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〓(有)雅建築設計事務所〓

事務所での日々、ベントなど ~ほとんどメモ帳・雑日記~

ホールダウン金物・筋違い〔工程チェック〕

2009-01-30 19:31:21 | 白河市東F邸

筋違いチェック!
・筋違い計算した図面通りに筋違いが
  配置されているかチェック!
・筋違いを緊結金物・ホールダウン金物で
  緊結されているかどうかチェック!



【ホールダウン金物概要】
・取り付け方式は、柱にM12の六角ボルトで取り付けるもの、多数の釘(ZN90)で止めるもの、専用のビスで取り付けるもの等がある。
・サイズは、主に10kN用、15kN用、20kN用、25kN用、35kN用があり、柱に取り付く耐力壁の壁倍率(強度)に応じて選定する。
・アンカーボルト及び縦方向の通しボルトはM16を使う。アンカーボルトの基礎コンクリートへの埋め込み長さは、360mm以上必要である(35kN用は500mm以上)。

【ホールダウン金物等の設置義務】
ホールダウン金物は、建物の階数に関わらず、建設省告示1460号(平成12年5月31日)「木造の継手及び仕口の構造方法を定める件」の表に従って取り付けなければならない。ただし、N値計算を行った場合は、その計算結果に基づいて取り付ける。また、構造計算を行った場合は、その計算結果に基づいて取り付ける。なお、木造3階建てでは必ず建築基準法・令第82条に基づく構造計算を行い、必要なホールダウン金物の強度を求めなければならない。

このような計算を行った場合、間取りにもよるが、2階建ての場合には2割程度、3階建ての場合には5割程度の柱にホールダウン金物を取り付けることになる。特に、建物の四隅の柱では引き抜き力が大きく、1つで足りない場合は2つ取り付けることになる。また、開口部両脇の柱には10kN~20kN用程度のホールダウン金物を取り付けることになることが多い。

なお、木造平屋建てや木造2階建てではホールダウン金物は必要ないというのは誤りである。また、建物の四隅や通し柱だけに取り付ければよいというのも誤りである。


【ホールダウン金物の不足と欠陥住宅】
木造建築物の基礎に埋め込まれたアンカーボルト。短いのは土台用のM12、長いのはホールダウン金物用のM16。
引き抜き力の大きな出隅柱にホールダウン金物用のアンカーボルトを入れていない木造3階建て住宅上記のような法令や告示があるにも関わらず、ホールダウン金物が省略されている住宅はかなり多い。典型的な例は、ホールダウン金物が全くないもの、建物の四隅にしかないもの、通し柱にしかないもの、1階の柱脚(下部)にしかないものなどがあげられる。 また、ホールダウン金物を示した図面が無かったり、その図面にホールダウン金物を書き忘れている場合もある。さらに、上記の告示があることを知らない施工業者もいる。悪質な場合は、筋交いが多いから必要ない、又は、構造用合板で連結されているから必要ないという虚偽の説明をする人もいる。このような木造軸組工法の建築物は、地震時などに柱が抜けて倒壊する危険性が高いので、建築主・設計者・工事監理者・施工業者ともに注意する必要がある。

ホールダウン金物の不足が疑われる場合には、告示の表、N値計算、構造計算のどれに従って取り付けているかを確認し、正しく設計・施工されているかを再点検する必要がある。


【ホールダウン金物と筋交いのおさまり】
ホールダウン金物と筋交いがぶつかり、金物が取り付けられなくなったり、筋交いを切り欠いてしまう例が報告されている。このようなトラブルを防ぐためには、予めアンカーボルトを少し中心からずらして取り付けたり、長さ900mm程度の長めのアンカーボルトを使ったりする工夫が必要である。また、設計段階において、筋交いは極力用いず構造用合板などの面材耐力壁を積極的に用いることも、このようなトラブルを避けるのに有効である。


【その他の注意事項】
・基礎の立ち上がりが低いべた基礎の場合、底板コンクリートを打設してからホールダウン金物用アンカーボルトをセットすると埋め込み長さが不足するので、底板コンクリート打設前にホールダウン金物用アンカーボルトをセットする。又は、立ち上がりを高く設計する。
・1階のホールダウン金物のアンカーボルトはM16とし、基礎への埋め込み長さは360mm以上(35kN用は500mm以上)とする。
・最上階のホールダウン金物は、座付きアンカーボルトM16(座のサイズは9mm×80mm×80mm相当)で梁に緊結する。
・1階~2階の柱の接続、2階~3階の柱の接続で両引きになる場合、ホールダウン金物は大きい方のサイズに合わせなければならない。
・ホールダウン金物の引き抜き耐力と、他の種類の金物(かど金物など)の引き抜き耐力を加算してはならない。
・ホールダウン金物のサイズは、X方向とY方向でそれぞれ計算し、大きいほうのものを採用する。

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