今日は『赤い靴』からこのセリフにしました。このセリフは…
テギルは店の客としてやってきていた高齢者施設理事長の
スヨンに一目惚れし、こまめに施設に通ってようやく付き合うことになりました。しかしすぐに次の難関がやってきました。スヨンが親代わりである兄に紹介するから家に来て欲しい、と言ったからです。自分や自分の家族のことを考えて弱り果て、姉の店に飛び込んだテギルでしたが、結局独り言を言って店を飛び出し、訳のわからない姉を呆れさせました。その時のテギルの独り言が今日のセリフになります。
「待てば海路の日和あり」。これも出自をたどると昔の中国由来で、元は「待てば甘露の日和あり」なのだとか。この甘露というのは民衆本位の政治が行われた治世に天が降らせてくれる恵みの雨のこと。つまり、どんなに雨が降らなくてもいつかは甘露、すなわち天が恵みの雨を降らせてくれるから辛抱強く待ちなさい、ということですね。この甘露という言葉が、理由も時代も不明ですが、海路という言葉に変わり、「待てば海路の日和あり」、つまりどんなに時化の日が続こうともいずれ出航できる日がくるから辛抱強く待ちなさい、ということですね。
こうしたことから、日照りや時化の例に限らず、物事は必ずそれに相応しい時機がくるから今は大変でもそれまで辛抱強く待ちなさい、ということの例えになっています。ここでもポイントはタイミングですね。コロナの世もまたこのとおりだと思うのですが。