験なのかな、どうして落ちたのかな、湖太郎じゃなくても気になります。
その後の美紗と湖太郎のやりとりはこの物語の大切な部分だと思いました。

「コタローくんの幸せのために」と言う美紗、「他人に幸せにしてもらうなんて嫌だ」と言う湖太郎。

幸せって何だろう・・・。僕が今願う幸せは、簡単に言葉に出来ます・・・けど・・・それは手に入らないのがわかってる幸せです。それでも幸せになりたいと思う気持ちがないと人は生きて行けないと思う。湖太郎の母が湖太郎の幸せを願うように、僕の幸せを願っている人もいるはずです。
そして誰かを幸せにしたいって気持ちもあります・・・。僕にその力があるなら・・・っていつも思ってしまいます。この願いは美紗と同じなのかな・・・。


過去の思い出が美紗の頭をよぎります。
「私、天使になりたい!」

美紗の事を思う湖太郎は将来なりたい事、やりたい事を考えてしまいます。大ちゃんは「立派な当主になりたい!」と言う強い思いがある。でも理由はわからない、なりたいからなる。小学6年生なら将来の夢なんてそれで充分ですよね。
湖太郎は考えてしまう。そして美紗に謝ります。
美紗はいつもどおり、てひひな笑顔で、いえ・・・いつもより優しい笑顔で
「私は天使になりたいっス」
と湖太郎に伝えて羽を湖太郎に見せます。だけど羽よりも裸になってしまった美紗の姿の方が湖太郎にとっては衝撃が大きかったみたいで、羽はちゃんと目に入ったのかな・・・どうやら入らなかったみたい。天使だというのを湖太郎にわかってもらうまでが、なかなかじれったいですねー。


夜になっても美紗がいないので、湖太郎は美紗を探しに行きます。その時湖太郎が感じた「一人じゃない」という気持ち。
これはもしかしたら幸せの正体?ん~・・・まだわからないですね。
公園で美紗を見つける湖太郎。誰かと話してる美紗。湖太郎には聞こえてないみたいだけど
「コタロー君とは天使になったらお別れだから・・・」
と言う美紗の言葉。
え・・・湖太郎を幸せにするために天使になりたいのに?なのに天使になったらお別れ?それってどう言う事・・・?さっきの一人じゃないという気持ちがお別れになってしまうのだとしたら・・・これは悲しい話になる予感がしてしまいます・・・。だったら天使の試験に受からない方が良い・・・そんな風に思ってしまいます。


湖太郎を見つけた美紗は羽を広げて湖太郎に抱きつきます。湖太郎もさすがに羽の事わかったみたいかな?それより美紗が女性である事を意識しちゃったのかなぁ。天使であるかどうかよりも、美紗は美紗。湖太郎にとってはそれが一番大事なことなのかも知れないですね。


そしてまた新キャラ登場。遊園地で迷子になってたのは、何だか紫亜に似てる女の子。湖太郎の従姉妹で、その名前は「紫乃」ちゃん。名前もそっくりです。やっぱり紫亜と関係が・・・?あれ、そういえば紫亜ちゃん髪伸びたのかな?解いただけかな。少し雰囲気が変わったような気がしました。

紫乃ちゃんは湖太郎と一緒に暮らす事になったみたい。学校に行く湖太郎とお留守番を言いつけられる紫乃ちゃん。湖太郎は一緒に暮らすなら我慢も出来ないとダメって思ってるみたいだけど、紫乃ちゃんは紫亜と一緒に学校へ来てしまいます。ニャーちゃんは紫乃ちゃんから「探し物の臭いがする」と・・・。どうやら紫乃ちゃんの存在は重要な鍵になりそうですね。
美紗は学校に来て迷子になった紫乃ちゃんを「一人は寂しッス」と探します。その言葉には湖太郎もドキッとしてしまいます。無事見つかった紫乃ちゃんに、一度はしっかり怒るけど、その後優しくなでてあげる湖太郎。誰よりも一人の寂しさを知ってるから、その気持ちがわかるんだろうね。
美紗が「しのちゃんのお母さんになるッス」といつものノリで言うと、湖太郎も笑顔で「悪くないんじゃない」と、このシーン。美紗と湖太郎の信頼の絆が一層強くなったのを感じる名場面だったと思います。


第4巻最後のお話はテンちゃんの家庭の事情がわかるお話。
いつも明るいテンちゃんが陰で一生懸命頑張っているのは、きっと両親を安心させてあげたいからだね。
それだけじゃなく紫亜がテンちゃんに言った「頑張る人は周りの人も頑張らせてくれます」と言う言葉がどれだけテンちゃんに勇気をくれたかと思います。
そしてテンちゃんはまた紫亜に気持ちをぶつけます。
「一所懸命やってんのに、何でダメなんだ・・・。頑張ってるのに何でいつもこうなんだ・・・」
心にグサっと来ます。頑張っても頑張っても、ダメな事ってあります。だったら頑張る必要なんてない・・・って思ってしまいそうになる。きっと誰でもそんな事がある・・・。
美紗と出会った頃、お酒に酔っ払ってしまった湖太郎もそうでした・・・。

その思いを紫亜の言葉が救ってくれました。
「思い通りの結果が出なくてもそれはゼロじゃないです。雪みたいにちゃんと積もっていますよ」
それは、テンちゃんみたいに頑張ってる人だけじゃなくて、今まで頑張れなかった人もこの言葉で頑張ろうって言う気持ちになれる、そんな素敵なメッセージだと思いました。


第4巻の最後は、美紗ではない天使の再登場で終わります。人物紹介に書いてあったけど、早紗って名前の天使みたい。
天使早紗の登場で第5巻では一体何が起きるのかな・・・。

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