goo blog サービス終了のお知らせ 

ウィーンエリザベート観劇まとめ

ウィーン滞在中に見た再々演版エリザベートの感想まとめ。整理中。

エリザベート③

2013-03-10 18:00:00 | エリザベート
メインのMark Seibert氏のトートであまり盛り上がれなかったため、悶々としつつ検索してみたら代役トートのOliver Arno氏のださいホームページで出演予定日を発見。代役の出演日が分かるとはなんて便利なインターネッツ。てっきり毎日通ってキャスト表を見なきゃならないのかと悩んでいた矢先だったので歓喜の舞。

早速後日喜び勇んでライムント劇場へ。初の2階席。そしてそこで奇跡が!えええええええ字幕あるじゃねえかー!(驚愕)2度もスルーした字幕スクリーンの存在に、2階席に行って視界が開けたおかけでようやく気付く。前々回は3階席だから遠すぎて、前回は舞台に近かったせいで気付かなかったらしい。お馬鹿!ついにあらすじだけでなく、台詞ひとつひとつが分かるように…。ああ、ようやく人並みに楽しめる(感涙)ただし英語をちんたら読むのに忙しくて舞台がなかなか見れない弊害が酷い。徐々に歌詞をドイツ語で覚えたい。

ちなみにキャスト表を見たら、エリザベートの人が見たこと無い名前。エリザベートも代役で見れるとはラッキー!とまたまた歓喜の舞。


エリザベート Alice Macura
トート Oliver Arno
ルキーニ Kurosch Abbasi
フランツヨーゼフ Franziskus Hartenstein
ルドルフ Anton Zetterholm


【第一幕】

字幕を見ると英語以外も混じってて、ルキーニはイタリア語?混じりらしい。似合う。アテンシオーネ!だけは理解。エリザベートの噂話をするゾフィーとママの死霊が、私達のせいじゃない!とやたら自己弁護。一応気にしてるあたりが可愛い。待望の代役トートの登場。やはり初めて見たキャストというのは感慨深い。そしてこのトート、随分儚げ~な…というかひょろいwことに気付く。初めて見た時は結構男らしいと思った気がしたが、あの男っ気全開♂のマッチョトート見た後なので、仕方ないwでも個人的にはこっちの方が死っぽくてしっくりくる。Wiki読んだ先入観によって自分の中ではトート=ハイネなので、このトートは詩とか書いてても似合いそうなのでなかなか。

代役エリザベート登場。顔ちっさ!!!!!!!(嫉妬)小柄で可愛い系。パパみたいになりたいなりたい言う相当のファザコンっぷり。パパは親戚パーティーから逃げるらしい。この親にしてこの子あり。パパのアデューがこれからの展開を予感させて切ない。

シシィとトートの出会い。トートがブラックプリンスwwwそれはシシィちゃんが名付けたの?www…もしかしてトートってただのシシィの妄想上のイケメン脳内彼氏なのでは…(疑心)トートはシシィに恋をしたようだが、どうやらシシィから来て欲しい様子。なんという草食系。しかし付きまとう。受け身なストーカーという謎のジャンルを見事に確立している。

議会唯一の男ゾフィーさん素敵。男顔負けに政治バリバリな女は個人的にかなり好き。臣下がくるくるまわって歌うサビのとこは「皇帝陛下に神のご加護を」的な内容だった。楽しい。臣下の動きがからくり人形風というのがいかにも皮肉っぽい。

バートイシュルのギラギラ鹿オブジェにDemelの文字を発見。ケ…ケーキだったのか…(驚愕)不味そうにもほどがある。フランツヨーゼフがアーモンドやら薔薇に例えてシシィを絶賛。しかしもはやそんなことでは驚かない。なんせ彼は世界一のシシィオタクである。実際の宮殿で見てきたエリザベートの絵画・写真だらけの皇帝の部屋が今も目に焼きついて離れない。フランツヨーゼフがシシィを選んだ後のヘレネとゾフィーの歌とダンスがまさに↓


ラブラブデュエットの、シシィがネックレスを付けた時の「チェーンが重い…」にぞっとする。な、なるほど…。

結婚式の場面で、ヴァージンロードのカーペットを敷いたりフランツヨーゼフとシシィに結婚衣装を着せる黒子をするトートの部下?使い魔?のような劣化コピートート達がダサいのに気付いてしまった。黒のオールバックのせいでドラキュラにしか見えない。あれは酷い。

