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お酒のお供Y・・・153

2015-05-13 14:04:03 | 日記


万金丹

江戸を離れて流れ旅の梅吉と初五郎。

行き倒れになりかけて田舎の寺へ転がりこみ、和尚の好意で

泊めてもらった。三日、四日と居続けたあげく、もうしばらく

居させてくれと和尚に頭を下げた。

困ったのは和尚。いくら田舎の寺でもわけのわからない男二人を

居候させたのでは、檀家の手前、都合が悪い。そこで、

いっそのこと出家のための修行をしてみないかと二人にすすめた。

まあいいかと二人は頭を丸め、梅坊に初坊という僧名までつけてもらった。

翌日から毎朝、毎晩本堂でお経三昧。しばらくすると二人とも

いいかげんあきてしまった。そんなある日、本山に用のできた和尚が

ひと月ほど出かけると、二人に留守を言いつけて旅立った。

いそいそと和尚を送り出した二人は早速、酒を飲む算段を始めた。

金がないから本堂のさい銭をくすねて酒を買い、肴は裏の池にいるコイ。

むちゃくちゃなやつらで、和尚の衣を網のかわりにしてコイをすくい、

料理してしまった。これを肴にひさしぶりの酒。すっかりいい気分だ。

そこへ檀家の者が訪ねてきて、葬式をしてほしいという。葬式は

隣村の寺へ頼めと和尚に言われていたのだが、お布施ほしさに梅吉を

江戸からきたえらい坊さんに仕立てて、適当に経をあげ、もしもバレたら

香典をひっつかんで逃げよう、と話がまとまった。

さて、先方の家。かしこまった村の者たちがおとなしいのをいいことに、

ゴニョゴニョといいかげんな経を唱えたまではよかったが、戒名をと

言われてはたと困った。戒名のことまで考えていなかったのだ。

「戒名はいるのか」

いるにきまっている。この次のときにまとめてと馬鹿な申し出をするが、

檀家が承知するはずもない。  

困った梅坊が和尚の部屋で拾った薬の袋を取りだして渡した。

漢字が並んでいるから戒名に見えなくもない。紙が妙に四角いのは新型だとごまかした。

ところが戒名をじっと見ていた檀家の一人が「官許 伊勢朝熊霊法万金丹」の

文字の意味を教えろとしつこくせまる。

「官許とは棺の前で経を読んだから、伊勢朝熊は威勢よく生きていたのが

死んであさましい姿になった、ということだ」

万金丹は俗名の万屋金兵衛の名前からとったもの。霊法は法の礼、

つまりお布施のことだと説明する。

「それなら、白湯にて用うべしってのは」

「仏にお茶をあげなくてもいいという意味だ」

                         立川志の輔    古典落語100席引用

昔の噺家は漬物をつまみに酒をかっくらったと聞きますが、

渋いっすね。でも刺し身の方が肴としてよろしいかと。

「あなたにも万金丹あげったい」

GOOD LUCK!! YOU GO OWN YOUR WAY AND GROWING YOUR WAY.




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