『我が偽りの名の下へ集え、星々』紹介ブログ

カクヨム掲載中、ファミ通文庫より発売予定のライトノベル『我が偽り名の下へ集え、星々』の紹介ブログです。

基本戦術 その1

2017-05-04 | 設定:SF、科学
(本作品)世界に於ける宇宙艦隊戦の基本戦術として、天体もしくはリープ閘門周辺に立てこもる防衛側に対して、進攻する部隊という視点から説明する。
一般的に何も無い開けた宇宙空間での艦隊戦というのは、偶発的な出来事でも無い限りあり得ない。多くの場合、天体もしくはリープ閘門とその周辺に存在する施設の確保、撃破が目的となるからである。
リープストリームから通常空間へ戻る場合、ディストーションエクステンダー同士の干渉及び未知の要因で艦隊を構成する艦の相対位置は数キロから数百キロもずれる。密集隊形で一斉にリープストリームから降下すると衝突する恐れがあるため、予め十数キロの余裕を持って通常空間に戻る。その為、通常空間へ戻った後、艦隊陣形を再形成する時間が必要になる。但しリープ閘門から通常空間へ戻った場合、艦隊陣形はそのまま維持されるが、実戦でそのような作戦行動を取る事はまれである。
また多くの場合、防衛側は拠点となる天体、宇宙施設周辺に小惑星などを破砕した岩塊、スクラップやデブリなどを配置して、これをバリケードとして利用する。これは防衛側にとっても艦艇航行や索敵などの障害になるので、配置する場所や密度が重要になる。経済的、技術的余裕が有る場合、推進器を持ったバリケード専用の宇宙機を建造、配置する事もある。
まず攻撃側はこのバリケードを突破する事が目的となる。対物レーザー、レールガン、ミサイルなどで破壊可能と判断すればそれらの兵器で攻撃する事になる。ただしその前に敵の位置を把握して的確な場所を突破しなければならない。バリケードが障害物になり、またブロッケンシステムによる妨害もあるので、遠距離からの電子索敵のみでは完全な成果を上げる事は難しく、無人の探査ドローン、無人偵察機、有人偵察機、駆逐艦及び軽巡洋艦などの小型艦艇の順番で偵察となる。探査ドローンは小型だが推進剤に限りが有り、ブロッケンシステムにより母艦とのデータリンクが妨害される可能性が高い。無人偵察機は航続距離が延びるが、ほぼ同じ問題を抱える。結局、最終的には有人偵察機と護衛の戦闘機。もしくは相応の防御力と攻撃力、そして索敵能力を持った小型艦艇が投入されるのが一般的で有る。
防衛側は重要なポイントを悟られぬよう、どのようにして偵察、索敵を妨害するかが主眼になる。
攻撃側がバリケードの破壊に成功してもその後に大量の破片が残るので、攻撃場所は的確な選択が求められる。一方、防御側は無意味な場所を破壊させて、その隙に反撃を行う。あるいは距離が比較的近ければ、バリケードを破壊された直後、破片を盾にして攻撃側に急接近しつつ反撃する事が想定される。
バリケードとなっている岩塊やデブリが充分に大きく装備兵器で破壊できないようならば、それを迂回して攻撃する事になる
(以下、次項)

この項目は本作品『我が偽りの名の下へ集え、星々』の設定(カシミールエンジン、ブロッケンシステムなどの存在)に準拠したものです。現実のもの、及び他の作品とは無関係ですのでご注意ください。

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