金澤マリコ・著
ばらのまち福山ミステリー文学新人賞優秀作だそうです。
沼津高専の世界史の講師をやってらしたとかで、地元イチオシだったため読んでみました。
かつて世界一の蔵書を誇ったというアレクサンドリア図書館は、7世紀にイスラムの侵攻によってその全てを失ったはずだった。
しかし本当は、聖マルコのお告げに従ってベンヤミン院長が密かに隠したのだという。
そして隠し場所を示す暗号は、コプト教の3人の「守護者」によって代々受け継がれてきた。
ベンヤミン院長の遺した文書によると、3つの「徴」が現れたとき、その封印を解いて世に再び取り戻すべし、とのこと。
3人の守護者は新ローマ教皇と共に、秘密のプロジェクトとして暗号の解読にあたった。
そこへヴァチカンの敵対勢力や新興宗教が妨害工作をかけてきて…!?
ひとことで言うなら「世界史の本」です。
そこへキリスト教とその周辺および暗号解読が絡んでいます。
面白いけど難しい!
世界史プラス地理も分からないと、どこで何の話をしてるのか分からなくなってしまいそうです。
まあだいたい今この辺かな~?でも読めますけどね。
更に言うなら「インディ・ジョーンズ、アクション抜き」
インディ3作目の聖杯の話と似てます。1番の見所はショーン・コネリー演ずるパパと、それに翻弄されるインディとの絡みなのですが。
若者も出てはくるのですが、メインで動いているのが50才以上のおじさん(教皇はじめお偉いさんばかりだけど)達なのも、ちょっととっつきにくいですかね。
女性の作者さんだけあって、服装の描写は細かくて自然です。
このあとは特にネタバレ含みます、注意!
読了後の叫び一覧です。
①冒頭のベンヤミン院長の文書の、古代的・宗教的な気取った文が、なんだか出来損なっていて残念。
②ユーセフ青年の腕時計は関係ないの?伏線じゃなかったの?
③宗教家モーゲンソーって必要だった?(彼については突っ込み所満載過ぎて、存在を是非した方が早い)
④ビッフィ枢機卿の目的は何だったのさ?
「ま、そもそも…」と言い出したら話が始まらないので、そもそもなぜ隠された蔵書の存在を確信できて尚且それがまだ隠されたままだと信じ込めたのか、とか、そもそもベンヤミンはなぜ3つの徴が現れたときと限定したのか(しかも失敗すると災いがあるというオマケ付き!)、とか、そもそもその判断しづらい徴はベンヤミンの預言なのか、とかはナシにしましょうか。
日本では埋蔵金の類いはマユツバなイメージですが、ポンペイが丸ごと埋まってたこととかを考えるといけなくもないのですかね。
海底ならまだしも、と思ってしまいますが。
そしてあっさり見つかるお宝。
何だかよく分からない幕切れ。
最後、終わりが見えてきたから一気に畳んだ感があります。
それまでとても丁寧に、それ必要?と言いたくなるような歴史的雑学をうまーく盛り込んできていたのに。
そんなわけでラストがちょっと残念だったのと、「そもそも…」を抜きにすれば、意外と読みやすくて面白い小説でした。
ばらのまち福山ミステリー文学新人賞優秀作だそうです。
沼津高専の世界史の講師をやってらしたとかで、地元イチオシだったため読んでみました。
かつて世界一の蔵書を誇ったというアレクサンドリア図書館は、7世紀にイスラムの侵攻によってその全てを失ったはずだった。
しかし本当は、聖マルコのお告げに従ってベンヤミン院長が密かに隠したのだという。
そして隠し場所を示す暗号は、コプト教の3人の「守護者」によって代々受け継がれてきた。
ベンヤミン院長の遺した文書によると、3つの「徴」が現れたとき、その封印を解いて世に再び取り戻すべし、とのこと。
3人の守護者は新ローマ教皇と共に、秘密のプロジェクトとして暗号の解読にあたった。
そこへヴァチカンの敵対勢力や新興宗教が妨害工作をかけてきて…!?
ひとことで言うなら「世界史の本」です。
そこへキリスト教とその周辺および暗号解読が絡んでいます。
面白いけど難しい!
世界史プラス地理も分からないと、どこで何の話をしてるのか分からなくなってしまいそうです。
まあだいたい今この辺かな~?でも読めますけどね。
更に言うなら「インディ・ジョーンズ、アクション抜き」
インディ3作目の聖杯の話と似てます。1番の見所はショーン・コネリー演ずるパパと、それに翻弄されるインディとの絡みなのですが。
若者も出てはくるのですが、メインで動いているのが50才以上のおじさん(教皇はじめお偉いさんばかりだけど)達なのも、ちょっととっつきにくいですかね。
女性の作者さんだけあって、服装の描写は細かくて自然です。
このあとは特にネタバレ含みます、注意!
読了後の叫び一覧です。
①冒頭のベンヤミン院長の文書の、古代的・宗教的な気取った文が、なんだか出来損なっていて残念。
②ユーセフ青年の腕時計は関係ないの?伏線じゃなかったの?
③宗教家モーゲンソーって必要だった?(彼については突っ込み所満載過ぎて、存在を是非した方が早い)
④ビッフィ枢機卿の目的は何だったのさ?
「ま、そもそも…」と言い出したら話が始まらないので、そもそもなぜ隠された蔵書の存在を確信できて尚且それがまだ隠されたままだと信じ込めたのか、とか、そもそもベンヤミンはなぜ3つの徴が現れたときと限定したのか(しかも失敗すると災いがあるというオマケ付き!)、とか、そもそもその判断しづらい徴はベンヤミンの預言なのか、とかはナシにしましょうか。
日本では埋蔵金の類いはマユツバなイメージですが、ポンペイが丸ごと埋まってたこととかを考えるといけなくもないのですかね。
海底ならまだしも、と思ってしまいますが。
そしてあっさり見つかるお宝。
何だかよく分からない幕切れ。
最後、終わりが見えてきたから一気に畳んだ感があります。
それまでとても丁寧に、それ必要?と言いたくなるような歴史的雑学をうまーく盛り込んできていたのに。
そんなわけでラストがちょっと残念だったのと、「そもそも…」を抜きにすれば、意外と読みやすくて面白い小説でした。