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Tシャツとサンダルの候

五條家御旗まつりとオモテナシ


その事を知ったのは偶然だった。

 

 

台風一過、鋼鉄の股間を目指し、朝からチャリを漕ぐ。

行く当てもなく漕いでいると、八女の岩戸山古墳が見えてきた。

久々だ。ちょいと立ち寄るか。

古墳公園内には歴史資料館がある。

筑紫の磐井についての資料は当然だが、南北朝時代の資料(主にパネル展示だが)も展示されている。

いくつか懐良親王について、職員の方に質問していると、

 

「もし何でしたら、今日、五條家が一般公開されますから、行ってみらんですか。」(資料館職員)

「え!!あの五條家ですか?公開されるんですか!」(私)

 

五條家というのは、懐良親王に付き従ってきた公家である。

詳細は下の画像をご覧いただきたい。

五條家には金烏の御旗や古文書がある事は知っていたが、普段は一般公開されていない。


れは一大事だ。

南北朝フリークの私としては、是非とも訪ねておかねばならぬ。

 

「一般公開の時間は、11時から15時までになっているようですよ。」

「え、本当に!?もう10時過ぎとる。そりゃ、急がなきゃ。」

 

とっとと家に引き返して車に乗り換えないと、間に合わなくなってしまう。

 

 

ドピューーーン




いつもの3倍のスピードで自転車を漕いで、久留米まですっ飛んで帰った私。


「おい、今から矢部まで行くぞ。」(私)

「へ?」(家内)




黒木から矢部に向かって県道を走っていると、やがて五條氏邸の看板が見えてくる。 

無料の臨時駐車場に車を止め、案内に従い登って行くと、公民館があり、その上の段に五條邸はある。

受付が設けてあった。 

びっくりする事に、入館無料であるらしい。

それだけではない。

公民館には、ご接待所と書いた張り紙が貼ってあり・・・


いつまでも本題に辿り着かないので、この件は後述する。 

これが五條邸である。

立花藩に仕えた頃からの建物らしい。

それでも、優に200年は越えている。 

向かって左の方、縁側に回るようにとの案内があった。

回ってみるとそこには、たくさんの来訪客と、地元放送局のカメラまで。

 

丁度五條家当主の講演があっており、屋内に入りきれず、庭先まで人が溢れかえっていた。

 

講演が終わったのち、貴重な文化財の数々を拝見する。

 

五條家は公家の、しかも、学問の家柄であったにも拘らず、親王に付き従っているうちに武家となっている。

なので武具の展示も多いのだが、五條家の甲冑と共に、後征西将軍良成親王の具足も展示してあったとの事。

後で知った。

確認しなかったのが、残念でならない。 

この白装束の方が、五條家当主である。

講演が終わったのちも、質疑応答が続いている。 

大保原合戦屏風絵。

懐良親王を始め、菊池武光の大刀洗いの挿話など、合戦の場面が描かれている。

但し、親王はご尊顔を描くことは憚れたようで、顔の部分は松の枝で隠されていた。 

これが八幡大菩薩旗。

金烏の御旗と呼ばれる旗で、後醍醐天皇から4人の皇子に下賜された。

現存するのはこれだけである。

重要文化財。 

五條家文書。

後醍醐天皇綸旨、後村上天皇宸筆書状、懐良親王令、良成親王書状など。

無論、重要文化財である。 

後醍醐天皇綸旨

 

いやいやいや、どれもこれも素晴らしいの一言である。

 

 

で、先程来の公民館ご接待である。

公民館屋内と外のテントでは、無料でお握りとだご汁を振舞ってくれるのだ。

普通、それなりのお金を払ってでも観たい貴重な資料の数々なのだ。

無料と言うだけでも有難いのに、飯までタダで食わせてくれると言う。

こんなオ・モ・テ・ナ・シ、信じられるだろうか? 


えー、知らなかったよ。

さっきチャンポンを、大急ぎで食ってきたばっかりだ。

お腹いっぱいだよ。

「どうぞ、こちらに座って下さい。今、だご汁持ってきますから。」

 

テーブルに置かれているのは、3種のおこわお握り(白、クチナシ、赤飯)、ガメ煮、酢の物である。

 

「暖かいダゴ汁どうぞ。」


満腹の為、お握りは一つだけにしておいた。

地元のオバサン達が丹精込めた料理は、どれもこれも超美味しい。

昼飯を食ってきた事を、再度後悔させるに十分である。


 


・・・来年こそは。

コメント一覧

minou_yamatai
だと思います。毎年秋分の日に御開帳のようです。
周辺には、南北朝史跡もたくさんありますよ。
yamabousi
凄いの一言
自分もこの歴史に触れてみたい
毎年この時期に御開帳ですか?
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