スポーツメンタルトレーナーの小噺

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2004年のスポーツ界を振り返る

2004年12月31日 | その他
 このブログも5月から始めましたが、2004年もいろいろなことがありました。生観戦もしましたけど、もうちょっと見に行かないといけないかな。ここで勝手ながら2004年のスポーツ界をランキング形式で発表したいと思います。

第5位 サッカー日本代表・アジアカップ連覇!
 欧州組は中村俊輔しか招集できなかったにもかかわらず、接戦をモノにし、見事アウェーの地で連覇を成し遂げました。今年のサッカー界でよかったのはこれぐらいしか思いつきません。まあW杯の一次予選を突破できたことはよかったんですが・・・。

第4位 イチロー・シーズン最多安打262本の大記録達成!
 いやあ4位というのが申し訳なく思うぐらいの大活躍でした。なぜMVPじゃないんだ~。もうすでにイチローはすごいと思っているんですが、彼は僕らの予想の上を行ってくれますね。本当にすごい記録なんですが、イチロー選手がやると、なんか普通というか、あっさりやっちゃった感があるのも否めません。それほどすごい選手だということなんですが。スポーツ心理学的に見ても素晴らしい考え方をしていると思います。今度はどんな記録を作ってくれるのやら・・・。

第3位 田臥勇太・日本人初のNBAプレーヤー誕生!
 これは本当にすごいことだと思います。イチロー選手の大記録と迷いましたが、こちらを上位に選びました。体格のハンディが出るバスケットボールという競技での最高峰に位置するNBAに選手としては非常に小柄な田臥選手が意義あることだと思います。また次のチャンスを掴んで欲しいですね。

第2位 プロ野球再編問題
 こちらも大きな問題で1位にしてもよかったんですが、これからの野球界の大きな分岐点になることは間違いないでしょう。いろいろなところでこの問題が議論されていると思いますが、着地点はもう決まったので、これからの球界を僕らも力をあわせていいものにしていきましょう!

第1位 アテネオリンピック・日本人選手大活躍!
 やはり僕の立場としてこれを一番にしないわけには・・・。ブログも毎日頑張りましたし。中でもやはり男子体操団体の金メダルでしょうか。北島選手の二冠も素晴らしかったですね。スポーツ科学センターを中心とした日本の強化策が実ったといって良いでしょう。これが続くように祈るだけです。それから日本人以外でも、男子マラソンのリマ選手のスポーツマンらしい清々しさを覚える行動には感服しました。本当に素晴らしい感動を与えてくれました。ありがとう!次はトリノオリンピックだ!

第四回メンタルトレーニング講義:リラクセーション

2004年12月28日 | メンタルトレーニング講義
 久々の第四回です。第二回の講義でも述べたように、ここではわかりやすくリラクセーションとしていますが、本来は適切な緊張状態を作り出すことです。多くの選手が適切な緊張状態よりも緊張しすぎる過緊張・あがりが原因で本来の力を発揮できないことが多いので、緊張を和らげるリラクセーションという言葉がよく使われているようです。しかし、逆にある程度の緊張感がないとやはり本来の力を発揮できません。緊張感を高めるような場合はサイキングアップやアクティベーションなどの言葉が用いられます。リズムのいい音楽を使ったり、呼吸を意識的に速くすることなどが緊張感を高める効果があります。しかし、ここでは多くのアスリートがより必要としているリラクセーションのスキルを中心に紹介します。

1.呼吸法
以下に述べる方法にも共通して言えることですが、基本的に身体と心が結びついているという観点からこれらの方法が効果的であると考えています。呼吸をゆっくりすることで生理的なリラックスが生じ、それが心理的なリラックスに繋がるということです。腹式呼吸で吸うのは速めに、吐くのはゆっくりが一般的だと言われていますが、色々自分に合う方法を模索して見つけてほしいと思います。最初は仰向けの状態→座っている状態→立っている状態と順を追ってやってみてください。

2.漸進的筋弛緩法
自分が緊張していると思う部分を、意図的に力を入れて筋を緊張させ、力を抜くことで得られるリラックスした感じが心理的なリラックスに繋がっていくという方法です。手・足・肩などに思いっきり力を入れて3秒ほど呼吸をとめ、ゆっくりと筋が弛緩していくのを自分がリラックスしていくのを感じてください。

3.自律訓練法
この方法は催眠の研究から生まれた方法です。みなさんもリラックスしているときに腕がダランとして重たく感じたことはありませんか?腕が重たく感じたり、温かく感じたりすることがこの方法ではリラックスしているということになります。

4.イメージ法
まずイメージの中でリハーサルを行って、試合への心構えを作っておくイメージリハーサルという方法があります。また、自分がリラックスできる風景などをイメージすることもリラックスに繋がるかもしれません。

その他にも、認知的にポジティヴなことを考え、緊張を取り除く方法や、自分の好きな音楽や、比較的スローテンポの曲を聴くこと、アップのときなどに身体的緊張の中に心理的緊張を紛れ込ませる方法などがあります。みなさんも他に何かとっておきのリラックス法があったら教えてくださいね。

岩隈問題決着!

