ウエールズの空、Anno Birkin青年のこと
リンカーンセンターのThe NY Public Library for Performing Arts の個展「Men at Dance - from Noh to Butoh by Miro Ito」の方は、在ニューヨーク日本総領事館と国際交流基金の後援を受け、15日より無事始まりました。
リンカーンセンターはパフォーミングアーツのメッカとあって、世界中から舞台芸術に興味を抱き、また学びに来ている方々が訪れる場所ですので、このたびの展覧会開催の目的もそこにあります。ささやかですが、私の展覧会を通して、日本の伝統から前衛までの身体芸能の系譜が、少しでも多くの方々に知られるきっかけになればと願っています。
NYではまた今週より「2007 NY Butoh Festival」が始まり、私がコラボレーションで作品を撮っている室伏鴻氏が公演とワークショップを開きます。(http://www.nybf.caveartspace.org/)
同時に今年100周年を祝うJapan Societyでも、日本から大野一雄・慶人の両氏をはじめ、麿赤児氏など舞踏の大御所が参加され、「舞踏の秋」が大体的に繰り広げられます。
来週29日には、開始より2週間遅れて私の個展のオープニングレセプションもありますが、その合間を縫って、イギリス・ウエールズにやってきました。
ウエールズへは3年半前に訪れて以来ですが、夭逝したイギリスの詩人でソングライターだったアンノ・バーキン(Anno Birkin)さんの故郷に再びやってきました。
アンノ・バーキンさんのプロジェクトは、すでに私の近著『魅せる写真術』やホームページ (http://www.miroito.com/anno1.html)でも公開していますが、かの野村万之丞さんの偉業を伝えるプロジェクトが「太陽」だとすると、「月」のような位置づけです。私にとってはこちらもまた「招かれた」というか、不思議なご縁を感じています。
長年ドイツやアメリカに住んでいたものの、イギリスとはほとんど縁がなかったのですが、いまはイギリスがどんどん好きになってきています。とりわけ、地位や教養もあるイギリス人の礼儀ただしさや分け隔てのない親切さには、一種の感動さえ覚えます。「ノブレス・オブリージュ (noblesse oblige)」とは、高貴なものの義務とでも訳される精神ですが、イギリスでは、上層階級だけでなく、チャリティーなどの慈善活動やボランティアなどの奉仕行為が、人として果たすべき大切な社会活動の一環になっています。
かくいうアンノ・バーキン青年のプロジェクトも、ご家族の努力により、アフリカの子供たちにアートや演劇を指導するプロジェクト「Anno’s Africa」として育ちつつあります。具体的には、アンノ青年の詩集とCDの売り上げ等が献じられて、さまざまな活動に結びついています。詳しくは http://anno.co.ukをご覧ください。
私がこれまでウエールズで撮ってきた写真や訳詩も、いずれ東京で新たに発表する際には、イギリスの「Anno’s Africa」プロジェクトと連動させた国際チャリティー事業として育てていきたいと願っています。
そんなことを夢みながら、昨晩はウエールズの夕焼けを撮影しました。
明日も、そしてそれに続く未来が、どうか少しでも多くの慈愛に満ちたものでありますように...
