先月英彦山に登った折りには、英彦山ヒメシャラも、オオヤマレンゲも、どちらも少し時期が早すぎた。
オオヤマレンゲに至っては、蕾を一つ確認したに過ぎない。
このままにはしておけない。
「明日、英彦山に登るつもりやけど。咲いてるみたいやぞ。」(私)
「行く。」(家内)
正面参道を行く。
参道では、かつての宿坊「財蔵坊」の一般公開(土日祝のみ)も再開され、英彦山の日常が少しづつ戻りつつある。
参道の石垣に咲くユキノシタ。
奉幣殿に登ってきた。
早速、お目当ての英彦山ヒメシャラの元へ。
咲いてる。咲いてる。
前回来た時は、辛うじて2~3輪しか咲いていなかったが、今回は見頃と言って良いだろう。
この山の固有種、英彦山ヒメシャラ。
花弁の一つに、紅をさした様なアクセントがあるのが特徴だ。
何とも艶めかしい花である。
この日の予定は、正面参道から中岳を目指し、下山は北岳~豊前坊経由、別所駐車場までの、前回と同じコースである。
下津宮。
それはそうと、
暑い!
この日、我が街久留米の気温は、35度まで上昇したんだとか。
英彦山とて同じ。
暑いったら暑いのだ。
(タツナミソウが群生する岩場)
登り始めてすぐ、息が上がってきた。
足取りも重い。
「ブヘー、久しぶりのバテバテだ。体が暑さに慣れとらん。」(私)
「うむ。」(家内)
あの無限のスタミナを誇る家内ですら、今回は少々堪えているようだ。
私を揶揄する言葉が出ないのが、その証拠である。
何イチゴだろう?
「ゼハー、ゼハー、この石段を登ったら・・・・」(私)
ヤマゴボウ群生地に辿り着く。
「あー、覚えてる。」
「そして、ここから直ぐが行者堂たい。」
行者堂に着くと、少し先の方から数人の歓声が聞こえてきた。
何処から聞こえてくるのかは、分かり切っている。
大山蓮華の樹である。
森の貴婦人の名を持つ大山蓮華。
甘い香りが漂ってくる。
花の命は短い。
僅かに4~5日なのだそうだ。
枯れ落ちる花もあれば、同時にこれから膨らむ蕾もある。
桜の花の様に、一斉に咲かない分、樹木全体から受ける迫力には乏しいが、その分長く楽しめる。
ここにいると、強烈な日射しが降り注いでくる。
溶けてしまいそうだ。
この瞬間、私に塩を振りかけたなら、瞬時に消えて無くなった筈だ。
「バビー、ばやぐ、ぢょうぢょうにぎご~(早く、頂上に行こう)。」
「ふん、このナメクジ人間め。」
頂上広場到着。
「あー、きつかった。飯、めし、メシ!!。」
大量の水分補給を済ませたら、その後は、カップ麺とお握りを頬張る。
飯さえ食えば、こっちのもんだ。
ナメクジ人間は見る間に回復するのだ。
「オッチャン、見事に元気になるね。」
「よし、エネルギー充填完了。頂上ば少し見て回るぞ。」
ベニドウダン
ニシキウツギ
頂上から少し下ったところに、白い花を蓄えた木が見える。
「あの木肌って、ヒメシャラじゃん。」
英彦山ヒメシャラである。
この木の方が奉幣殿のより、紅が強い気がする。
ツバキ科の仲間らしい花の落ち方である。
落ちヒメシャラもまた良しだ。
中岳下山。
途中の岩場にあるオオヤマレンゲは、一輪だけ咲いてはいたが、遠すぎてシャッターを押すのはパス。
北岳経由で豊前坊を目指す。
溶岩の壁に差し掛かる。
中岳頂上で仕入れた情報では、
「溶岩の壁の所に、一輪だけ咲いてましたよ。見逃すかもしれんけど。」
大山蓮華の木を見上げる私達。
「あった!」(家内)
「え、どこどこ?」(私)
お暇な方は、どこに咲いているか見つけて貰いたい。
深い森を降りていく。
逆鉾岩
ミズタビラコ
牛は高住神社の御神体だそうだ。
2礼2拍手した後は、自然遊歩道を帰るのみだ。
フタリシズカ
タニギキョウ
3時過ぎ、別所駐車場に到着。
今回、あまりの暑さにバテてしまった。
これから、夏山の暑さに体を慣らしていく必要があるようだ。