光による小さな奇跡 天からの授かりものとしての写心術を求めて
アサヒカメラ誌での旧連載の名称「極意で学ぶ 写真ごころ」に因み、「写真ごころ」をテーマにした道場を開講、8月3日と10日の土曜日に、「ポートレイト道場」初回の実践(撮影会)を行い、大成功のうちにスタートしました!
当道場は、技と精神の一体化を目指す「写真道」のための場です。表現とは何かを追求し、技の習得を目指した「実践(撮影会)」を中心に、「談義(講評会)」において、作品を発表し合い、皆でともに作品づくりの要となる精神性、極意の体得を目指していきます。
初回は、カナダ(ドイツ系)と日本の血を引く、高校三年生のエリザベス・ベッチャー(Elizabeth Boettcher)さんがモデルとして、参加してくれました。エリザベスさんの無垢な美しさは、私が「写真表現」において目指す、天使の世界の「瞬き」のようでした。
(※3日の撮影では、長年の友人、双木昭夫 [Akio Namiki] さんが「天使」のhメイクとスタイリング協力)
さて、私自身、光による絵師(Painter of Light)でありたいと願い、永住権を取得していたドイツやアメリカ、日本の三つの文化圏で、写真を撮ってきました。表現とは何か、について思いを馳せるとき、私はいつも、初期ルネッサンス、フィレンツェ派の画家、フラ・アンジェリコ(Fra’ Angelico, 1390/95-1455年) や、北方ルネッサンスの世界へと、想像力を羽ばたかせていました。
フラ・アンジェリコとは、「天使のような」という意味とされ、本名はグイド・ディ・ピエトロ(Guido dei Pietro)という修道僧でした。天上の世界とのコラボレーションともいうべき、天使やマリアにまつわる光の祝祭の世界を描き、後にミケランジェロの師匠にも影響を与えた「画聖」です。フラ・アンジェリコの最も著名な作品シリーズ『受胎告知(Annuciation)』は、フィレンツェのサンマルコ美術館やプラド美術館(マドリード)にて観賞することができ、その崇高な美に心を打たれました。同作品において、聖母マリアにイエスキリストの誕生を予告する天使は、ガブリエルです。ガブリエルは、キリスト教のアークエンジェル(Archangels 大天使)の一人です。また「エリザベス」の名前の由来であるエリザベツは、新約聖書では、バプテスマのヨハネの母とされ、マリアがイエスの受胎をエリザベスに告げる情景も、宗教画のテーマとなっています。
またマリアといえば、フィレンツェのウィヒチ美術館やパリのルーブル美術館にあるフラ・アンジェリコの『聖母戴冠 (Crowned Maria)』も、光の中での「勝利のマリア」としを描く不朽の名作です。なお今回のブログには、天使とマリアへのオマージュとして、長年私の作品のモデルを務めてくれたアンジェラ・マリア・グラチア・ブリガンティ(Angela Maria Grazia Briganti)さんを撮った作品『Crystal Visions』を添えたいと思います。
さて、写真ごころが目指すものは、天の囁きであり、聖なる力の気配のような一瞬の魔法です。もとより目に見えている世界を通して、世界を貫く清らかなエネルギーと出会い、「永遠のいま」を表現する「心の術」なのだと思います。
こうした意味で、私にとって、写真とは「天からの授かりもの」であり、対象の魂の輝きと出会い、いのちのつながりに気づく、小さな奇跡なのだと思います。
そして、私たちすべてが宇宙のいのちとつながり、現在から未来へ、人から人へ、心から心へと、光のバトンタッチを行うことが、写真ごころの極みなのです。
写心道場第1期の中心的な課題は、「光を究める」こと。なお国際的に活動する舞踏手の山縣美礼(Mirei Yamagata)さん、そして本場ニューヨークのダンスカンパニーでも活動してきたコンテンポラリーダンサーの依田綾さん(Aya Yoda)さんも、モデルとして参加してくれることになりました。
お申し込みは、以下のURLにて詳細ならびに最新情報をご覧くださいませ。
http://www.miroito.com/gokuidojo.html
それでは、一期一会の光の恩恵へと心の眼を開き、精神と技が「不二」(切り離せない)ものとして結びつく写真道を通して、世界へと羽ばたく「光の道」をぜひご一緒くださいませ。
2013年8月18日
伊藤みろ メディアアートリーグ
Text and Photo by Miro Ito
Title: “Crystal Visions” (Model: Angela Briganti)
All rights reserved by Miro Ito + Media Art League, L.L.C
http://www.miroito.com
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[伊藤みろ著書:参考書]
※道場へのご参加の前にお読みください。
書名:『極意で学ぶ写真ごころ』伊藤みろ著
定価 2,400 円+税/B5判 並製 カラー単行本/ 152頁
発刊:2011年11月30日 / ISBN 978-4-8459-1180-6
発行元: 株式会社フィルムアート社
書名: 『フォトグラファーズ バイブル』伊藤みろ 著
企画・編集:メディアアートリーグ
定価:2,100円(税込み)/B5判 並製 カラー単行本 /191頁
発刊:2012年5月22日 / ISBN 978-4416812440
発行元:誠文堂新光社
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アサヒカメラ誌での旧連載の名称「極意で学ぶ 写真ごころ」に因み、「写真ごころ」をテーマにした道場を開講、8月3日と10日の土曜日に、「ポートレイト道場」初回の実践(撮影会)を行い、大成功のうちにスタートしました!
