911から6年ー鎮魂と追悼の祈り
NYで体験した「September 11」から、今日でちょうど6年が経ちました。
かつてニュースキャスターの下村健一さんの依頼で、下村さんがキャスターを務めていた「ネクストステージ」(BSジャパン)という番組での放映用に、詩を綴ったことがありました。
******************************
三つの選択
「その瞬間」に立ち遇ったことで、
NYの人々には大きな選択の時がやってきた。
人間世界の暗黒への「怒り」と「怖れ」を選択し、苦悩し続ける人。
感情で受け止められる以上の「憤り」を感じて「正義の戦い」に邁進する人、
そして「怒り」も「怖れ」も「憤り」も乗り越えて、
人類の新たな「愛」の連帯に目覚める人。
その3つの選択が、写真家である私自身にもやってきた。
写真家として「惨事」を「警告」として伝える人。
「悲劇」を「ドラマ」として切り取る人。
そして「惨事」と「悲劇」の向こう側に、
鎮魂と追悼の「祈り」を見つめる人。
私にできることは、ただひたすら平和のために、
カメラを通して「祈り」、地球を、そして人類を
愛し続けていくことだけだ。
NYではそれでも毎日くり返し、同じ選択が人々の心を駆け巡る。
「怒り」か「祈り」か?
「制裁」か「対話」か?
「戦争」か「平和的解決」か ...?
(詩:伊藤美露、BSジャパン「ネクストステージ:特集ニューヨークの『いま』/
ニュースキャスター、下村健一」 2001年10月6日放映より抜粋)
******************************
その後、私は「鎮魂と追悼の『祈り』を見つめる」選択をし、
身体を通して、見えない世界への橋渡しとなるような作品を作りたいと思い、
日本に戻ってきました。
私が伝えたいのは、身体という「衣」を脱ぎ捨てたとき、魂的にはすべての人が繋がっていること。
草木のすべてに仏性をみる仏教、万物にカミをみる神道など、表現の仕方は違っても、世界のすべてにいのちが宿り、すべては支え合っていること。
このことにもう一度立ち還ることで、誰しも世界への愛、他者への愛を取り戻せるのではないでしょうか。
空が気づきとなるのも、人が大いなる存在に抱かれていることに目覚め、
大いなる自然との繋がりを、意識できるきっかけとなるからでしょうか。
同様に、身体を通して「いのち」というレベルから、
人間の存在の重みが改めて問われるとき、
初めてなにをなすべきかが見えてくるのかもしれません。
911から6年_。
今日も世界が少しでも新たな愛に目覚め、
平和への種をひとつでも育むことを願いながら、
鎮魂と祈りのために、
永遠へと向かう時間の中で、
光を見続けていきたいと思います。
空に鎮魂と追悼の祈りを捧げながら....
合掌 伊藤美露
2007/9/11
text and photo by miro ito, all rights reserved.
sky over kamiuma, 2007.9.7
☆☆☆☆☆☆☆☆ 日本図書館協会選定図書 ☆☆☆☆☆☆☆☆
『魅せる写真術 発想とテーマを生かす撮影スタイル』
著:伊藤美露 定価 : 2,079円 B5判/160P/オールカラー
ISBN 978-4-8443-5921-0
発行:株式会社エムディエヌコーポレーション
NYで体験した「September 11」から、今日でちょうど6年が経ちました。
かつてニュースキャスターの下村健一さんの依頼で、下村さんがキャスターを務めていた「ネクストステージ」(BSジャパン)という番組での放映用に、詩を綴ったことがありました。
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三つの選択
「その瞬間」に立ち遇ったことで、
NYの人々には大きな選択の時がやってきた。
人間世界の暗黒への「怒り」と「怖れ」を選択し、苦悩し続ける人。
感情で受け止められる以上の「憤り」を感じて「正義の戦い」に邁進する人、
そして「怒り」も「怖れ」も「憤り」も乗り越えて、
人類の新たな「愛」の連帯に目覚める人。
その3つの選択が、写真家である私自身にもやってきた。
写真家として「惨事」を「警告」として伝える人。
「悲劇」を「ドラマ」として切り取る人。
そして「惨事」と「悲劇」の向こう側に、
鎮魂と追悼の「祈り」を見つめる人。
私にできることは、ただひたすら平和のために、
カメラを通して「祈り」、地球を、そして人類を
愛し続けていくことだけだ。
NYではそれでも毎日くり返し、同じ選択が人々の心を駆け巡る。
「怒り」か「祈り」か?
「制裁」か「対話」か?
「戦争」か「平和的解決」か ...?
(詩:伊藤美露、BSジャパン「ネクストステージ:特集ニューヨークの『いま』/
ニュースキャスター、下村健一」 2001年10月6日放映より抜粋)
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その後、私は「鎮魂と追悼の『祈り』を見つめる」選択をし、
身体を通して、見えない世界への橋渡しとなるような作品を作りたいと思い、
日本に戻ってきました。
私が伝えたいのは、身体という「衣」を脱ぎ捨てたとき、魂的にはすべての人が繋がっていること。
草木のすべてに仏性をみる仏教、万物にカミをみる神道など、表現の仕方は違っても、世界のすべてにいのちが宿り、すべては支え合っていること。
このことにもう一度立ち還ることで、誰しも世界への愛、他者への愛を取り戻せるのではないでしょうか。
空が気づきとなるのも、人が大いなる存在に抱かれていることに目覚め、
大いなる自然との繋がりを、意識できるきっかけとなるからでしょうか。
同様に、身体を通して「いのち」というレベルから、
人間の存在の重みが改めて問われるとき、
初めてなにをなすべきかが見えてくるのかもしれません。
911から6年_。
今日も世界が少しでも新たな愛に目覚め、
平和への種をひとつでも育むことを願いながら、
鎮魂と祈りのために、
永遠へと向かう時間の中で、
光を見続けていきたいと思います。
空に鎮魂と追悼の祈りを捧げながら....
合掌 伊藤美露
2007/9/11
text and photo by miro ito, all rights reserved.
sky over kamiuma, 2007.9.7
☆☆☆☆☆☆☆☆ 日本図書館協会選定図書 ☆☆☆☆☆☆☆☆
『魅せる写真術 発想とテーマを生かす撮影スタイル』
著:伊藤美露 定価 : 2,079円 B5判/160P/オールカラー
ISBN 978-4-8443-5921-0
発行:株式会社エムディエヌコーポレーション