ひとりひとりはまた鏡を手にして
そこにうつったわたしの顔をみつめる
わたしもそれをのぞきこむと
ドックのほとりで 釣糸をたれて
ときどき水のなかをのぞいている
こどもづれの 孤独なひとりの男にしかみえない
ー『想像力の休暇』「堀川正美詩集1950-1977」より
これは、みずみずしい、明るさと苦渋に満ちた堀川正美の詩から引用しました。
分厚い詩集です。
詩が空となり宇宙となり空で
鳥もこどもらも紳士も老人も女も魚も
虫も
飛翔する生命体みな
宿る信じがたい愛で溢れた
詩集です。私が手に入れた当時も高価な本でした。既に古い本でしたが、熱狂的な読者がいました。
これと同じくらい「高いな」と感じたのが、そうですね
輸入もののレオノール・フィニの画集でした。
いまは、それほど、耽美的だったり陰鬱だったりの本は買いませんが、この一冊は大事にしています。
はじめからマニアックな本の話になりました。