実際に起きた無差別凶行《新宿バス放火事件》に遭遇した女性の愛と苦悩を描く。杉原美津子の手記『生きてみたい、もう一度』の映画化で、脚本は「イヴの濡れてゆく」の渡辺寿、「ザ・オーディション」の中岡京平、「しあわせ」の恩地日出夫の共同執筆。監督は恩地日出夫、撮影は「F2グランプリ」の上田正治と「逃がれの街」の岸本正広がそれぞれ担当。
1980年8月に起きた新宿西口バス放火事件の被害者である杉原美津子が書いた手記『生きてみたい、もう一度』の映画化で、恩地日出夫がメガホンをとった。脚本は渡辺寿、中岡京平と恩地が共同で執筆。
1980年8月19日の夜、石井美津子を乗せた京王バスが、新宿駅で発車直前に放火された。犯人の丸山博文は逮捕、美津子はやけどを負い病院に搬送される。生命の危険があり入院加療が必要と診断された美津子は、その日から手術とリハビリに苦しむ日々を送り、ようやく外出できるところまで回復した。事件前から不倫関係にあった編集プロダクションの杉原荘六の妻が癌で亡くなり、彼は退院した美津子の実家を訪ね結婚を申し込んだ。同棲生活を始める二人だったが、荘六が事業に失敗し借金取りに負われるようになってしまう。