ただの独り言です。

特別に重要な意味はありません。お気になさらず。

Gと額013

2014-11-25 23:08:44 | 日記
役者はいよいよその時を、迎えようとしていた。そしてその場面が近づくにつれ、心臓が飛び出しそうであった。しかし観客はその役者の様子から次の地獄の様相は思いつかなかった。その時は直ぐ近くである。またクライマックスでもある。その絶頂の瞬間、人びとの拍手によって、この世の地獄が幕を開けるのである。そう、拍手は周期を持って、反響する。それは、今までに、何度も試みられた。そして今本番を迎えようとしている。役者は今まで、様々な所で、タイミングを合わせる為に劇中の台詞を敢えて、変えてきた。今その時を迎える。この劇場の観客の中に重要人物がいる。その人は外見は人格者を装ってはいるが民衆からは嫌われている。またこの人物のニックネームが「ビッグハンド」であるのと同じように実際彼の手は普通の人の2倍はある。そして彼は観客の誰より早く拍手をしたがる。しかし彼は今日初めてこの劇場で観る芝居なので、まだ拍手をするのを躊躇う。しかし彼はとうとうクライマックスで拍手をしてしまう。するとその拍手の波が周りの爆弾の起爆装置を作動せて、大爆発が起こった。
原子炉は大変丈夫なので、ビクともしない。
次の瞬間、周りの6人は身につけていた服らしきものを、ビッグハンドめがけて、投げ入れた。それは、強力なバリアーになり、ビッグハンドは無事であった。しかし、周りの人達は皆血を流して、叫んでいる。
役者は失敗したのである。けど、爆発がどうして起こったのか誰も判らない。そして役者は、素知らぬふりで、獣の匂いのする劇場を後にするのである。
爆発物は、いったい何処にあったのか?
それは、原子炉の周りの磁場に依る空気のイオン化が進み、拍手の波長が正弦波を増幅し、爆雷の様な現象が現れたのである。