日曜日は、難所ヶ滝へ山登りだ。
有名な大つらら、小つららを見に行った。
ネットで調べてみると、少し前の時点で、登山口である昭和の森キャンプ場は、結構な積雪であったようだ。
念のため、スタッドレスを履かせたスワローで赴く。
幸い、駐車場に積雪は無く、拍子抜けするほどである。
何面かある駐車場は、9時半の段階で満車に近い。
「こりゃまた、つららは大渋滞になるバイ。」
誰かの声が耳に飛び込む。
ふむ。
そんなもんなのか。
覚悟してかからねば。
難所ヶ滝は、宝満山や三郡山がある三郡連山山中にある。
途中までは、名前に似つかわしくない、緩やかな山道を登って行く。
一か所だけ渡渉する場所があり、そこからはやや傾斜がきつくなる。
三郡連山は、全山がほぼ花崗岩である。
この難所ヶ滝ルートは、アイゼンで傷ついた花崗岩が特徴であるようだ。
登山路に横たわる岩や石は、どれも真っ白い筋が入っている。
暫く進むと、路面が凍ってきた。
足元を慎重に選びながら登る。
でた!
これは、小つららと呼ばれる方の氷瀑らしい。
ここから、つらら近くに行くには、アイゼンを付けた方が良さそうだ。
人生初アイゼンである。
何しろ人が多い。
中々、直下までたどり着けない。
人の頭を写さなうようにスマホを構えてはいるが、画像下あたりは、本当は人の後頭部だらけである。
普段は滝と言えるような場所ではないそうで、チョロチョロと流れ落ちている程度なんだそうだ。
そんな雫と言っていいものが、一旦凍ると、この様な迫力がある造形を作り出す。
やっとの事で最前までたどり着くも、長居は出来ぬ。
後が使えているからだ。
上野のパンダ見物の如く、早々に引き返さねばならぬ。
大つららに向かう。
大つららまで、岩場が続く。
歩きにくいので、アイゼンを一旦外す。
ただ、見ていると登山者の半分は、アイゼンを付けたまま登っている。
大つらら前の登り坂。
行きと帰りは、それぞれ一方通行になっている。
大渋滞である。
またぞろ、イライラの虫が騒ぎ出す。
飯を食べに行く時だって、行列が出来る有名店と、並ぶ必要が無い無名の店なら、迷わず無名店を選ぶ私だ。
とは言え、
さすがにここで臍を曲げて引き返したら、何をしに1時間半も掛けて、ここまで来たのかわからぬ。
この時ばかりは辛抱強く並ぶことにした。
更に誤算は続く。
待つこと数十分。
漸く、大つららの全貌が視界に入ってきた。
ここからは、アイゼンなしにはとても進めぬ。
ところが、列を外れてアイゼンを履くような場所が全く無い。
半分の登山客が歩きにくいのを辛抱して、あの途中の岩場をアイゼンを付けて登っていた意味が、この時漸く分かった。
ここから先、あと2メートル進めれば、足場がしっかりしたところへ渡る事が出来るのだが。
しゃーない。
ほぼ真下まで行った事だし、ここでグズグズしていては後続の迷惑であろう。
帰り道へと進んだ。
この大つららを渡った先に、本来の難所ヶ滝があるらしいが、氷瀑はここまでとの事。
いずれにせよ、アイゼンを付け直して、もう一度あの大渋滞に並び直さねばならぬ。
やーめた。
帰ろっと。
初アイゼンは、小つららのみの中途半端なものに終わったが、それでもスリル満点で中々に楽しかった。
また来年、今度は平日に登ろっと。