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Tシャツとサンダルの候

ヒゴタイそよぐタデ原湿原から四面山なる坊がつるへ


ヒゴタイの季節である。

いや、それどころか、そろそろピークを過ぎようとしている。

とっとと見に行かなければ。

 

昨日の早朝。

 

「おい、ヒゴタイ見に行くぞ。タデ原湿原から・・・」(私)

「私、少し頭が痛かけん行かん。」(家内)

「そんなら、俺一人で行くけんな。あばよ。」

 

一瞬の迷いさえ見せず、頭痛に苦しむ妻をほっぽりだして家をでる私。 

ゾッとするような冷酷非情さである。

 

 

ブイ~~~~ン

 


長者原到着。

坊がつる賛歌の石碑を左に折れると、湿原の入り口である。

さて、この日の主題は、冒頭に書いた通りにヒゴタイ観察だ。

従って、どこかの山に登る予定はない。 

と言っても、せっかくここまで来たのだ。

タデ原湿原を散策した後は、雨ケ池超えから坊がつるを目指したい。

久しぶりの坊がつるのロケーションを堪能しながら飯でも食って、長者原まで折り返そう。

湿原はすっかり秋の装いである。

いつのまにやら、ススキの穂で覆われていた。 

おお!

ヒゴタイの群落だ。

湿原を覆うススキの穂の間に、紫色のボンボンが風に揺らいでいる。 

ビジターセンターのパネルには、

ヒゴタイは絶滅危惧種に分類されるキク科の多年草とある。

三俣山をバックに。

 

間に合ってよかった。

 

ワレモコウ

 

シラヒゲソウ

結構広範囲に見られた。 

アケボノソウ

 

蝶や蜂ではなく、何故かこの草には蟻が群がっている。 

 

ヤマトラノオ

 

ツクシフウロ

 

マルバハギ


そろそろ坊がつるへ出発しよう。

この道を歩くのは、一年ぶりである。


この日のもう一つの目的、アサギマダラの群れは、この先のあそこに居る筈だが、

やっぱいた。

 

彼女らに逃げられないコツがわかってきた。

暫く動かずにしていて、その後脅かさないようにゆっくり近づけば、ある一定の距離までは、大サービスで蜜を吸う姿を見せてくれるようだ。

アサギマダラは渡りをする蝶で、フィリッピンから北海道まで確認されているのだそうだ。

 

坊がつるまでの中間地点で休憩。

涌蓋山の秀麗な姿を見ながら給水タイムである。 

雨が池。

あれだけの大雨の後である。

木道が水没する程の池の出現を期待していたが、今回も見ることができなかった。

くじゅうは案外と雨量は少なかった? 

マツムシソウ

今年初見である。 

 

サイヨウシャジン

 

雨が池を過ぎると、また深い森に変わる。

 

ルートの全体を通して、泥濘が酷く、山靴はグチャグチャである。

靴は仕方ない。

問題は転ばない事だ。尻もちでもついたら一大事である。 

車のシートを汚したくなかったら、いくら楽しくてもスキップなどはしない事が肝心だ。

雨が池超えルートは、道はぬかるんではいたが、大雨による崩落や、道を塞ぐ落石、倒木などは見受けられなかった。

 

坊がつるに降り立つ。

真正面大船山が迎えてくれた。 

白口岳方向。

中岳と天狗は雲の中である。 

平治岳をバックに。

坊がつる賛歌に謳われるように、正に『四面山なる坊がつる』である。 

腹減った。

 

山に囲まれてカップ麺を食らう私。

花の情けを知るのも、無我を悟るのもいつの事やら。

 

 

では、ボチボチ帰ろうか。

家に着いたら、行けなかった家内に、

「よかったぞー!」

と、無慈悲に自慢してやるつもりである。

コメント一覧

minou_yamatai
はい。もうすぐしたら、リンドウも花を咲かせてくれるでしょう。
これから、良い季節になりますね。
ドリー
九重は、すっかり秋めいてきてるのですねーーー
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