パパとゾフィーの口論。「あんたんとこの息子は俺の娘にはふさわしくない!」「おたくの娘はうちの息子にはふさわしくない!」ファザコン娘との父とマザコン息子の母の対決楽しい。噂話をするモブたちのドレスがカラフルで綺麗。素材感が独特。

待ってましたDer letzte tanz!気合い入れて聞くためにこの曲だけは真っ先に歌詞の意味を辞書で引いていたレベル。おかげでここだけ字幕いらず。3回目なせいかイライラ壁ドンに笑える。バーンと音を出すためなのか、壁に平手打ちなのが気に入らない。お前はハエでも叩いてるのか?漢なら拳でいけ!歌に関してはもう橋の上のキエエエエエエエが聴けてようやく満足。謎めいた耽美男が急に発狂し出す恐怖。たまらん。Oliver Arnoさんにキチガイアレンジで歌ってくれてありがとうと言いたい。

キモシュールな観衆の壁画にジロジロ見られて怯えるシシィが可愛い。でもその悩みは生まれつき皇族のフランツさんには分かってもらえんだろう…可哀想に。

「私は私のもの!」これを味方もなしに泣きながら、でも満足げに独りで歌うシシィさんはすごい。歌詞と合わせてみると、足元の装置がすごく良い感じ。V字になるのは鳥の羽イメージ?代役シシィの人はメインの人より声質が好みだから、ちょっと技術面で落ちるのが惜しい。代役だから仕方ない…

華麗なる皇帝一家ドキュメンタリー、よく見たら後ろに鳥かごが。囚われてますなあ。シシィのピンクのドレスが可愛い。おなかのリボンがキュート。ただしピンクはシシィには似合わないような。おそらく髪色などの問題なので、エリザベート皇后本人でも似合わないと思われる。ミュージカルのシシィの衣装は全てオリジナルが存在するのか気になる。

カフェのシーンで、数年分の政治動向が説明されていて、サラリーマンの使い方が上手いと関心。新聞読んであれこれいいながら、特に何するでもなく…。今も昔も人は変わないという皮肉の効いた良い場面。ラストでルキーニがタオルで首を吊る仕草をやるのが、意味深。どうやらサラリーマン達の乗ってるルンバはテーブルがハンドルになっている模様。一台欲しい。

マインエンゲルwエンジェルはドイツ語でエンゲルかそうか。激務で疲れきって癒しを求めるフランツヨーゼフが母性をくすぐる。本当に苦労してますな。しかし残念そのエンゲル母性のかけらもありません。トートの登場する回転テーブルがどうしても中華料理のあれに見えて笑う。しかしこのトート、やたら切なげでエリザベート好き好き感がすごい。シシィに拒否された後ガーン!て感じで差し出した手も下ろさず呆然としていたのが哀れ。

ミルクの歌のあとに出てくる牛の人形がwまさに外道。しかもタオルに香水まで付ける贅沢っぷり。エリザベートの星のドレスがよく見るとそんなに忠実でない。首飾りが違うのと、元の絵画には無い手袋が気になる。涼しげな星のドレスに長い手袋は暑苦しいような…。


【第二幕】

しょぼいエリザベートグッズwを紹介するルキーニの演技が細かい。絵はがきを客にそ~っと渡そうとしてパッと取り上げるのはお決まりの模様。もし自分に来ることがあったら一瞬ではがきをかっぱらってやろうと決意w歌詞が異様に挑発的。エリザベートへの皮肉と同時に、エリザベート像を創作してるこの作品そのものも皮肉っている模様。すごい。逆にこの歌があるお陰で作者が開き直って好き勝手創作できた、免罪符のような歌なのかも、と想像。

シシィとトートの歌合戦KAKEEEEEE!正に生と死の葛藤。好きなように生きることをダンスで例えるのが面白い。好きなように生きる=好きなように死ぬ、ということなのかな?死の舞踏的に。

猫を面白がって殺すルドルフ坊ちゃまマジ鬼畜。さすが未来の皇帝はわけが違う。しかし何故「猫殺したえっへん!」で観客に笑いが起きるのか。オーストリアンジョークか何かか。シシィが育児放棄した子供の面倒を代わりに見てると考えると、トートって実はかなり健気なストーカー…w

一見テラシュールなチェス版+馬も、政治戦略トークの場面には非常にぴったり。さらに楽しいのだから素晴らしい。モラルとかなんとか言っておいて一瞬で折れる神父が良い味出しすぎ。しかし「他の女に惚れさせよう」まで行って、見繕うのが売春婦とはどういうことなのか。それでいいのか。もしかしてあの子達ああ見えてかなりの高級売春婦なの?w

