おとなりカフェ

食べ物を作るのは人


昨年からずっと続いている食品に関する事件は、元をたどれば、旬や産地、食べ物の命のことなど、毎日生きて生活している者として、私達が最低限知っていなければならないことを、あまりに無頓着に外部依存してきた結果だろうと思います。

私達の生活が限度を超えた便利や安さを望み、企業はその範囲で売れるものをつくり販売してきたのです。
そこで働く人はそれを口にする人としてではなく、もしかしたら製造ラインとして経営層から捉えられるほうが多かったのかもしれません。

そのような構造的問題として見ると、個別にある会社や個人に責任をとってもらえばすむ問題でもないのでしょう。おそらくそうした問題は、広く、そして根深いところまでいっているだろうと想像しています(でも、一連の食品関連の事件を契機に、大小さまざまな問題が解消に向かっていることを祈るばかり)。

このような事件が起きると、私はよく、六花亭の小田豊社長の経営者としての話(インタビュー番組での)を思い出すのです。
「私達は一つひとつのお菓子をみんなで分担しながら作っている。だから、一人でも自分の責任を果たす気持ちが薄れると、ちゃんとしたお菓子が提供できなくなってしまう」と。

本社が帯広にある六花亭はお菓子作り一筋で、誰もが知っているお菓子メーカーです。
小田社長は、社員一人ひとりをとても大事にし、それを具体的に経営の柱にされています。

六花亭の「仕事も遊びも一生懸命」
→ http://www.rokkatei.co.jp/recruitment/info.html

北海道新聞夕刊掲載の広告「社長の思い」の一部もHPに掲載されています。
(最近、「道産小麦」のことで少し批判もあるようですが、会社の方針、見解の違いの範疇です)

本当に勉強になります。人間の食べ物を提供するということの原点を見せてもらい、すがすがしい気持ちになります。

安心・安全のしくみやルールを整えても、結局は、食べ物を作るのは現場の人です。

経営層がその人たちと信頼関係が構築できなければ、単に消費・賞味期限を短くし、廃棄を増やしていくしかないのです。
そんな道を選択するだけでいいのでしょうか。

ほとんどの農産物の生産者は必死で努力を重ねています。食品加工会社だってさらに製造過程に目を配っているはずです。
私達ができることは、今一度我が身を省みて、食の業界全体を信頼していけるだけの知識をもつよう努力し、食に対する新たな文化を構築していかないといけないと思っています。

しつこいようですが、このままだと単に廃棄が増えるだけです。
世界にはきれいな水にアクセスできず、飢餓で苦しんでいる人たちが、少なくとも8億人はいると推計されています。
ここにはドキッとするデータが詰まっています。
→ http://arkot.com/jinkou/

コメント一覧

imacoco
お邪魔します。
http://blog.goo.ne.jp/imaima_07
もしかしたら、戦後日本が荒んで人心が荒廃した大きな理由は、お金があれば何でも買って食べられるじゃないか…と云う意識が蔓延してしまったからかも知れませんね。

命は人間に作る事は出来ませんし、畑に種を蒔くのは人間でも、実際に芽を出し成長させ実らせるのは人知を超越した力です。

昔の日本人が持っていたであろう、そんな神秘的な力に対する畏敬を今一度、思い出さなければならないのかも知れません。
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