拝啓 中山美穂さま「堂々としていてください」

　アエラ世代のアイドル中山美穂さんが、夫の辻仁成さんと離婚した。しかも、一人息子の親権を持ったのは辻さんのほう。私たちの驚きと心配を、ミポリンへ…。

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　7月8日、あなたが小説家で歌手の辻仁成さん（54）と離婚したというニュースを見たときは、驚きました。

　今春からこの話題が週刊誌をにぎわせていましたから、「離婚」に驚いたのではありません。辻さんのブログにあった、「今後は息子とふたりで生きていくことになります。ぼくと生きたいと望んでくれた息子の気持ちにこたえられるよう、父親としても頑張りたいと思います」の一文で、あなたが親権を手放したことを知ったからです。

　以前、アエラのインタビューで、あなたの妹の忍さんはこう話していました。

「姉が息子をマーキュリアルき締める姿を見ると胸が締めつけられる。パリを訪ねた帰りの飛行機の中では、姉が持たせてくれた手作りのアップルパイを食べながら泣けてしようがなかった。『そんなことをする家に育ってないから、ああ、お姉ちゃん、今、幸せなんだなぁって』」

　こんなに家庭を、ご長男を愛していたあなたは、どんな思いで今回の決断を下したのでしょうか。

　辻さんは、最初の離婚のときに子どもの親権を手放してしまったことを後悔していたんですね。アエラの取材にも、そう話したことがありました。辻さんの強い意思やご長男の希望……。あなたは、いろんなことを考慮されたのでしょう。

　日本の法律では、夫婦が離婚すると、どちらか一方しか親権を持つことができません。多くの場合は母親が持つし、裁判でも「母親が有利だ」と言われています。

　でも、だからといって、父親が親権を手放すことは当たり前で、母親なら「人でなし」呼ばわりされるなんて、あんまりです。インターネットには「息子を捨てた母親」などという書き込みがあふれていますが、あなたと同世代の女性（40）からは、こんな話を聞きました。

　彼女の両親は、小学校に上がる前に離婚。母親はある日の深夜、彼女の姉だけを連れて家を出ていきました。長じて母親に会ったとき、こう言われたそうです。

「あなたはすごくお父さんっ子だったから、私が連れて行きたいからって、引き離してはいけないって思ったのよ」

　だから彼女は、「きっと何か理由がある、ミポリンは、断腸の思いで子どもの意思を尊重したはずです」と話していました。

※AERA 2014年7月21日号より抜粋