民間福島原発事故収束委員会公式サイト

福島原発事故は未だに収束していません。新しい収束方法で原発をシャットダウンする方法を提言します。民間の活力で行います。

現状

2013-09-13 13:08:00 | 原発事故対策
民間事故収束委員会としての現状認識

東電の発表は、どの様に計測したか、あるいはその理由をきちっと説明せず、何時も細切れですから、何が重要なのか素人にも専門家にもわかりにい。従って、何時も推測で話しをしなければならないところが苦しいところだ。

もはや汚染水の海への放出を止められなくなった事は正直に話しているが、それ以外にも原子炉の状態に関して、幾つか気になる事を発表している。
発熱量を200KW程度としていることだ。1年前には2MWだったと理解しているが、半年余りで200KWに落ちることは異常である。崩壊による発熱は、100トンの燃料が有るとすると、寿命が平均12年であるから、半年で一桁落ちたと言うことであり、そこには何らかの理由が有りそうだ。

私の解釈では、燃料がもはや80%以上格納容器から抜け落ちたので発熱量が200KWになったということだ。
多分、土台のコンクリートを突き抜けて、地下水に接触しかかっているだろう。これが完全に地下水に接触するとき、汚染水の放射能はさらに急上昇するだろう。
200KW程度ならば空冷でも間に合うのに、何故空冷にはしませんとわざわざ発表するのだろうか?ここにも不思議がある。
東電は、核燃料が完全に抜け落ちたことを公表したくないのだろう。公表すればさらに批判は免れない。冷却水を回していたことは、何の意味も無かったではありませんかという、さらに厳しい批判を世間から浴びることになるからだ。

コンクリートに穴を開けていることの兆候は他にも見られる。
数ヶ月前に、雨が降ったとき、格納容器周辺から水蒸気が上がるのが確認された。燃料が格納容器内に有ればこの様な現象は起こらない。完全に地下水に接触すればやはりその様な現象は起こらない。従って、燃料は格納容器の下のコンクリート内に有ると言うことだろう。雨が降って水位が上がると、コンクリートに雨水が浸透して水蒸気を発生させる。
私は、このブログを書きながら、推論、模索をしているが、この筆が語るところによれば、核燃料はコンクリート内を沈下していて、今にも地下水に到達しようとしていると結論される。暫くして、汚染水の放射能はけた外れに高くなるだろう。

私は、kaze to hikari (http://www.kaze-to-hikari.com/2013/09/post-57.html) のインタビューで、メルトスルーした場合にも鉛冷却方は有意義であると発表している。
このブログの結論として、燃料がコンクリートの中途で止まっているのならば、鉛冷却は事態を収束するのに間に合う。是非急いで鉛冷却方を実施してほしい。この半年以内に実施すべきである。さもないと地下水の汚染は、今よりもさらに10倍か100倍ひどい物になるという事である。
私は、懇願したい。今すぐ鉛冷却方を適用してほしいと。

私は東電が水を回し始めたときから様々な予測をしているが、ほぼ的中している。
私はこの予測が的中しないことを祈るばかりであるが、なによりも鉛冷却方を直ぐに行うことを懇願する。


民間福島原発事故収束委員会 代表
山田廣成


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14 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
地下水の作用 (WHITE GANTZ)
2013-09-13 14:40:56
もし、溶融した核燃料の大部分が地下水層の中に落ちこんだ場合、地下水が中性子の減速材として作用して再臨界の危険が高まるのでしょうか?
つまり、地層内部に天然の軽水炉のような環境ができてしまうのではないか?という危惧です。
それは有りうることです (山田廣成)
2013-09-13 22:39:31
優れたご指摘です。コンクリート内を沈下しつつある核燃料ですから、炉から流れ落ちる水に接していますが
その量はそれ大した量では有りません。しかし、これがコンクリートを貫通すると、大量の地下水に接触しますから、連鎖反応・・・臨界が起こる危険もあると思います。早い時期に燃料を鉛で包むのが最良だと思います。
燃料はどこに有るか (山田廣成)
2013-09-18 07:27:09
その後、文献を調査すると、現在の推定発熱量は、東北大の試算によれば、0.5MW、東電の試算によれば0.2MWという事で、2MWでは無いようです。0.2MWならば、水冷をしなくても維持できると思われるが、何故東電はそれをしないのか?公表してないことがたくさんありそうだ。やはり燃料が何処に有るかを特定しないと対処のしようがない。
期待します。 (soukawa osamu)
2013-09-19 12:21:56
水の蘇生に長年取り組んでいます。畜産でも出た悪臭に対策するのではなく、いんすいを蘇生すると、一気に消えます。ウラン燃料の放出したものに対処するのではなく、元を鉛で包んでしまうという方法があるのを知り、希望が湧きました。方法は簡単で実に理屈に合っています。是非実現してほしい。ご協力できることの一つとして、知人に知らせています。他にご協力出来ることがありますか?
核燃料が土壌に落ちていたら? 核燃料の状態の実測 (泉舘朋子)
2013-09-22 09:34:46
9/20のIWJインタビューの中での説明で思ったのですが、核燃料が格納容器を抜けて土壌の中にまで落ちていた場合、原発事故後の度重なる地震でその上に土等がかぶさってしまい、鉛が到達できないようなことはないでしょうか。

