感想いろいろなノート

本とか映画とかイベントとかの感想を書いています

「いつか眠りにつくまえに」

2008-02-17 17:33:04 | 映画
「いつか眠りにつくまえに」(映画)

 某所の試写会に誘われて見に行きました。
 死の床に就く老女が、若い時の親友の結婚式の時を思い出して、あの時あの男と結婚していたならば人生変ったのになあ、私の人生は失敗だったかも、とか考えてしまう話。
 親友の結婚式っていうのが、恋愛模様が錯綜してるし死人は出るし、結構大変なものなのでして、昔だったらこのあたりだけで感動的な悲しい恋の物語を作っても許されたのではないかと思います。しかし、この物語はその後の人生もすべてひっくるめて語っておりまして、若い時に悲しい恋はあったんだけれども、娘も立派に育ったしそんなに悪い人生ではなく結構幸せだったじゃないの、というあたりに結論を持ってきているあたりが新しいところなのではないかと思いました。
 女性に優しい癒し系の映画でして、女性の視点で描かれた完全に女性向な映画だと思います。
 男が間違って見るはめに陥った場合には覚悟して観るように。男の私からすると何だかちょっと生き方とか幸せの評価が違うよなぁみたいな所もありますし、一番かわいそうなのは親友の弟なのに扱いが軽いよなぁとか思って心が痛むような所もあるわけなのですが、それなりに覚悟して観に行ったので面白く観れた映画でした。それから主人公のアンは魅力的でgoodです。


「探偵綺譚」

2008-02-11 23:41:58 | まんが
「探偵綺譚」 石黒正数短編集 RYU COMICS 徳間書店

「カラクリ」と「修学旅行」が特に面白かった。
「カラクリ」のラストの「じいちゃん。ブッ壊すか降りるか・・・、学校に着いてから考えることにするよ」というセリフが胸にじぃんときました。
「修学旅行」は解釈のあいまいな中途半端さがホラーとして怖いと思いました。


「イタリアでうっかりプロ野球選手になっちゃいました」

2008-02-09 10:32:53 | ノンフィクション
「イタリアでうっかりプロ野球選手になっちゃいました」 八木虎造 小学館

 イタリヤ・シチリアでのバカンス中に草野球をしようと野球チームを探したらば、いつの間にかプロ野球・セリエAのメンバーになっちゃっていたカメラマンの話。
 イタリア野球の実体がよくわかるとともに、著者がイタリアの野球生活を楽しんでいる様子が伝わってきて、こちらも楽しくなってくる本です。
 
 これを読んで、日本のプロ野球選手は年を取ったら外国の野球後進国に行くべきだな、と思いました。サッカーでは、Jリーグの黎明期にジーコ、リネカーなどなど世界の名選手がプレーし、さらにストイコビッチやレオナルドなどが日本に来ました。日本にサッカーが根づくための貢献度は非常に高かったと思います。野球を世界に普及させるためには日本人がそうした行動をとる必要があると思いました。以前吉田監督がフランスに指導に行ったという話は聞きましたが、やはりプレーヤー(しかも一流の人)が行って一緒にプレーすべきでしょう。

 ブログ「野球素浪人」http://yagitorazo.weblogs.jp/blog/

「間宮兄弟」

2008-02-07 23:11:30 | 小説
「間宮兄弟」 江國香織 小学館文庫

 もてない兄弟の話。
 読み終わったときにかなり暗い気持になりました。
 作者はこの兄弟に対して何人かの女性を配置するのですが、これらがいずれも強敵で、つまり全員寝ている彼氏が最初からちゃんといたりするのです。このもてない兄弟にとってかなり絶望的な戦いが待っているだろうと最初から予想されるのですが、案の定、彼らはこれまで通りのさえない戦いをして、最後はやっぱりこれまでと同じように負ける(ふられる)わけです。
 もてない間宮兄弟が愛や恋に悩む周りの女の人たちを幸せにしました、みたいな話になっちゃっていて、「おいおいもうちょっと奴らをなんとかしてやれよ」って感じです。
 女性の作者が女性の視点でもてない男にきびしい小説を書いたなと思いました。
 ただし、最後に女子高生の夕美ちゃんが友達として残ったことが、作者が間宮兄弟の未来に残した小さな希望なのではないかと思うわけです。スターウォーズ・エピソード3で双子の兄妹が小さな希望として残ったみたいな感じがして、読み終わった後で共和国のテーマを口ずさんでる私がおりました。エピソード4以降(共和国の反撃=夕美の応援でもてるようになる兄弟の話)が読みたいところですが、続編が出ても寅さんみたいにずーっともてない路線なんだろうな、とも思うわけでなんだかやっぱり暗くなるわけですね。

「くらしのいずみ」

2008-02-06 00:29:54 | まんが
「くらしのいずみ」谷川史子 YKコミックス 少年画報社

 野上武志先生が熱烈なファンであるところの谷川史子のコミックス。
 「萌えよ!陸自学校」といっしょに買ってきました(笑)。
 でもこれらは本当に青年誌に載ってたんですよね?夫婦もののしばりがあるもののまったくの乙女ちっくな少女漫画なんですけども・・・
 というわけで、一冊まるまる全部どれも面白いのです。お勧めです。