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Tシャツとサンダルの候

くたびれた靴

ここに一足のくたびれた靴がある。



買い求めて、かれこれ20年になる代物だ。

もっぱら、冠婚葬祭用に使ってきた。


それはそうと、



この靴に漂う違和感に、お気づきだろうか?



先日、知人の通夜に出かけた時のこと・・・

車をドアを開け、駐車場のアスファルトに一歩踏み出すと、


パタリ


奇妙な音がした。

不思議に思い足元に目をやると、そこには信じがたい光景が。

何と、

靴の先端から3~4cmが、剥離しているではないか!

数歩歩いてみた。

幸い、摺り足気味に歩けば、パタリ音を出さずにいけそうだ。


到着した時間は、一通り式次第も済んだ頃。

式場内には、親族と数人の弔問客がいるだけである。


パタリ

(い、いかん。少しパタってしまった。摺足摺足)


焼香を済ませ、遺族に挨拶をし、なんとか無事に(と、思いたい)式場を後にした。



その後、

自宅に帰り着いた頃には、最早、歩行も困難な状況まで事態は悪化していた。

めくれた靴底が大きく垂れ下がり、目を背けたくなる状態となっている。

大惨事である。

この困難を乗り越えるには、めくれた長さの分だけ、無様に足を上げて歩くしかない。

更に最悪な事に、

この大きく垂れ下がった靴底を、マンションの住人にしっかり見られてしまう。


「クスクス」


痛恨の極みである。


これだもの。




教訓

靴を20年も履き続けるのは止めよう。

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