晴れときどきヴァイオリン

2013年2月7日、2ndアルバム「奏」~薫り立つフランス・ヴァイオリン音楽の詩情~発売!!

3/7 ヴィルタス・カルテット in 小金井

2013-02-25 23:24:44 | コンサート情報
3月7日、小金井市民交流センター小ホールにて、僕らのカルテットの毎年恒例の演奏会があります。
小金井駅南口より徒歩1分、フラットなスペースでかなり近い距離で演奏を楽しめます。また解説もつきます。
料金は2500円、65歳以上の方は2000円、学生さんは1500円です。
宜しければ足を運んでみませんか?

出 演:
   ヴィルタス・クヮルテット
     三上亮(ヴァイオリン、サイトウ・キネン・オーケストラメンバー)
     水谷晃(ヴァイオリン、群馬交響楽団コンサートマスター)
     馬渕昌子(ヴィオラ、紀尾井シンフォニエッタ東京、アンサンブル・ベガメンバー)
     丸山泰雄(チェロ、紀尾井シンフォニエッタ東京メンバー)
   
    ※ご案内:足立優司(いわき芸術文化交流館アリオス)

 曲 目:
   ハイドン/弦楽四重奏曲第33番 ト短調
         作品20-3 ~「太陽四重奏」より
   ベートーヴェン/弦楽四重奏のための
          「大フーガ」変ロ長調 作品133
   シューベルト/弦楽四重奏曲第14番 ニ短調 「死と乙女」 D.810

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音楽を身近に。

 私たちは福島県いわき市において東日本大震災を経験し、以来、現地で人々の心の動きを見つめてきました。その中で、このように全ての感覚を震撼とさせるような大災害から立ち直るためには、やはり人の五感を震わせる「芸術」の力を借りるしかないのではないか、ということに思い至りました。

 しかし、以前にも記した通り、そのことは失われて初めて分かることでした。
 そして、首都直下地震がうわさされる東京、そのなかでも“わが街”小金井で、そうした緊急事態に備えて、少しでも多くの方に音楽を身近に感じていただきたいと願い、 「小金井音楽談話室」企画を立ち上げました。おかげ様で、過去の公演ではアンケートや対面にて貴重な声を数多く聞かせていただきました。


 2012年3月11日。ヴィルタス・クヮルテットは、福島県いわき市にて、第4回目となる定期演奏会を開催しました。先の大震災から、ちょうど一年。いろいろな想いが交錯したコンサートでした。
 人は非常な困難や苦しみに直面したとき、ただ慰めの明るい音楽や優しい音楽を聴かされても、かえって落ち込むものといわれています。自分の置かれた現状を受け入れるには、重く苦しい現実を認める必要があるからです。そして多くの音楽家たちが被災地で演奏し、人びとを慰めたいと切望していたとき、現地の人々の心はどのように揺れ動いていたでしょうか。

 「善意は、断れないからこそ、苦しい」という被災地の生の声。その言葉の奥にある心の痛みを、震災当初から見つめてきたヴィルタスのリーダー丸山泰雄さんは、どうしてもその演奏会で、本来予定していたシューベルトの弦楽四重奏曲第14番「死と乙女」を演奏することができなかったといいます。“言葉”の持つ意味が重すぎたのです。

 人は、心の中の深淵と向き合い、苦しみと折り合いをつけて初めて、音楽を楽しむことができるもの。それから更に一年が経とうとしています。今回お贈りするコンサートのプログラムは、満を持して演奏する「死と乙女」のほか、ベートーヴェンの「大フーガ」、そしてハイドンの「太陽四重奏」もまた、前回の演奏会で元々予定されていたプログラムです。
 決して優しく明るいだけのものではなく、深い悲しみや苦悩が投影された作品たちですが、そこには作曲家たちが人生を掛けて完成した究極の音楽があります。全て、大バッハ以来のドイツ音楽の真髄である「対位法(フーガの技法)」や「変奏曲形式」に関連付けられる作品であり、シューベルトにはベートーヴェンが、ベートーヴェンにはハイドンがいたからこそ、その先人を超えんとして作られた作品たちでもあります。
 今回の公演ではこの先人たちへの畏敬を込め、ヴィルタス・クヮルテットが究極の音楽を紡ぎます。それを東京・小金井でも、是非皆さまにお伝えしたいと願っています。
 興行やコンサートの開催だけがホールの価値ではなく、日常生活における芸術文化の重要さを日ごろから地域の方々に伝え、「生でクラシック音楽を聴く」という時間を生活の一部に取り入れていただきたいという、新たなライフスタイルのご提案をさせていただくことを願っています。

どうぞお楽しみに。


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