ウエールズより 伊藤美露
2007/10/25
☆☆☆☆☆ NYにて伊藤美露 個展「能から舞踏へ」開催中 ☆☆☆☆☆
"Men at Dance - from Noh to Butoh by Miro ITO:
Japanese Performing Arts, Past and Present"
開催場所: The NY Public Library for Performing Arts
(Plaza Lobby-Steinberg Room), 40 Lincoln Center Plaza, NYC, NY 10023
開催期間: 2007年10月15日から2008年1月5日まで
開館時間: Tues, Wed & Fri: 11 to 6; Mon, Thurs: 12 to 8; Sat: 10 to 6
http://www.nypl.org/research/lpa/
☆☆☆☆☆ 日本図書館協会選定図書 ☆☆☆☆☆
『魅せる写真術 発想とテーマを生かす撮影スタイル』
著:伊藤美露 定価 : 2,079円 B5判/160P/オールカラー
ISBN 978-4-8443-5921-0
発行:株式会社エムディエヌコーポレーション
リンカーンセンターのThe NY Public Library for Performing Arts の個展「Men at Dance - from Noh to Butoh by Miro Ito」の方は、在ニューヨーク日本総領事館と国際交流基金の後援を受け、15日より無事始まりました。
リンカーンセンターはパフォーミングアーツのメッカとあって、世界中から舞台芸術に興味を抱き、また学びに来ている方々が訪れる場所ですので、このたびの展覧会開催の目的もそこにあります。ささやかですが、私の展覧会を通して、日本の伝統から前衛までの身体芸能の系譜が、少しでも多くの方々に知られるきっかけになればと願っています。
NYではまた今週より「2007 NY Butoh Festival」が始まり、私がコラボレーションで作品を撮っている室伏鴻氏が公演とワークショップを開きます。(http://www.nybf.caveartspace.org/)
同時に今年100周年を祝うJapan Societyでも、日本から大野一雄・慶人の両氏をはじめ、麿赤児氏など舞踏の大御所が参加され、「舞踏の秋」が大体的に繰り広げられます。
来週29日には、開始より2週間遅れて私の個展のオープニングレセプションもありますが、その合間を縫って、イギリス・ウエールズにやってきました。
ウエールズへは3年半前に訪れて以来ですが、夭逝したイギリスの詩人でソングライターだったアンノ・バーキン(Anno Birkin)さんの故郷に再びやってきました。
アンノ・バーキンさんのプロジェクトは、すでに私の近著『魅せる写真術』やホームページ (http://www.miroito.com/anno1.html)でも公開していますが、かの野村万之丞さんの偉業を伝えるプロジェクトが「太陽」だとすると、「月」のような位置づけです。私にとってはこちらもまた「招かれた」というか、不思議なご縁を感じています。
長年ドイツやアメリカに住んでいたものの、イギリスとはほとんど縁がなかったのですが、いまはイギリスがどんどん好きになってきています。とりわけ、地位や教養もあるイギリス人の礼儀ただしさや分け隔てのない親切さには、一種の感動さえ覚えます。「ノブレス・オブリージュ (noblesse oblige)」とは、高貴なものの義務とでも訳される精神ですが、イギリスでは、上層階級だけでなく、チャリティーなどの慈善活動やボランティアなどの奉仕行為が、人として果たすべき大切な社会活動の一環になっています。
かくいうアンノ・バーキン青年のプロジェクトも、ご家族の努力により、アフリカの子供たちにアートや演劇を指導するプロジェクト「Anno’s Africa」として育ちつつあります。具体的には、アンノ青年の詩集とCDの売り上げ等が献じられて、さまざまな活動に結びついています。詳しくは http://anno.co.ukをご覧ください。
私がこれまでウエールズで撮ってきた写真や訳詩も、いずれ東京で新たに発表する際には、イギリスの「Anno’s Africa」プロジェクトと連動させた国際チャリティー事業として育てていきたいと願っています。
そんなことを夢みながら、昨晩はウエールズの夕焼けを撮影しました。
明日も、そしてそれに続く未来が、どうか少しでも多くの慈愛に満ちたものでありますように...
ウエールズより 伊藤美露
2007/10/25
☆☆☆☆☆ NYにて伊藤美露 個展「能から舞踏へ」開催中 ☆☆☆☆☆
"Men at Dance - from Noh to Butoh by Miro ITO:
Japanese Performing Arts, Past and Present"
開催場所: The NY Public Library for Performing Arts
(Plaza Lobby-Steinberg Room), 40 Lincoln Center Plaza, NYC, NY 10023
開催期間: 2007年10月15日から2008年1月5日まで
開館時間: Tues, Wed & Fri: 11 to 6; Mon, Thurs: 12 to 8; Sat: 10 to 6
http://www.nypl.org/research/lpa/
☆☆☆☆☆ 日本図書館協会選定図書 ☆☆☆☆☆
『魅せる写真術 発想とテーマを生かす撮影スタイル』
著:伊藤美露 定価 : 2,079円 B5判/160P/オールカラー
ISBN 978-4-8443-5921-0
発行:株式会社エムディエヌコーポレーション