目指せジェネラリスト(牛の獣医師)DIY

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寄生虫検査における簡易迅速ショ糖浮遊法によるオーシスト定量と臨床的有用性 2

2020-04-21 09:58:54 | 繁殖
「寄生虫検査における簡易迅速ショ糖浮遊法によるオーシスト定量と臨床的有用性 1」では、

クリプトスポリジウム症を診断するには、IC法と同じような検出感度とするなら100倍で10視野の鏡検で可能だといいました。

めんどくさがりの皆さんが思うことは10㎎の定量ってめんどくさいではないでしょうか?

10㎎とはどのくらいか、見てましょう。

1㎎単位で計れる秤にスライドグラスをのせて0にします。

イメージするためにまず爪楊枝の先っちょの重さを計ってみます。




24㎎となっていますね。10㎎はこれくらいかなぁとなんとなくイメージできましたか?

また、実際の糞便の量はこれくらいです。


メモリと重さを入れるとわかりやすいかな?


やってみたらわかるのですが一回のせた後に12㎎から10㎎に調整するのはすごく大変です。8㎎を10㎎にするのも同じです。

めんどくさがりのためを思って考えると、そこははぶきたい。およそ10㎎で勝負したい。

実際目視で10㎎をこれだ!っと定量するとどんなもんかやってみたらこんな感じになりました。

数:92検体 平均:9.7(±2.2)㎎ 最小4㎎ 最大16㎎ 90%は7㎎~14㎎の間にはいりました。


これならわざわざ定量しなくてもおよそ10㎎で勝負できます。

何回かしっかりと計れば1㎎以下になったり、100㎎になったりすることはまずないと思います。

OPGで重要なのは10⁵個なのか10⁷個なのか10⁹個なのか、なんです。2000と3000の違いや10000と60000の違いに大きな意味はありません。(線虫卵のEPGはちょっと別ですから後程)

要は、OPGは指数関数的に増えるので重要なのは桁数です。

まずは、自分で秤を使って糞便の10㎎がどんなもんか調整して記憶することは必要ですね。

ちょっと今日はこれまで。ブログって意外と大変・・・慣れかな。

※画像やデータは著作物にあたらないそうで転用してもいいみたい、でもその場合は一言メッセージなど連絡もらえると嬉しいです。