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ミンクのつぶやき

何気ない日常生活や時には短編小説を載せる事もあり。

忘れられない

2011-10-17 18:12:21 | 短編ストーリー
        序章
 ~~~海岸で若い二人が恋をする物語~~~
 
(ベッドの中で半分覚醒した状態で聞く歌はいいなあ~)
 ・・・・・!
「今何時?6時半じゃない!」
 あわてて飛び起きると改めて枕もとの携帯を見直してみる。
「やっぱり6時半だぁ。起きなきゃ。」
 急いでベッドから起きだすと手早く身支度を整える。
「7時には出なきゃ。」
一人で喋りながら昨夜用意してあった薄いグリーンのワンピースに着替えているとハローミスターモンキーが鳴り出した。
「もしもし。」
「支度できた?今佳織のマンションの前だよ。」
「OK!今降りてく。」
携帯を切るとドレッサーの前で全体をチェック。
(まぁまぁかな。)
用意していたバッグを持って出かけた。
「お待たせ~」
「遅いよ。もう!」
「ごめん、ごめん。実はさっき起きたばかりなんだ。孝子~~!久しぶりじゃない。元気だった?」
「おかげ様で。何とか生きてるよ。」
「何言ってるんだかね。仕事も恋人もいる人が。そうだよね~幸代。」
「まぁね。孝子はいいよね~~。」
「何よう。二人して随分意地割るじゃないの。久しぶりに会ったのに。そういう佳織と幸代はどうなのよ?景気は?」
「相変わらずよ。仕事は忙しいし休日は暇だし。」
「私も右に同じだね。」
「そっか。私も休日は暇にしてるから一緒だね。」
「???橘さんとは会ってないの?」
「うん、最近はね。・・・・どうやら浮気をしているみたいなんだ。」
「あの真面目な橘さんが?」
「ちょっと!前見て運転してよ。危ないじゃないの!」
慌てて幸代は前を向きながら、
「まさか。あの堅物の孝子命みたいな橘さんが浮気なんて市内でしょう。アッ!」
「何よ?」
「着いたよ。さぁとりあえずさっさと支度しようよ。」
「そうだね。孝子の話は後で聞くからさ。とりあえず今日は知美の結婚式だからさ。」
「分かってるって。大丈夫よ。さぁうつくしく変身しましょう。」
「私達素がいいからね。更に美しくだね。」
三人は賑やかにおしゃべりしながら目的地に到着した。

「いらっしゃいませ。」
「おはようございます。予約してる中野と松山・跡部です。今日はよろしくお願いします。」
三人で一斉に笑顔を振りまくと店長が自ら三人を案内してくれる。
「中野様いらっしゃいませ。本日は御友人の方々とのご来店ありがとうございます。」
「こちらこそ朝早くから無理なお願いをしてすいません。こちらは友人の松山孝子さんと跡部幸代さんです。」
「松山様、跡部様本日は御来店ありがとう語沿います。これを機に是非当店を御利用ください。」
「こちらこそよろしくお願いします。素敵なお店ですね。」
「本当に落ち着きのあるお店ですね。」
「ありがとうございます。これも中野様デザインが素敵だからです。」
「そんなことないですよ。店長始めスタッフの皆様の対応がよいからですよ。」
「この内装、佳織がデザインしたの?すごい素敵じゃないない。」
「ほんとよね。佳織にこんな才能があったなんてね。高校の時なんか美術なんて嫌いだったのにね。」
「その話はいいからね。じゃ店長、よろしくお願いします。」
「承知いたしました。本日は御友人の御結婚式だと伺っていますが何時からでしょうか?」
「お式は十時からなんですがその前に友人と話もしたいので九時にはここを出発したいのでよろしくお願いします。」

三人はそれぞれの担当に案内されて行った。孝子の担当は福山雅治にちょっと似ている男の子がついた

「えぇ?、25歳なの!若く見られるでしょう?」
「松山様こそお若くてお綺麗ですよ。本日のご希望は?」
何だか楽しげに会話をしているようだ。
(孝子は面食いだからうれしそう。あら?以外にも幸代も笑っているわぁ。珍しい。)

「どうされました?中野様?」
「何でもないですよ。珍しく幸代が笑って話してるなって思って。彼女ちょっと人見知りをするタイプなので、ちょっと意外だなって。」
「跡部様を担当しているのは橘君と言って今年入店したばかりなんですが技術は確かなんで本日は跡部様の担当に私が選びました。松山様を担当させていただいてる甘木は昨年の全国カットコンクールで準優勝をいたしました。」
「甘木君はよく知ってるけど橘君は始めてみるわね。」
「そうですね。前回のご来店は1月20日と記憶していますがその日は橘は定休日だったかと思いますね。次回の御来店時は橘になさってみてはいかがでしょう?きっと満足されるとおもいますが。」
「いいわよ。私は高柳さんで。高柳さんは余計なこと言わないからいいの。また違う担当だといろいろ喋らなきゃいけないでしょう。だからいいのよ。」
「そうですね。中野様が始めてこの店にご来店したのは5年ほど前でしたね。」
「本当に高柳さんの記憶力にはかんしんするわね。」
「商売柄記憶力は確かです。あれから5年ですか・・・」
「・・・・そうね、3年経ったわね。」
佳織は鏡を見つめながらあの3年前を思い出していた。