目指せジェネラリスト(牛の獣医師)DIY

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体外受精卵の外科移植

2019-04-05 15:42:04 | 診療
久しぶりの投稿です。

まだ、投稿3回目なので練習として

人工授精三回以上実施したが受胎しない牛、子宮や卵巣に異常がなく、いわゆるリピートブリーダーに対してのアプローチは

〇シダーシンク
〇子宮内薬剤注入
〇子宮洗浄
〇受精卵移植
〇追い移植(人工授精後に受精卵移植)

などを検討します。



今回紹介する牛は

三回以上人工授精したが受胎しない牛。

正確に言うと人工授精が上手く出来ない牛なので、リピートブリーダーではないですね!(最初の導入要らないな)

全国各地の授精師の猛者なら俺こそできるといわれるかもしれません。

頸管拡張棒やYTガンなどを使用しましたが、無理でした。恥ずかしいばかりです。

この間、K畜事業団の移植ベテランのK先生と一緒に仕事をした時に、「受精卵移植で今まで通せなかった牛はいない」と言われ自分の未熟さを痛感させられました。

そこで考えた方法が

〇精液ストロー10本分を頸管にかける
〇受精卵外科移植

前者は以前受胎させた経験あり勧めましが、いらない精液がたくさんないとのことで却下

後者の受精卵外科移植を実施しました。

術前の準備は四変と同じで割愛
黄体側の右ケン部の尾側を切開
子宮を術創に引き出し



子宮角先端を鈍性に穿孔しました
ストローを入れて受精卵を移植



結果は、な、な、なんと!

胚死滅でした。

発情から35日で3~5ミリ程度の胎子様構造物が確認できましたが、妊娠していれば15ミリ程度の胎子が確認でき心拍も見えるのですが、7日後再診しても変わらずでした。

めちゃくちゃ残念です。

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