いつしかに滅びし花壇あるじ亡き家の醜草 石燈に燃ゆ
壊される借景ひかへ圓通寺 静謐といふ緑雨ふりくる
崩壊の寺院は虫の鈴の籠ふうらり揺れて雨を呼びこむ
キックする脚は破壊か暴発か跳べない鳥はいつも木の下
ほうたるの滅びし郷をほうほうと舞ふアンブレラ ビル風がもう
番外詠草
壊滅のセンセーションが吹き荒ぶ日本海とふ犠牲者はいま
滅ぶまじ伊万里焼きてふ錫ならす碧眼いろなき風の道より
ほろほろと翅こぼし舞ふ夏蝶の堕つる描線あをく光れり
霧咲かす草も枯葉も毀れゆく白き雨ふる夏の時間へ
借景に高層たつか圓通寺比叡ふきぬく幻影を追ふ
一点をぐるりと回しコンパスの壊れたやうな世代の図式
溢れゆく水の透明さながらに髪梳く指のさはらかに夏
ワンパターン壊してしまへ詠歌する指ゆらゆらと伸び縮みさせ
倒壊の悲鳴すさまじ震度7梁に剪まれ呻く死相が
壊される借景ひかへ圓通寺 静謐といふ緑雨ふりくる
崩壊の寺院は虫の鈴の籠ふうらり揺れて雨を呼びこむ
キックする脚は破壊か暴発か跳べない鳥はいつも木の下
ほうたるの滅びし郷をほうほうと舞ふアンブレラ ビル風がもう
番外詠草
壊滅のセンセーションが吹き荒ぶ日本海とふ犠牲者はいま
滅ぶまじ伊万里焼きてふ錫ならす碧眼いろなき風の道より
ほろほろと翅こぼし舞ふ夏蝶の堕つる描線あをく光れり
霧咲かす草も枯葉も毀れゆく白き雨ふる夏の時間へ
借景に高層たつか圓通寺比叡ふきぬく幻影を追ふ
一点をぐるりと回しコンパスの壊れたやうな世代の図式
溢れゆく水の透明さながらに髪梳く指のさはらかに夏
ワンパターン壊してしまへ詠歌する指ゆらゆらと伸び縮みさせ
倒壊の悲鳴すさまじ震度7梁に剪まれ呻く死相が