夕方遅くに家の電話が鳴った
チビ猿♂が出てなにやらゴニョゴニョ話してる
『母さん、電話~』
『誰??』
『え~、・・・わからん
』
家の電話に掛かってくるのは、学校関係、勧誘、役員・・・
まぁ、そんなもんくらいよ
とりあえず電話に出るティキ
ティキ『もしもしっ
』
勢いのエエでんわの出かた
電話の人『もしもし。・・・苗字変わったんじゃ?』
ん~?????????
なんじゃ、コイツは????
苗字変わったって・・・・・
いつの話しょんな、この人は
電話の人『久しぶり。元気そうじゃね。』
ティキ『・・・・・・・・・・・誰?・・・・
』
名を名乗らずに知ったような話をする見知らぬ男にかなりご立腹なティキ
電話の人『○○じゃけど』
ティキ『○○??????・・・・・・・誰よ?
』
あぁ、もうだんだん口調まで失礼になっていくティキ
電話の人『え??ホンマに覚えてない??思い出せん??』
ティキ『知らんよ、○○なんて人・・・』
電話の人『え~、嘘じゃろ~』
・・・・・・あっっっっっ
思い出したかもっっっ
あぁぁっぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・・・
思い出したくない、封印した10数年前の過去がじわじわ蘇ってくる
・・・・・・・・うぅぅぅぅぅ・・・・・
思い出してしも~た・・・・
すっかりさっぱり綺麗に忘れとったのに
汚点よっ
汚点っっ
若かりし頃の過ちよっっ
いわゆる世間では【プリン】(←自己規制)と呼ばれてるヤツをやってた人じゃねぇかっっ
・・・・しかし・・・・・
アレから10数年経った今頃になっていったい何の用事なんな・・・・
押し売りか?????
新興宗教の勧誘か????
警戒心300%になるティキ
○○『約束しとったけぇ・・・・遅くなったけど・・。』
ん????
約束ぅ~
なんの事やらさっぱりわからんわぃ
ティキ『なんな?約束って?』
話の内容がわからなさ過ぎてかなり失礼な口調のティキ
で、その○○が言うには、
その10数年前に別れた時に、数年後に連絡を取ってその時にまだ好きじゃったら会おう、って約束らしい
・・・・・・・ほ~言われてみれば・・・・
そんな話をしたようなしてないような・・・・・・
でも、確か、その数年後って、6年後って話じゃなかったっけ???
なんとなく嫌な空気と共に思い出してきたわ
しかも、ティキはそんな約束嫌じゃったんじゃけど、別れ際のそいつが怖くって頷いた記憶が・・・
じゃがのぅ・・・・
6年後どころか10数年経っとんで
しかも、約束したであろう6年後にゃ記憶から消えとったし
○○『何度も見かけたよ。今の車はアルファードじゃろ?』
なんて事まで言ってくる始末
・・・・こっちゃ、あれから1度も見かけてないし
気付いてもないし
しかも・・・・車まで知っとるじゃことの
怖いかもぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっっ
しかも、
『○○に住んどるじゃろ?』
まで言われてっっ
その当時とは引っ越して家も変わっとるのにっっ
いやぁぁっぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ
いや、いや、この人は別に他意はないハズ
うん、うん、きっとそ~よ
ただ偶然に、うん、偶然よ・・・・・・偶然よ・・・ね???
○○『離婚したん?再婚は?一人なん?子供は?』
ええいっっ
やかましいわっっっ
○○『ご飯食べた?・・・飯でも食いに行かん???』
・・・・・・・おい・・・・・・
なんでいきなりそんな話になるんな
ほ~じゃった、ほ~じゃった。
この人は当時も強引でワガママでプリンのくせに束縛したがりぃで自分勝手じゃったわ
あ・・・思い出したら猛烈に腹が立ってきたわ
ティキ『なんで私が自分と飯くいに行かにゃならんのよ』
○○『△△のステーキでもどう?』
△△・・・・・・・
田舎の方じゃよく聞く店じゃのう・・・。
って
ステーキじゃとぉぉぉぉぉぉっっっ
ワシは肉に飢えた貧しい子供かっっ
肉はのぅ、くぅに焼き肉ご馳走になるけんエエんじゃわぃっっ
ど~せ、エエオッサンになって、子供も社会人になって相手にされんなって、
ついでに嫁さんにも相手にされんなったもんじゃけん、
時々見かける過去のプリン相手に連絡取ってみよう・・・
みたいな寂しい中年心が働いたんじゃろ~て
って、本人に言ったら、当たりじゃったわ
・・・・あのなぁ・・・・・
私はそんな寂しい中年男を相手にしとる暇なんざないんじゃっっ
自分の恋愛すらヘタクソで不器用にしか出来んで暴発して取り返しのつかんことになっとるっちゅ~のにっ
ティキ『ワシ、忙しいんよ
』
○○『じゃぁ、ティキ・・・・・・ティキさんの時間の空いてる時にでも』
んまぁぁぁぁぁぁぁっっっ
なんて物分りの悪いおっさんなんじゃろかっっ
しかも、今、一瞬、ワシのことを呼び捨てにしたろぉがっっっ
慣れ慣れしいんじゃっ
ティキ『あ~、無理無理無理っ
』
○○『そんな冷たいことを
』
・・・世の中には・・・・・
ホンマにアンポンタンの大人がおるんじゃね
で、押し問答の挙句無事電話を切ることが出来たティキでありました
・・・・・・疲れた・・・・・・・・
この電話の間に何度も言われたのが、
『俺の喋り方真似てオッサンみたいに喋らんでもエエんで』
う~んと・・・・・・・
えぇ~ッと・・・・・・・・・・・・・・・・・
ほ~じゃったね。
チミは10数年前の私しか知らんのよね
10数年間の間にティキは随分と変わったさ
当時はこんな口調じゃなかったかも知れんのぅ
『わざと、そ~やって喋りょんじゃろ??』
と、何度も聞かれ、
『いんにゃ、コレが今の私の地じゃけぇ』
と何度も答えるティキ
『・・・まるでオッサンとかジイサンみたいじゃ・・・』
と、最後にはこうまで言われる始末
エエのよ、それで
特に、こんな得体の知れん内容の電話じゃったら余計にでもおっさん化するってもんよ
じゃけど・・・・・・・・・・・
なんかちょっと気持ち悪ぃ~
引っ越した先まで知っとるってど~いう事よ
でも、まぁ、狭い市内じゃけんの
知りうることもあるかもじゃの
いついつどこで、何時ごろ見かけたよ、って具体的な目撃情報を何年も前から遡って報告されたのにゃ、
ちょっとシッコちびりそ~じゃったがの
まぁ、ティキの考え過ぎじゃろ~て
落ち着け、落ち着け
あぁ・・・・・
なんか、ドッと疲れたわ