「山に行ってくる。ジムニー貸してくれ。」
家内にそう告げ、向かった先は、
英彦山である。
紅葉が見頃らしい。
例によって、どのコースで登るかは車中で思案。
そう言えば去年、
南岳から下山途中の尾根から見た、中岳斜面の紅葉が鮮やかだった記憶がある。
南岳から中岳を目指すとするか。
南岳に登るなら、表参道近くの駐車場が良かろう。
石畳を行く。
紅葉目当ての登山者で、いつにもまして参道は賑わっていた。
奉幣殿を過ぎ、少し上った先の分岐を、
予定通り、南岳方向へ。
あれだけたくさんいた登山者は、誰もこちらのコースを選ばないようだ。
急に山道が淋しくなる。
大雨により流れ落ちた間伐材で埋め尽くされた斜面。
道を塞ぐ間伐材は、ルートを非常に判りづらくしている。
何度も立ち止まり、ルートを確認しながら登る。
漸く登り切った。
そこには明るい日差しを浴びた紅葉が待っていてくれた。
赤や黄色のシャワーを浴びながら歩く。
実に心地よい。
ここがこのコースで、一番キツイ登りだ。
ゼーゼーヒーヒーと喘ぎながら、ひたすら歩を進めるしかない。
材木岩。
ここを過ぎると、この急登もあと少しだ。
ブヘー
終わったぜ!!
急登が終わったら、ご褒美であるかのように、また紅葉が癒してくれる。
南岳稜線が木々越しに見えてきた。
南岳尾根に出た。
ビューポイントから中岳斜面を望む。
思った通りだ。
目にも鮮やかな紅葉である。
南岳コースの選択は間違ってなかったようだ。
ここから先は、鎖場が連続する岩場となる。
紅葉を横目に見ながら鎖を掴む。
南岳到着。
山頂にあった立ち入り禁止の避難小屋が、いつのまにか撤去されていた。
代わりに真新しいテーブルとベンチが設置されている。
昼食休憩は中岳でしようと決めている。
南岳は、さっさと降りよう。
ただ、
ここからでも、中岳山頂からのさんざめきが聞こえてきている。
相当人が多いに違いない。
中岳へと続く尾根を彩る木々達。
中岳到着。
こりゃダメだ。
まだ一度も休憩していないが、ここも通過だ。
予定していなかったが、北岳まで行ってみるか。
続く