当道場は、技と精神の一体化を目指す「写真道」のための場です。表現とは何かを追求し、技の習得を目指した「実践(撮影会)」を中心に、「談義(講評会)」において、作品を発表し合い、皆でともに作品づくりの要となる精神性、極意の体得を目指していきます。
初回は、カナダ(ドイツ系)と日本の血を引く、高校三年生のエリザベス・ベッチャー(Elizabeth Boettcher)さんがモデルとして、参加してくれました。エリザベスさんの無垢な美しさは、私が「写真表現」において目指す、天使の世界の「瞬き」のようでした。
(※3日の撮影では、長年の友人、双木昭夫 [Akio Namiki] さんが「天使」のhメイクとスタイリング協力)
さて、私自身、光による絵師(Painter of Light)でありたいと願い、永住権を取得していたドイツやアメリカ、日本の三つの文化圏で、写真を撮ってきました。表現とは何か、について思いを馳せるとき、私はいつも、初期ルネッサンス、フィレンツェ派の画家、フラ・アンジェリコ(Fra’ Angelico, 1390/95-1455年) や、北方ルネッサンスの世界へと、想像力を羽ばたかせていました。
フラ・アンジェリコとは、「天使のような」という意味とされ、本名はグイド・ディ・ピエトロ(Guido dei Pietro)という修道僧でした。天上の世界とのコラボレーションともいうべき、天使やマリアにまつわる光の祝祭の世界を描き、後にミケランジェロの師匠にも影響を与えた「画聖」です。フラ・アンジェリコの最も著名な作品シリーズ『受胎告知(Annuciation)』は、フィレンツェのサンマルコ美術館やプラド美術館(マドリード)にて観賞することができ、その崇高な美に心を打たれました。同作品において、聖母マリアにイエスキリストの誕生を予告する天使は、ガブリエルです。ガブリエルは、キリスト教のアークエンジェル(Archangels 大天使)の一人です。また「エリザベス」の名前の由来であるエリザベツは、新約聖書では、バプテスマのヨハネの母とされ、マリアがイエスの受胎をエリザベスに告げる情景も、宗教画のテーマとなっています。
またマリアといえば、フィレンツェのウィヒチ美術館やパリのルーブル美術館にあるフラ・アンジェリコの『聖母戴冠 (Crowned Maria)』も、光の中での「勝利のマリア」としを描く不朽の名作です。なお今回のブログには、天使とマリアへのオマージュとして、長年私の作品のモデルを務めてくれたアンジェラ・マリア・グラチア・ブリガンティ(Angela Maria Grazia Briganti)さんを撮った作品『Crystal Visions』を添えたいと思います。
さて、写真ごころが目指すものは、天の囁きであり、聖なる力の気配のような一瞬の魔法です。もとより目に見えている世界を通して、世界を貫く清らかなエネルギーと出会い、「永遠のいま」を表現する「心の術」なのだと思います。
こうした意味で、私にとって、写真とは「天からの授かりもの」であり、対象の魂の輝きと出会い、いのちのつながりに気づく、小さな奇跡なのだと思います。
そして、私たちすべてが宇宙のいのちとつながり、現在から未来へ、人から人へ、心から心へと、光のバトンタッチを行うことが、写真ごころの極みなのです。
写心道場第1期の中心的な課題は、「光を究める」こと。なお国際的に活動する舞踏手の山縣美礼(Mirei Yamagata)さん、そして本場ニューヨークのダンスカンパニーでも活動してきたコンテンポラリーダンサーの依田綾さん(Aya Yoda)さんも、モデルとして参加してくれることになりました。
お申し込みは、以下のURLにて詳細ならびに最新情報をご覧くださいませ。
http://www.miroito.com/gokuidojo.html
それでは、一期一会の光の恩恵へと心の眼を開き、精神と技が「不二」(切り離せない)ものとして結びつく写真道を通して、世界へと羽ばたく「光の道」をぜひご一緒くださいませ。
2013年8月18日
伊藤みろ メディアアートリーグ
Text and Photo by Miro Ito
Title: “Crystal Visions” (Model: Angela Briganti)
All rights reserved by Miro Ito + Media Art League, L.L.C
http://www.miroito.com
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[伊藤みろ著書:参考書]
※道場へのご参加の前にお読みください。
書名:『極意で学ぶ写真ごころ』伊藤みろ著
定価 2,400 円+税/B5判 並製 カラー単行本/ 152頁
発刊:2011年11月30日 / ISBN 978-4-8459-1180-6
発行元: 株式会社フィルムアート社
書名: 『フォトグラファーズ バイブル』伊藤みろ 著
企画・編集:メディアアートリーグ
定価:2,100円(税込み)/B5判 並製 カラー単行本 /191頁
発刊:2012年5月22日 / ISBN 978-4416812440
発行元:誠文堂新光社
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