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都江堰 ダムのない水利施設

都江堰  中国四川省にある、古代から現代まで使い続けている、ダムのない環境破壊のない大水利施設。持続可能文明へのヒント。

都江堰 ダムのない水利施設                  4. 驚くべき排砂の仕組み

2009-10-27 21:33:19 | 旅行
都江堰 ダムのない水利施設

(4) 驚くべき排砂の仕組み
都江堰で驚くべきことは排砂の仕組みです。用水路にとっての難敵は土砂の堆積です。用水路に土砂が流れ込むとそれが途中で堆積して用水路が埋まってしまいます。ところが都江堰ではカーブする川の自然の作用を巧みに利用して、排砂を行っているのです。
排砂の原理

 川がカーブすると水は遠心力でカーブの外側を流れようとしますが、まさにその作用のためカーブの外側では水位が高まり、その水圧の作用で川底では逆にカーブの内側に向かう流れが生じます。このカーブする川の自然の原理によって、都江堰では川底の多くの土砂はカーブの内側にある外江に流れ去り、内江には少ししか入りません。さらに宝瓶口のすぐ上流側で流れが滞留するようになっており、通常の時はそこで土砂が沈積するため宝瓶口から用水路に入る土砂は極めて少なくなります。そこに沈積した土砂も、水量の多い時に濁流となって飛沙堰から外江に排出されます。こうして都江堰では上流から流れてきた水の70%を取水できるにもかかわらず、用水路に流れ込む土砂の量はたったの2%しかないのです。
都江堰の建設された紀元前に科学的な水理学があったはずもないのですが、水と土砂の流れの現象は紀元前の人達も注意深い観察によって知っていて、これを巧みに利用したのです。

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