ついにというか、早くもというか、購入しました。
ニコン最後のプロ仕様MF一眼レフカメラ、ニコンF3(ハイアイポイント)です。
F一桁は、どれかはいつか買おうと思っていましたが、当初の最有力候補は機械式のF2でした。
機械式横走りフォーカルプレーンシャッターのF2ならば、電子制御の部品(フォトミックファインダーを除く)がなく、実質上俺が死ぬまで使える可能性が高いと考えての事です。
しかしながら、中古店でF2を触らせてもらったり、現行機のFM3A等を手にとってみたりして、どうしても迷うところがあったのです。それが「ホールディングのしづらさ」と「シャッター」でした。
俺がFM10で最も評価しているのが、そのホールディングのしやすさです。手にしっくりとなじむあの形と絶妙な小ささは、俺の小さな手にはこのうえなく合っているのです。
そしてシャッター。F2は完全な機械式ですが、FM3Aは機械式と電子制御のハイブリッドシャッターです。AE機能搭載のMFカメラという意味ではF3の子孫とも言える存在ですし、最高速1/4000秒のシャッタースピードや、1/250秒でのシンクロなど、スペック的にはF3より上です。しかしながら、「絞り優先AEがあるなら、むしろ全域電子制御の方がいさぎよいのでは?」と、俺のあまのじゃく心が出てしまうんですよね...
結局、
製造終了が2000年で、まだ4年しか経っていない。
F一桁に関しては、ニコンはパーツ保有を10年行うと確約している。
FM10が電子制御の一切ない、機械式フルマニュアルなら、電子制御のものを持っていてもいいのでは?
でもAF機は嫌。
という理由で、F3が急浮上してきた訳です。
中野の
フジヤカメラさんのHPで3万円台後半のものを発見し、お店に見に行ったのですが、店員さんにいろいろとアドバイスを頂き、実際に自分でもいくつかの候補の中から点検をしてみた上で、もう少し状態の良い52500円の並品を購入しました。
家電量販店で新品のF5をイジったのと、中古屋さんでF2フォトミックを触らせてもらった以外ではニコンのF一桁を触った事がないのですが、F3は、F5程重くなく、F2よりも良好なホールディング感があります。
そして、なんとなく肩の力が程よく抜けた「優しさ」のようなものを感じます。
20年の長きに渡って生産せれてきた超ロングセラーであるF3は、やはりF一桁として報道の現場でプロの過酷な使用に耐えてきたものであり、タフな実用機であるはずなのですが、実際に手にして、50mmを付けてファインダーを覗き、ピントを合わせ、シャッターを切って感じたのは、そういう「懐の深さ」のようなものでした。
明るく、眼鏡をかけていてもケラレなく見る事ができるHPファインダーは、F一桁の証である視野率100%です。驚いたのが巻き上げレバー。「フラグシップ機」というイメージから想像していたものとは全く違う、ソフトで軽い巻上げ感。電子シャッターのソフトなレリーズ感、手に心地よい、ほどよい重量感...
「写真は機材じゃない」という言葉を撤回するつもりは毛頭ありませんが、「良いものを使う心地よさ」というのを、とても感じました。
しかしまぁ、全部が全部大満足という訳でもないんですよね(^^;)。
他の写真系のHP等で散々言われ尽くしている事ですが、露出補正ダイアルが、もうこの上なく使いにくい! ボタン(これがまた固い!)を押しながらじゃないと回せないようになっていて、目盛りにクリック感がないものだから、目視しながら回さないと、うまく補正量をあわせられない。
折角ついているのだからリバーサル撮影等で有効活用したいところなのですが、慣れるしかないようです。
それからAEロックボタンがまた微妙な位置に付いていてちょっと押しづらい...
でも、FM3Aの軍艦部裏側という『どないせぇっちゅーねん』な位置よりはかなりマシです。
右手薬指でホールドしながら押すか、左手薬指でレンズをつまみながら押すかのどちらかですね。