売春宿のシーンは女将とルキーニの絡み、売春婦たち、字幕、見るとこ多すぎてパンクする。女の子がムチもってるのやら羽箒持ってるのやら、個性ありすぎて追いつけない。とりあえずドSっぽい背の高いネエちゃんが好み。

うわああああああああああああああああ投げたネックレス落としたアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!w落とすこともあるよね。人間だもの。その後旅に逃避するシシィの場面で秘書が拾ってポケットに仕舞うまで舞台の上に放置されたネックレスに視線釘付け。もうそれしか覚えてない。いつ処理するのかばかり気になってしょうがない。そうか落とした時は秘書が拾うのか…。

流れるようにルドルフに迫るトートの自然なホモ臭さ。そしてルドルフの方は意外にもホモじゃない。自分のことに精一杯な男らしい若者で、むしろノンケ臭。ルドルフは本当にトートの事を友達だと思っていて、ところが実はトートの方は唇を狙って…という雰囲気で、なかなか納得のいく関係。歌がコーラスが入るとすごいカッコいい。歌詞もダークでカッコいい。

パパの魂と会話するシーン、シシィの人が老けた演技をしていて感動。そう!これこれ!メインのAnnemieke van Damさんは二幕も老けずにずっと綺麗な声だけど、こういう風にやってくれたら良いのにと、残念。「私は石になってしまった、もうパパのようにはなれない」という歌詞に涙。アデューが辛い。

ルドルフがシシィに助けてもらえなかった時の「僕を失望させるんだね」、シシィがフランツヨーゼフに言った台詞の繰り返しだと気付いて…うわあああ…。トートがルドルフの葬式で死を求めるシシィを拒むのは何故なのか。ただの現実逃避の道具になるのが嫌なのか。繊細な男だ。
「あっち行け」が「Geh」だと気付いて感動。ゲーーーーーー!ってwゲーーーーーー!ってw

老夫婦デュエットは「何故私が来たか分かるだろう」に「別にまあ…」みたいな態度のシシィが…あああ…辛い。そして歌詞が切なすぎる。私たちはそれぞれ違う岸へ向かう船だから、ってすごい例えだ。次のシーンで世界が沈む船に例えられているのも面白い。果たして沈んだのはどっちの…。沈む船のシーンだけ見るとフランツヨーゼフが主人公のよう。同じミュージカルの中で滅ぶハプスブルクと死ぬエリザベートの、二種類の死が描かれているのが面白い。片方は歴史的な、もう片方は精神的・哲学的な死でまるで意味が違うので、物語に厚みがあって飽きない。

Aliceさんのシシィが、トートの迎えで目をさまし、老けた声で歌いながら喪服を脱ぎつつ、髪をほどいた瞬間に若い声に切り替えて歌うという、素晴らしい演技をしてくれて感動する。魅せ方が非常に上手い。やはり演技に老いがあると、少女に戻るラストが引き立つ。初めて出会った時からどんどん老けて醜くなっていくシシィと、ずっと変わらないトートのギャップというのが個人的にたまらない。そして自分の胸に飛び込んだシシィをいとおしげに抱きしめるトートも良い。や、やっと手に入れた…(感動)の表情。ああ…良かったね…!そしてキスして死んだシシィから離れたあとに、トートが戸惑ったような顔でおもむろに自分の唇を触っていたのが印象的。初めて見た時はしてなかったような。バイセクシャルのキス魔(語弊)なのにファーストキスのような反応なのが良い。複雑なストーカー心。

最初に見たのがこのトートのせいか、頭の中でトート=ストーカーと刷り込まれてるせいか、やはりOliver Arno氏のトートの方が全体的にしっくり来る。個人的に、この人のトートは何となく少女漫画っぽい。一昔前の。儚げかつ切なげなのと、やたらシシィが好きで、あとはセクシャルな下心をあまり感じないからか?基本的にプラトニック臭。なのに歌うとキエエエエエエエ(発狂)なのが得体の知れない感じで良い。
トートはキャラの自由度が高いのか、役者が違うと大分全体の印象が違うのが面白い。というかガチムチ♂トートの代役がこの人でいいの?ってレベルにOliverさんキャラ違うような…演出的に良いのか?w


最新の画像もっと見る