2004年12月23日 | 野球小噺
 ようやく岩隈投手の問題が決着しました。オリックス側、選手側、双方に言い分があったと思いますが、世論を巻き込んだ時点で選手会側の勝ちだったんでしょうね。当然15勝もしている投手ですから、どこだって欲しいのは欲しいですからね。オリックスのオーナーは大変な英断だったと思います。ただ野球界全体のことを考えると楽天への移籍はベストの選択だったと思います。やはり客観的に見て、楽天の戦力は落ちるわけですから、戦力均衡でスリリングなペナントレースにするためには非常によかったと思います。来年のパリーグは見所がいっぱいで本当に楽しみになりましたね。選手の皆さんには自分の実力が発揮できるように、監督・球団関係者にはその環境を整えるように頑張ってもらいたいです。勿論今年起こったいろいろな問題も忘れずに。

サッカー日本代表、ドイツに完敗。

2004年12月16日 | サッカー小噺
 前半は久しぶりに良かったです。序盤相手に主導権を握られましたが、ディフェンシヴフォワードの鈴木がよくプレッシャーをかけ、徐々に相手のペースに慣れていきました。
 が、後半バラックのフリーキックを楢崎がキャッチミス。初めて対戦する相手が蹴るボールの質がよくわからない中で、結果論ですがセーフティーファーストが適当でしたね、あの場面は。ドイツの追加点はバラックの素晴らしいミドルシュート。3点目はボールをもっている大久保に誰もフォローに行かず、ボールを取られ失点。バラック1人にやられた感じです。さすがワールドクラス。まあ力の差ですかね。こちらはベストメンバーではないとはいえ、勝てる可能性は結構あったと思うんですが、戦術的な交代策や指示も相変わらずなく自滅した印象です。監督は調子の波が大きすぎて、悪いときに失点してしまったと言っておりましたが、それを作ったのはお前じゃ、残念!という感じです。小笠原はよく起点になりいいプレーを見せてくれましたし、4バックも頑張っていたと思います。選手個々はそんなに悪くはなかったのになあ。アジア最終予選に向けての情報戦でいいデータをとられないためだったと信じたい・・・けど違うな、明らかに。いつものことだし。あとは年が変わって気分も一新って感じでドイツに行きましょう!

Jリーグ、トヨタカップ共にPK戦で決着!

2004年12月13日 | サッカー小噺
 サッカーJリーグのチャンピオンシップで横浜Fマリノスが浦和レッズをPKで破り、年間王者に輝きました。来年からは1シリーズ制となるため最後のチャンピオンシップとなったわけですが、本当のチャンピオンを決めるという意味でやはり1シリーズ制が望ましいでしょう。
 そして欧州王者と南米王者が争うトヨタカップもFCポルトがオンセ・カルダスを同じくPKで破り、最後のトヨタカップを制しました。欧州王者と南米王者が争って世界一のクラブチームを決めるという今現在では無理のある大会が発展解消されて来年からは日本のチームも出場の可能性がある世界クラブ選手権になります。まだこの大会の権威が確立されていないのでなんとも言えませんが、アジアなど地域のナンバー1クラブチームを決定する大会が今以上に白熱するのは間違いないでしょう。
 くしくも両決勝戦がPK戦で決着という事態になりましたが、やはり集中力が高まって続いているような試合では点差はつきにくく拮抗した試合になるなあと感じています。Jリーグのチャンピオンシップでは守勢だった横浜FマリノスがPK戦を制し、トヨタカップでは攻勢だったFCポルトがPK戦を制したんですが、本当にPK戦はわからないですねえ。基本的には劣勢だったチームのほうがPK戦では対等な位置まで戻るわけだから心理的に有利だと思いますが・・・。現に横浜FマリノスはPK戦を制しているわけですし、同じく試合中は劣勢だったオンセ・カルダスの選手たちはPK戦に突入したことを喜んでいました。PK戦のキーパーの能力を見てもオンセ・カルダスのGKのほうが圧倒的に上回っていたと思うんですが・・・。本当にわからないですねえ。まあだから面白いといえば面白いんですがね。

サッカーW杯アジア最終予選組み合わせ決定!