核燃料の状態がある程度わかればずいぶん対応がしやすいと思うのですが、何らかの方法で核燃料の現在の位置や温度を調べることはできないのでしょうか。

2008年8月24日の日本経済新聞の記事で、「ミュー粒子で透視する技術」が紹介されていました。東大の田中宏幸特任助教(当時)らが開発、とあります。
ネット上で探してみると、いくつかそれに関するものがありました。
http://www.eri.u-tokyo.ac.jp/CHEER/pdf/cheernews_No1_web.pdf
http://www.athome-academy.jp/archive/mathematics_physics/0000001086_all.html
また、同様の技術を使い、名古屋大学でまさに福島第1の燃料の位置を検出する技術の開発を進めており、これは国も後押ししている、とあります。
宇宙からの素粒子利用、福島原発炉心の透視作戦
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20120107-OYT1T00500.htm
ただ、実用化はいつになるのか・・。
この技術がもうすぐにでも使えるといいのですが、どうなのでしょうか。
透視技術 (山田廣成)
2013-09-22 11:26:23
ミューオンでマグマの状態を計測する技術は10年以上前からやっていて、私の専門分野の一角です。透視をするわけですが、ミューオンだけに感度のある検出器を使わないと原子炉そのものからの放射線(主にγ線)でイメージに雑音が乗ります。私はγ線そのものでイメージを作る方が良いと思います。X線カメラというものが有りますので、まずそれを使うべきだと思います。JAXAが開発しています。
核燃料がどこに有るかは簡単にわかる (山田廣成)
2013-09-22 11:35:58
核燃料が格納容器内に有るのか、メルトスルーしているのかは簡単に分かると思います。冷却水を循環していますが、入口の水温と出口の水温の差から、求められます。地下水から侵入する水が有るから、正確にはわからないというかもしれないが、それならば、循環冷却水の水量を変化させて計測し、外部からの水量は変化しないと仮定すれば求まります。東電には是非やっていただきたい。多分、東電はこのブログを見ているはずですから是非ご検討をお願いいたします。格納容器内に核燃料は留まっていないという事が分かるかもしれませんね。
何とか早く実行されるようにするためには。 (児島宏嘉)
2013-09-28 09:16:16
署名運動などは、どのようになってますか。海外からも集めては。
海外在住者に呼びかけましょう。
なぜ大規模突貫工事で地下水を
海に流すバイパスを作れないのでしょうか。
崩壊熱と注水量 (しお)
2013-10-07 11:47:26
ANS5.1/N18.6の式により計算した結果、今頃の崩壊熱は、1号機で約118kw、2,3号機で約200kwとなりました。従って、東電発表はほぼあっていると思います。燃料が全て圧力容器内にあるとして計算すると、東電の実施している注水の量と炉内温度も、ほぼ納得のいく値になっています。
http://repository.tudelft.nl/assets/uuid:ea5c711d-f1fc-4b5b-8762-e67b72bcd5bd/iri-131-2000-005.pdf
崩壊熱 (山田廣成)
2013-10-07 12:51:14
しお さん
東電の計算値は2号機が200KWです。東北大学が出している計算値は、500KWです。多分同じ計算コードを使っていると思いますが、東電は、初期値を把握していると思います。私が懸念するのは、水が有りますから必ず部分的な核分裂反応が起きているはずですから、これをどの様に見積もるかが難しいと思います。そのために東電は、なかなか空冷に踏み切れないのだと思います。又、東電は燃料が既に格納容器下のコンクリート内を降下しつつあるという見解を示しています。私が既に発表したことを東電はリピートしているように見えます。

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