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全米不動産マーケット

2012年09月12日 | 北米住宅

今月は徐々に改善してきた米マーケットを数字の上で裏付ける結果となりました。

着工件数と新築販売件数は前年比で20%以上の大幅増、また中古取引も10%を超える伸びとなっています。  値段に関してはケースシラー指数(20都市平均)が前年比プラスに転じており、春以降は前月比3ヶ月連続で増加となっています。  依然として都市毎に差はありますが、バブルで大打撃を受けたアリゾナのフェニックスでは改善の傾向が顕著で、前年比で14%の価格上昇となっています。

ところで9月10日付のウォールストリートジャーナルに、現在のマーケットに関する分析の記事が載りました。  それによりますと、住宅価格は6年ぶりの強い回復傾向を見せており、

明らかに値段は底を打ったように見えるが、本格的な回復なのかどうかは依然として疑問が残るとしています。  記事はこの価格の上昇は特に投資家の格安物件に対する需要に対し、在庫が少なくなっているためにアンバランスが生じ、その結果の上昇しているのではないかと分析しています。  確かに7月の中古住宅の在庫数は240万戸と前年同月の315万戸から比べると24%も減っており、これは8年ぶりの低水準で、また新築の在庫にいたっては142千戸と1963年に統計を取りはじめて以来の低水準になっています。  つまりはより多くの差押などの格安物件を求める需要に対し、それに対する在庫が少なくなっているために価格が上がっているのではないか?ということです。  在庫が少なくなっている理由は、政府の指導などにより以前より簡単に差押ができなくなっていること、投資家が賃貸の利回りが期待できそうな格安物件を奪い合っていること、また差押物件の価格に対抗できないビルダーが新築の供給を抑えていることなどとしています。  特に価格が上昇しているのは投資家が好む低価格物件に集中しており、この価格帯は特に在庫が少なくなっているということです。  ただこの状況は新規供給を担うビルダーには恩恵をもたらしており、中古で探していたお客さんが気に入った物件が見当たらず、すぐに入居可能な新築物件に流れてくる傾向も生まれているようです。  尚、過去数年の例を見ると、価格は夏に上がり、冬に下がる傾向があるので今後秋以降の動向には注意が必要ということでした。


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