2004年12月10日 | サッカー小噺
 とうとう2006年ドイツで開かれるサッカーワールドカップに向けたアジア最終予選の組み合わせが決定しました。日本と同組はイラン、バーレーン、北朝鮮となりました。この4カ国の中で上位2チームに入ればワールドカップ出場が決まります。あまり考えたくはないですが、このグループで3位になっても、もう一方の組の3位チームとのプレーオフに勝ち、さらに北中米カリブ海地区の4位チームに勝利するとワールドカップの出場権が与えられます。まあ僕は前から楽観視していますが、できればバーレーンよりはウズベキスタンの方が良かったかなあ。バーレーンはやはり手ごわい相手だと川渕キャプテンも発言していました。でも大丈夫でしょう。
 ただ対戦の順番などに対して少し感想を・・・。まずやはり北朝鮮とのホームでの初戦ですよね。グループの中で最も情報が少ないと思われる相手とは、できれば初戦は避けたかったというのが1点。やはり相手の能力・戦術・戦略などをイメージすることが難しいですからね。さらに北朝鮮はこの組の中ではFIFAランキングが最も低く、しかもホームでの初戦ということで「勝たなければならない」「勝って当たり前」というプレッシャーに襲われるのではないかという懸念があります。最終戦が同組最大のライバル・イランとの対戦をホームで迎えるという日本協会の案が通ったわけですから、やはり有利と考えていいでしょう。有利な対戦が最後に残っていると余裕を持って、すでに予選突破を決めていれば文句なしですが、最終戦までもつれ込む場合でも、まだ精神的なゆとりを持つことができるのではないかと思います。
 ウズベキスタンのほうがくみしやすかったなとか、まあ希望を言えばきりがないですが、もう決まったことですから。監督や選手の皆さんにはグループの半分以上が予選突破できるんだとゆとりを持って臨んでほしいですね。

スポーツ心理学会

2004年12月09日 | その他
 もう一週間も経ってしまいましたが、ここらで先日行われたスポーツ心理学会の感想などを・・・。今回私が目に付いたのは、やはりアテネオリンピック関連の報告でしょうか。国立科学センターの心理面担当の方達がいくつか発表されていました。自己コントロール、集中力、自信などが高い人ほどやはりいい成績をあげているんだなあと再確認できました。今、私のフローという概念の研究の中で一番核になるものが集中だと考えているので、興味を持って拝見していました。また、私のフロー研究に非常に近い研究をされていた方もいらっしゃったので、意見交換もできましたし、非常に有意義な時間を過ごすことができました。そして今回もいろいろな方達と交流がもてたことがやはり一番の収穫でしょうか。学会が終わって、お酒も入りつつ、冗談を言い合ったり、時には真面目な話をしたりと今までで一番楽しい学会だったかもしれません。それから私が取得を目指しているスポーツメンタルトレーニング指導士(補)の講習会も受けてきました。高名な先生方ばかりの講習で非常に興味深く時間を過ごすことができました。現在、指導士・指導士補あわせて75名、今回受講していた方が私も含めて12名と、まだまだ資格制度もスタートしたばかりで社会的認知度も低いですが、私たちが頑張って、選手やチームの競技力向上を助け、未来に繋がっていけばと思います。おそらく今期中には資格も取得できると思いますので、そのときには私の情報を公開したいと思います。やはり匿名では信頼を勝ち得るのは難しいですからね。そのときは、勿論今でも良いですが、特にスポーツでの能力発揮に関して悩みや相談がある人はお気軽に連絡してください。
 今回実は私も自分の研究を発表しようと思っていたんですが、ポスターを作成してそれを指定の場所に貼って発表するポスター発表の形式しかなく、私がしたい形式のみんなの前で口頭でプレゼンする発表はなかったので今回は取りやめることにしました。と言っても、もうその口頭発表はやらないというような話を聞いたんですが・・・。ポスター発表というのは時間的に言えば効率的に多くの発表を行えるという利点があると思うんですが、なんか敷居が低い感じを受けます。私の研究が優れているとは言いませんが、興味のある同じか近い分野の人たちだけでなく、その他の研究分野の人たちからも色々な角度からご指摘などいただくことによって、より良い研究になっていくのではないかと考えますので、できれば復活して欲しいなと思います。来年どうしようなあ。

アメフト・関西学生プレーオフ観戦記

2004年12月05日 | 生観戦記
 今日まで日本スポーツ心理学会のため、大阪に行っていたんですが、たまたま知り合いがチケットを取ってくれたため、アメリカンフットボールの関西学生リーグの王座を決めるプレーオフ・関西学院大学と立命館大学の試合を見に行ってきました。
 まず驚いたのが、その人気ぶり。一緒に観戦した広島から来た知り合いは、「サンフレッチェよりカープより客が入っとる」というぐらい雨にもかかわらず予想以上の観客数で驚きました。どういう流れで応援していたのかわかりませんが小学生ぐらいの子供達が一生懸命関西学院大学ファイターズを応援しており、関西のアメフト熱を感じました。
 試合のほうはチケットを用意してくれた知り合いが事前に言っていた通り、非常に接戦でいい試合だったと思います。2タッチダウン14点を先制した関西学院大学に立命館大学がじわじわ追いつき、試合は延長戦へ。勝ち越しのチャンスを得た関西学院大学でしたが、キックを成功できず、結局逆転負けを喫してしまいました。そのあとのキッカーの行動を注視していましたが、ちょっと一度の失敗を引きずっているようで、気持ちが切り替えられていないように思いました。案の定、最後もキックを外し勝負ありとなりました。残念!というのも実は私KGOBでして・・・。