阿蘇の楽しみ方は、豊かな自然だけではない。
四季見豆腐店。
ここで豆腐を買うのも、ひとつの楽しみである。
「えーっと、油揚げの生地ば下さい。」
「はーい。揚げ方はご存じですよね。」
最初に買ったときに、家内がレクチャーを受けている。
「あ、はい。心得てます。」
これが油揚げ生地である。
かなり固めの仕上がりとなっている。
美味しい豆腐屋さんは数々あれど、生地から売ってくれる店は希である。
生地を低温の油でじっくり揚げると油揚げ。
さっと揚げれば生揚げとなる。
自分の家で、出来たての生揚げが頂けると言う寸法だ。
これが美味いのなんのって。
この後、南阿蘇ビジターセンターに移動。
鳥を探して、更に腹を空かせたところで、
ビジターセンター目の前の、この店になだれ込む。
注文は最初から決まってる。
「気まぐれあか牛丼でーす。」
何がどう気まぐれなのかは、皆目分からない。
大将の機嫌が悪い時は、あか牛が極端に少ないとか?
肉の池に浮かぶ温泉卵。
どうやら今日は、少なくともご機嫌斜めじゃなさそうだ。
温泉卵を潰して、トローリ。
いつの間にやら、大量の辛味噌が肉の上に乗っかっているが、細かい事は気にしてはいけない。
では
もぐ
ここで、生揚げ豆腐と同じセリフを繰り返さねばならぬ。
これが美味えのなんのって!
古閑の滝の氷瀑に、阿蘇の雄大な眺め。
豆腐を買って、あか牛を喰らう。
これが私達の阿蘇の楽しみ方である。