母が亡くなったあと実家から持ち帰り、
押し入れにしまい込んでいた硯箱・・・
その存在をすっかり忘れていたのだけれど、
先日、佐々木蔵之介さん主演の映画「陰陽師」を観ていると、
安倍晴明が文をしたためる場面で、
画面の隅にまったく同じ硯箱が登場していて驚いた。
天平柄鳳凰図文様・螺鈿細工硯箱というらしい。
私の手元にあるものは
すでに半世紀を超える歳月を経ており、
漆のツヤはまったく失われているものの、
螺鈿細工の鳳凰や花たちは
いまも
あでやかな玉虫色の輝きを放ってくれている・・・
映画などで用いられる小道具は
乱暴に扱われることも多く、
よほどのケースでない限り
価値の高いものは使用されないはずなので、
ちょっとガッカリはしたけれど・・・
仕事場の机に置き、
父母を思い出しながら使っていきたいと
改めて思った次第・・・
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