台風が来るといつも思い出す。
幼かった私は母におんぶされて近所へ避難した。
暴風雨の中で振り返る我が家は床下浸水。
太いロウソクに火を灯し、木製の雨戸がガタガタ鳴るのを聞いて過ごした。
ほんの一瞬の風景だけが記憶に残っている。
今日まで1週間雨が降り続いた。
使ったタオルを次々に、使い捨てのティッシュをゴミ箱に捨てるように洗濯機へ放り込む息子たちはもう独立。
先日会った次男の助手席にはてんこ盛りの洗濯物。
さすがにコインランドリーやわ、かなんわ。と。そうやろそうやろ。
それほどに降り続いた雨のせいで台風が来た今日という日は記録的な河川の状態を生んだ。
床下浸水の恐れに備えて、下の物をいろいろと二階へ運び、霞んで見える川沿いの道を走る車のライトに目を凝らす。
まだ通行止にはなってないよね。
大丈夫やろか。もし氾濫したら…。
初めて知ったハザードマップ。もし、あの川が溢れたらどれぐらい水につかるのかな。
なんとか床下浸水ぐらいで済むのか。
避難場所の方が低いじゃん。でも学校だと二階の体育館でたくさんの人が避難できるか。
こんな風に目の前に危機が迫ってやっといろんな事が考えられる。
日本は昨今いろんな被害に見舞われた。それでも人ごとだったのだと改めて思う。
毎度おなじみのサイクルラインもしばらくは通れそうに無い。
それでも雨は止んだ。ともかく止んでくれた。